【フェスティバル・オブ・ゲームス】ゲームブックから『トゥームレイダー』まで、ゲームデザインの巨匠が語る | GameBusiness.jp

【フェスティバル・オブ・ゲームス】ゲームブックから『トゥームレイダー』まで、ゲームデザインの巨匠が語る

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イアン・リビングストンという名前を聞いて、「ファイティング・ファンタジー」や「死の罠の地下迷宮」を連想する人は、どれくらいいるでしょうか? 
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イアン・リビングストンという名前を聞いて、「ファイティング・ファンタジー」や「死の罠の地下迷宮」を連想する人は、どれくらいいるでしょうか? 

フェスティバル・オブ・ゲームスで3日(現地時間)、日本のゲーム開発者にも多大な影響を与えた同氏は「Life as a game」と題して講演し、「ダンジョンズ&ドラゴンズ」から「トゥームレイダー」に至るゲーム人生について語りました。

イアン・リビングストン氏。


イアン・リビングストン氏は49年生まれのイギリス人で、日本では友人のスティーブ・ジャクソン氏と共に、「火吹き山の魔法使い」から始まる一連のゲームブックの執筆者として知られています。これらのシリーズは後に「ファイティング・ファンタジー」という世界観で整理され、テーブルトークRPGへと展開していきました。また「タリスマン」をはじめ、さまざまなボードゲームのデザイナーとしても知られています。

その一方でゲーム専門店のゲームズワークショップを共同設立し、80年代半ばにはゲーム開発会社のドマークを設立するなど、企業家としての側面もあります。95年に同社がアイドス・インタラクティブに吸収された後は、「トゥームレイダー」「ヒットマン」シリーズなど多数のタイトル開発に携わり、現在も同社のライフプレジデントとして活躍中です。02年には英国アカデミー賞(BATFA)インタラクティブ賞、06年には大英帝国勲章も受勲しており、英国ゲーム史に輝く伝説的なゲームクリエイターだと言えます。

そのリビングストン氏の講演は大きくアナログゲーム時代の回想と、「トゥームレイダー」シリーズのフランチャイズ展開という、二つに分けられました。

若き日のリビングストン氏(中央)。D&Dをいち早くイギリスに紹介。通販を中心にイベントにも出展。
ホワイトドワーフ誌の創刊号。「タリスマン」のテストプレイ風景。「ウォーハンマー」は今も展開中。


イングランド西部のチェーシャー州プレストバリー村に生まれたリビングストン氏は、テレビや映画などのポップカルチャーと共に成長。1975年にジャクソン氏らと共に、ボードゲームの通信販売を手がけるゲームズワークショップを設立します。そして前年にアメリカで発売されたばかりの、世界初のテーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)」の取り扱いを開始しました。事業は順調に拡大し、77年には初の店舗を開店。宣伝も兼ねて専門誌「ホワイト・ドワーフ」を創刊します。

ちなみに当時の社員はみなゲーム好きで、金曜の夜にはD&Dをプレイ。少々お酒が入ったこともあり、電話口で魔法使いの口まねをしてピザを注文するなどの光景も見られたそうです。その後ゲームズワークショップは「タリスマン」などのボードゲーム出版。シタデルミチチュアを介してのメタルフィギュア販売。そしてメタルフィギュアを用いてプレイするミニチュアバトルゲーム出版へと事業拡大。代表作「ウォーハンマー」シリーズは日本を含む全世界で、今も多くのファンにプレイされています。

一方でテーブルトークRPGの魅力を、より多くの人に伝えるために、ジャクソン氏とゲームブックにアレンジ。82年に「火吹山の魔法使い」として出版されると、出版界に大旋風を巻き起こしました。シリーズは全59巻まで続き、最終的に世界16言語に翻訳され、1400万部以上を記録。中でもリビングストン氏の代表作「死の罠の地下迷宮」は、イギリスだけで30万部を数えるなど、名作として知られています。ちなみに親日家としても知られるリビングストン氏。講演でも「日本では、それまでシリアスな書籍を出していた社会思想社から出版された」と、あえて触れるくだりもありました。

二人でゲームブックを「発明」。25周年を記念して復刻版も出た。味のあるイラストも魅力だった。


さて、80年代はアナログゲームからデジタルゲームへの移行期でもありました。これにあわせるように、講演内容もテレビゲームに関する内容にシフトします。今や市場はグローバルになり、「GTA IV」のような大ヒットタイトルが登場。ゲームはよりカジュアルなものになり、シニア層などの新規市場も生まれました。「Club Penguin」といったキッズ向けMMOサービスに続いて、SNSと結びついたソーシャルゲームがブレイク。スマートフォンなどプラットフォームの拡大も続き、「新しく、創造的なIPを生み出せる者にとって、明るい未来が訪れる」と語ります。

こうした市場的成功から、さまざまなゲームキャラクターが登場してきました。実際、デジタルゲームとアナログゲームの違いは、キャラクター性の有無にあるともいえます。その好例が、世界一有名で危険な女流冒険家、ララ・クロフトでしょう。96年の第1作以来「トゥームレイダー」シリーズは、主に10代のユーザーを対象に全世界で3000万枚以上のセールスを記録し、ライセンス収入や関連商品なども含めると、1500億円以上の収入を同社にもたらしました。リビングストン氏は、もはやララ・クロフトは子どもだけのものではないと説明します。

事実、ララ・クロフトはさまざまな雑誌や新聞で表紙を飾りました。CGモデルだけでなく、実在のコスプレ写真が掲載されたことも多数あります。その頂点が2度にわたるハリウッドの映画化でしょう。さらにイギリスではゲームキャラクターやコスプレのララ・クロフトが登場するテレビコマーシャルが制作され、清涼飲料水、自動車のシート、VISAカードなど、さまざまな商品と共にブラウン管を駆け抜けたそうです。

ゲーム世界を超えてブレイク。紙面を飾るコスプレ版のララ。ついにハリウッドに進出。


もっとも、ララ・クロフトの誕生は意外なものでした。第1作の開発を手がけたのはイギリスのディベロッパー、コアデザインです。しかし本作のモチーフとなったのは、同社が80年代に制作した「Rick Dangerous」でした。インディ・ジョーンズ風の男性キャラクターがダンジョンを探索する横スクロールアクションで(ファミコンの『グーニーズ』『スペランカー』のイメージです)、この3D化が初期コンセプトだったのです。つまり最初は男性キャラクターで開発が進んでいたのです。

ところが開発チームの一員で、キャラクターデザイナーのトビー・ガード氏から「3Dにすると某アクションヒーローに印象が似すぎてしまう。一方でカメラの関係上、プレイヤーはキャラクターの後ろ姿を見ながらゲームを進めることになる。そこで男性よりも女性キャラクターにしては?」という提案がありました。それを聞いたリビングストン氏が「それは良い着眼点だ」と回答。こうしてララ・クロフトが生まれたというのです。

実際にララ・クロフトは初期スケッチから、ロングヘアーの編みこみ、くびれたウエスト、そして豊かな腰回りという特徴が見て取れます。しかも腰には二丁拳銃のホルスターがぶらさがり、よりボリュームが強調されているほど。結果としてゲーム画面中央の、プレイヤーの視線が集中する地点に腰が表示される一方で、アクションにあわせて編みこみが揺れるという、ゲームならではの機能性に富むデザインになっています。

元になった「Rick Dangerous」デザイナーのトビー・ガード氏。ララの初期スケッチ。
ララに影響を与えた女優。シリーズが進むにつれてリアルに。最新作のスケッチ図。


その後、講演ではシリーズ最新作「アンダーワールド」のスケッチ画像や、テレビCMの映像、フィギュアやグッズなどの関連商品などが紹介され、ララ・クロフトの世界がゲームを超えて広がっている様子が示されました。そして最後にXbox Liveアーケードで今夏配信予定のスピンオフタイトル「Lara Croft:Guardian of Light」のトレーラー映像が流され、終了となりました。

なお「Guardian of Light」」は従来のビハインドビューではなく、トップビュー形式のアクションゲームになるようです。また原住民風のマッチョな男性キャラクターも登場し、シリーズで初めてCO-OPモードが搭載されるなど、かなりの変更点が見られます。ロープで助け合って溝を超えるなど、先に進むには息のあったプレイがポイント。海外ゲームですが、日本でも知名度のあるキャラクターが登場するため、国内向けのローカライズに期待したいところです。

シリーズ初のCO-OPモード搭載。協力して仕掛けをクリアしていく。大型モンスターなども登場。


リビングストン氏の作品で興味深い点は、常に「シンプルさ」と「手軽さ」点が追求されている点です。アナログゲーム時代、テーブルトークRPGの本質を抽出し、本媒体に置き換えることで、より多くのユーザーが楽しめるものになりました。後半では「トゥームレイダー」のゲーム内容よりも、フランチャイズ展開に多くの時間が割かれましたが、そこにはゲームユーザー以外にもララ・クロフトの冒険を楽しんでもらいたい。そのためにはメディアにこだわる必要はない、という主張が込められていたように感じます。

ちなみに会場からの質問で「今まで一番好きなゲームは?」と聞かれたリビングストン氏は「RPGやストラテジーが好きだね。でも一番好きなのはアナログのボードゲーム。互いに顔を見ながら遊ぶことで生まれる社会性が好きなんだ」と回答していました。また講演終了後に伺ったところ、スティーブ・ジャクソン氏は現在、ロンドン西部にあるブリューネル大学の教授としてゲームデザインを教えており、二人は定期的にボードゲームで遊ぶ間柄とのこと。いつかまた来日して、日本での講演を期待したいところです。
《小野憲史》

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