
本格的なナゾトキと重厚なストーリーで、長年愛され続ける『レイトン』シリーズ。その最新作『レイトン教授と蒸気の新世界』が、2026年12月10日に発売予定となっています。
新作の発売に先駆け、「東京ゲームショウ2026(TGS2026)」では試遊ブースも展示。いくつかのナゾとともに、主人公であるレイトンとルークが発明家であるエッグマフィンの元へ行く物語が体験できました。
そんな本作に関して、インサイドではレベルファイブの代表取締役社長/CEOである日野晃博氏へインタビューを実施。最新作『レイトン教授と蒸気の新世界』に詰めたこだわりについてお話を聞いてきました。
◆つぎの『レイトン』が目指すのは、家族で遊ぶゲームの代表格

──本日はお時間ありがとうございます。まず伺いたいのが「なぜいま、レイトンなのか」ということです。レイトンを主人公に据えた物語は、『レイトン教授と超文明Aの遺産』からじつに13年ぶりですが、なぜいま“レイトン”なのでしょう。
日野晃博(以下、日野)氏:周りにいる方々の「『レイトン』の続編を遊びたい」という声を受けてのものですね。「カトリーエイルも好きだけど、やっぱりレイトンとルークの話が見たい」と言っていただくことが多くて。
とはいえレイトンの物語は一度完結しています。なので新作を作るなら“どういった切り口にするか”が課題だったんですね。そういったものが一気に解決できる新たな発想が生まれたので、今回作り始めた形になります。
──先日『レイトン教授と不思議な町 Remake』も発表されましたよね。
日野氏:『蒸気の新世界』を作っているときに、「いまの技術で過去の『レイトン』を復活させたらみんなが喜んでくれるんじゃないか」と思いまして。タッチパネルの代わりになるような操作系のシステムも素晴らしいものができあがっているので、いまなら大画面で過去作を遊べるんじゃないかと。
──もとはDSですし、大画面で操作できるのは確かに嬉しいですね!
日野氏:それに大画面だと、家族全員でワイワイ遊べるんですよ。お父さんがやっているところを、横から子どもが「違うよ!」とか「ちょっと貸してよ」とか、そういった会話をしながら『レイトン』が遊べる。これは『蒸気の新世界』で目指した形ではあるんですが、同じことを過去作の『レイトン』でもできるなら、とても意義のあるリメイクになると思ったんです。

──ちなみに“家族全員で遊べる”というのは、どれぐらいの年齢をイメージされているのでしょう。
日野氏:小さな子でも図形をいじったり、迷路を解いたりというのはいっしょにできると思います。それこそ小学校低学年ぐらいであれば、大人といっしょにあーだこーだ言いながらプレイできるんじゃないかなと。
──なるほど! 自分は小学生を『レイトン』シリーズと過ごしていた、『レイトン』世代なんです。またこの展開で、新たな世代が生まれそうでワクワクします。
日野氏:そうですね。また『レイトン』世代が生まれてほしいし、子どもたちが楽しんで遊べるパーティーゲームの定番のような存在になってほしいですね。
──世代としては、小説や映画といったクロスメディア展開も思い出深いです。今後はそういった展開も期待していいのでしょうか。
日野氏:『イナズマイレブン』や『妖怪ウォッチ』でもやっていますから、『レイトン』だけやらないという理由はありませんからね、どういったものが出てくるかに関しては詳しく話せませんが、ぜひとも期待していただければ。
◆『蒸気の新世界』は“レイトンオブレイトン”。進化したナゾと『レイトン』らしいストーリー
──作品の時系列が『レイトン教授と最後の時間旅行』の次になっているのはなぜでしょう。
日野氏:時系列的にいちばん後ろにあるのが『最後の時間旅行』だからですね。『レイトン』シリーズの時系列としては4作目である『レイトン教授と魔神の笛』からルークとの関係が始まって、5作目、6作目。そして1作目、2作目と続き『最後の時間旅行』へ向かう形なんです。今回はその先を描く物語になっているからですね。
──……となると、4作目以降に登場したキャラクターがどう関わってくるのかも気になりますが。
日野氏:そこはまだ、言えません(笑)。今後を楽しみにしていただければ。
──楽しみにしています! ところで今回、舞台がアメリカになっている理由はなんなのでしょうか。
日野氏:単純に、もうロンドンでたくさん冒険してきたので舞台を変えたいと思いまして。『最後の時間旅行』では最後にルークがアメリカに行きましたし、その後を追いかけて再会するのがいいんじゃないかと。

──地域が変わるとなれば、町に登場するキャラクターたちも一新されるのでしょうか。例えばヒゲマフラーみたいなおなじみのキャラとか。
日野氏:じつは、出ます。
──おお、まさかの!
日野氏:そういった人気のキャラクターは出したほうが楽しいかなと思いまして(笑)。過去作で登場した印象的なキャラクターたちがところどころ登場しますので、お楽しみに。
──すごく楽しみになってきました。あと、『蒸気の新世界』ではナゾ開発がQuizKnockさんになりましたよね。
日野氏:『レイトン』シリーズのナゾを作るのって、かなり大変な作業なんですよ。それこそ多湖さん(※『レイトン教授』シリーズでナゾの監修を務めた多湖輝氏)がいらっしゃった頃も、多湖さんを中心としたチームで作っていましたから。
改めて新作を作るにあたって、この規模でナゾやパズルを作ることができるのは誰かを考えたとき「やはりQuizKnockさんだろう」と。
──白羽の矢が立ったわけですね。
日野氏:ありがたいことにQuizKnockさん側にも『レイトン』シリーズのファンが多くて。こちらが声をかけた際にはふたつ返事で「やります」と言ってくださったんです。それもあって、意気投合した形ですね。
──試遊もしたのですが、なんというか今回のナゾは昔の『レイトン』シリーズらしさを感じました。ナゾの方針などはあるのでしょうか。
日野氏:『レイトン』らしさってシリーズごとにも変わってくるとは思うんですが、今回は計算問題とかそういった一人でじっくり考えるようなものは少なくしようと思いました。先ほども言ったように、家族でワイワイ解いてもらえるようにしたいというのがコンセプトですから。パズルを組み替えたり、絵の中にある間違いを探したり、みんなで答えを探し出せるようなものを目指した、新たな『レイトン』らしさが出ているものになっています。

──ナゾの中でも“バニッシュ”や“旅するナイト”のようなパズル系は印象深いですが、そういったものが中心になっていると。
日野氏:そういった駒を動かしたりするタイプのナゾはかなり多いです。キャラクターを直接動かして迷路を解くようなものとか、直接絵を動かしてナゾを解くようなものですね。
中にはゲームの背景がそのままパズルになるようなパターンもありますよ。
──TGS2026でのデモ版の中にも、似たようなナゾがあってびっくりしました。グラフィックが進化したことによって、演出も大きく変わりましたよね。
日野氏:今回はナゾへの入りかたにたくさんのパターンを用意しました。ふつうに画面が切り替わる場合もあれば、ストーリーが進行しながらスムーズにナゾに入る場合もあります。そういう場合は音楽も途切れないように、マップや物語中に流れるBGMが自然な形でナゾトキ用の音楽に変わっていくような演出になっているんです。すごく凝ったものになっているので、そこも楽しみにしていてください。
──すごく楽しみです! あとナゾで言えば、今回は新たな要素として“町を発展させるナゾ”というものが発表されていますよね。この内容も気になるのですが。
日野氏:簡単に言うと、ナゾを解くことによって町そのものが変化していくような仕掛けが入っています。ふつうに進めていくと何も変わらないんだけど、丁寧にナゾを解く人は町の変化を見ることができるような、そういった要素があるんです。町も大幅に変わっていきますよ。
──蒸気機関ならではのギミック感というか、そういったものがあると。
日野氏:……そこはちょっと、ストーリーに関わるのでまだ言えません(笑)。
──なるほど、すみません(笑)。あとはこれまでのシリーズにもあった“日刊ナゾ通信”のような、インターネットで新しいナゾが楽しめる仕掛けもあるのでしょうか。
日野氏:じつは、本作も「日刊ナゾ通信」はあります(笑)。毎日、1年以上にわたって、たっぷりと配信されてくるナゾを楽しめます!また、新しいモードもいろいろと追加していて、長く楽しんでもらえる仕掛けを用意しています。
──それは楽しみです! ここまでさまざまなお話を伺ってきましたが、改めて、本作において特にこだわった点はどこでしょうか。
日野氏:先ほども言った、“家族で遊べるゲーム”という部分。そしてストーリーが、いままで『レイトン』シリーズを遊んだ人が『レイトン』らしいと言える物語であることです。
──詳しくお伺いしてもいいでしょうか。
日野氏:たとえば『不思議な町』は、ストーリーとしてはシンプルですけど背景にある謎はすごく壮大ですよね。
今回の『蒸気の新世界』も、最後のオチにあるファンタジックさとか、壮大さは『不思議な町』に近いものになっています。それでいて最後の心温まる感じとかは、とても『レイトン』らしいものになっているかなと思っていまして。そういったストーリーのこだわりはとても大きいですね。
──お話を聞いていると、『レイトン』シリーズの集大成のような印象を感じますね。
日野氏:テーマ曲も豪華で、ナゾの数も今までで一番多くて、ストーリーも『レイトン』らしいストーリーかつ、最後は感動できるようなものになっています。まさに“レイトンオブレイトン”という仕上がりになっていますので、ぜひともお楽しみいただければと思います。

◆レベルファイブの現在地を聞く
──最近のレベルファイブの動向についてもお聞きできれば。いま現在、発表されているだけでもたくさんのプロジェクトが動いていますけど、少しばかり「本当に作りきれるのか?」という心配があると言いますか。そこのところはどうなんでしょう、
日野氏:僕らはよく「300人ぐらいしかいない会社」と言われるんですが、協力会社さんはもっと多いんです。あくまで僕らは元請けであって、実際はもっとたくさんの人間がプロジェクトに関わっているんですね。なのでひとつずつ、しっかりと丁寧に作っていきます。
──過去には『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード』が大幅に延期するような事態もありましたが……。
日野氏:延期してしまったことは、申し訳なく思っています。 これは、レベルファイブではたとえ延期してしまったとしても、ユーザーの皆さまに満足してもらえるゲームにすること、丁寧に作品を作ることを大切にし、納得するまで作りなおしをする決断をしていたことによるものです。これからも、発売日かクオリティかを選択する状況になってしまうことがあれば、やはりクオリティを優先させていただくこともあるかもしれません。とはいえいままで以上には「きちんと出していこう」と、腹を括ってはいます。期待して、お待ちいただければ。

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