AI活用をゲーム・3DCG教育にも―デジタルハリウッド大学、全学AI基盤を導入 | GameBusiness.jp

AI活用をゲーム・3DCG教育にも―デジタルハリウッド大学、全学AI基盤を導入

デジタルハリウッド大学は9月1日、学長直轄の現実科学研究所が開発した教育プラットフォーム『キャンパスポータル』と「全学AI基盤」の運用を開始しました。

人材育成 教育
AI活用をゲーム・3DCG教育にも―デジタルハリウッド大学、全学AI基盤を導入
  • AI活用をゲーム・3DCG教育にも―デジタルハリウッド大学、全学AI基盤を導入
  • AI活用をゲーム・3DCG教育にも―デジタルハリウッド大学、全学AI基盤を導入

デジタルハリウッド大学は9月1日、AIエージェントと学ぶ新たな教育プラットフォーム「キャンパスポータル」(デジキャンポータル)と、全学生・全教職員が生成AIを利用できる「全学AI基盤」の運用を開始しました。

同大ではゲームや3DCG、映像、グラフィック、Webデザインなどデジタルコンテンツ分野の人材育成を行っており、ゲーム開発を学ぶ学生にとっても、画像・映像・音楽・3DCGなど複数領域の生成AIを、個別契約なしに共通基盤から利用できる環境となります。

今回の取り組みでは、生成AIを単なる「便利なツール」として教育に追加するのではなく、AIが日常的に存在することを前提に、学生一人ひとりの学びを支える環境そのものを設計。これらは2026年7月31日に開設した学長直轄の研究機関「現実科学研究所」(所長:藤井直敬氏)が開発しました。

AIと学ぶ新たなキャンパス基盤

キャンパスポータルは、学生が毎日アクセスするひとつの画面から、当日の授業への入室、AIティーチングアシスタント(以下、TA)との対話、授業ノートの記入、授業後の振り返りまでを一貫して行えるプラットフォームです。授業後も授業ごとのノートやAIとの対話を継続でき、学びの記録が蓄積されていきます。

基盤となる「全学AI基盤」は、テキスト生成だけでなく、画像、映像、音楽などの生成AIも対象です。グラフィック/イラスト、3DCG、映像、音・音楽、UI/Web、ゲーム、企画・脚本、リサーチなど、同大の幅広い教育・制作領域での活用を想定しているとのこと。

これら複数の生成AIを大学の共通基盤から利用できるようにすることで、学生が個別のサービスや契約を意識せずにAIを活用できる環境を整えます。AIの利用量は、学生単位・授業単位で把握できる仕組みです。

学習環境そのものをAI前提に

各授業には、その授業専用のAI TAを設定できます。教員は管理画面から講義録や教材などを登録するだけで、専門的なプログラミング知識がなくても、自身の授業内容に応じたTAを構成できます。TAは学生一人ひとりに対して独立して動作し、教員がひとつの問いを提示した場合でも、それぞれのTAがこれまでの対話を踏まえて学生ごとに異なる問いかけを行います。AIが教員に代わって答えを教えるのではなく、教員が設計した学びをもとに学生自身が考え、答えにたどり着く過程を支援します。

また、学生のプライバシー保護についても設計されています。学生とAIとの対話履歴や授業ノートは学生本人のみが閲覧でき、教員や大学が内容を閲覧する機能は設けていません。大学が把握するのは、システムの運用・管理に必要なAIの利用量だけです。教員に共有されるのは、学生自身が授業後に自分の言葉で記入する振り返りに限られます。

授業ごとのTAとは別に、学生一人ひとりの学びに寄り添う専属AIエージェントも配置されます。学生はエージェントの名前や人格を自分で設定でき、授業ノートや振り返り、AIとの対話など自身の学びの記録をもとに継続的に対話できます。卒業時には、4年間の学びの記録を外部サービスに依存しない形式で本人へ返却し、学習データを大学が保有し続けるのではなく、学生自身の資産として扱う方針です。

今回の全学AI基盤はゲーム領域だけを対象にしたものではありません。グラフィック/イラスト、映像、音楽、UI/Web、企画・脚本、リサーチなど、エンタテインメントの企画から制作、調査に至る幅広い領域をカバーしており、デジタルコンテンツ制作でAIを活用するための教育基盤となります。

同大はデジタルコンテンツ学科で「ゲーム・プログラミング」を専門教育として提供しており、ゲーム・プログラミングを学ぶ学生も、ゲーム分野だけでなく、3DCGや映像、音楽など周辺制作領域を含めて生成AIを共通基盤から利用できます。

また、キャンパスポータルは外部のシステム開発会社へ発注して完成品を導入したものではなく、学長である藤井直敬氏自身が生成AIを活用しながら設計・構築しました。運用開始後も完成形とせず、実際の授業や学生の利用状況を踏まえて、教育現場と研究所が継続的に改善していく方針です。

キャンパスポータルと全学AI基盤は9月1日から運用を開始しており、9月21日の2026年度第3クォーター開始にあわせて全学へ展開されます。

《GameBusiness.jp》

この記事の感想は?

  • いいね
  • 大好き
  • 驚いた
  • つまらない
  • かなしい

関連ニュース

特集

人気ニュースランキングや特集をお届け…メルマガ会員はこちら