いっしょに遊べば、なかよくなれる。「みんななかよく」なゲームを目指して―サンリオが自らゲーム事業に挑む理由とは【インタビュー】 | GameBusiness.jp

いっしょに遊べば、なかよくなれる。「みんななかよく」なゲームを目指して―サンリオが自らゲーム事業に挑む理由とは【インタビュー】

「協力」で表現するサンリオのゲーム展開。3年で10本、将来的にはゲーム発IPも視野に

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サンリオは、4月21日にサンリオ初となる自社パブリッシングのゲームブランド「Sanrio Games(サンリオゲームズ)」の立ち上げとともに第1作目となる『サンリオ パーティランド』を発表しました。

本記事では、Sanrio Gamesにてゼネラルマネージャーを務めている田邉勝義氏(以下、田邉)へのインタビューをお届けします。

デジタルシフトが生んだ新たな挑戦

――今回「Sanrio Games」を立ち上げ、改めてゲーム事業に取り組むことになった背景や狙いを教えてください。なぜ、今のタイミングだったのでしょうか。

田邉:約6年前に社長が交代したタイミングで、グリーティングカードやギフトといった従来のアナログな取り組みだけでなく、グローバルに向けてより広く届けていくためにも、デジタル領域へシフトしていく必要があるという考えが出てきました。

また、サンリオとして「グローバルエンターテイメント企業」を目指すというスローガンを掲げる中で、大きなエンターテインメントのひとつとしてゲームは欠かせないだろうと。そうした背景から、ゲーム事業を本格的に立ち上げることになりました。

――サンリオにとって、ゲーム事業はどのような位置付けなのでしょうか。

田邉:現在、サンリオでは「グローバルIPプラットフォーマー」というビジョンを掲げています。その中で、ゲームは非常に重要な位置付けにあります。

ゲームをさまざまな方に遊んでいただくことで、サンリオのキャラクターたちを知ってもらう。さらに、基盤となるサンリオIPと紐づけながら、その方に合ったサービスや体験を届けていきたいと考えています。

――そうすると、これまでとはまた別のターゲット層を惹きつける目的もあるのでしょうか。

田邉:そうですね。幸いなことに、国内ではサンリオキャラクターの認知度は非常に高いです。一方で、国外では国内に比べると、まだ認知度を伸ばす余地があると認識しています。

まだサンリオを知らない方々に、さまざまなアプローチで知っていただき、認知度を高めていく。その中で、ゲーム事業も一役買っていきたいと考えています。

――これまでも、サンリオキャラクターを使った『Hello Kitty Island Adventure』などがヒットしていました。そうした作品と、今回のSanrio Gamesの取り組みにはどのような違いがあるのでしょうか。

田邉:これまでサンリオでは、ライセンシー様と手を取り合いながら、さまざまな事業やビジネスを進めてきました。ゲームに関しても同様で、ライセンシー様に企画していただいたゲームに、サンリオのキャラクターを登場させていただく形が中心でした。

現在、サンリオといえば「かわいい」キャラクターで、女性ファンが多いという印象を持たれている方も多いと思います。そこから、まったく別の位置付けにもチャレンジしていくことで、「サンリオのキャラクターはこういうこともできるんだ」という可能性を、ライセンシー様にも示していきたいと考えています。

それによって、今後ゲームを作るうえでの表現や企画の幅を、より広げていければと思っています。

――自社でゲームを手掛けることで、どのようなことを実現したいと考えていますか。

田邉:これまでライセンシー様から発売されたゲームは、どれも素晴らしいものだと思っています。

そのうえで、これまでライセンシー様の判断では挑戦しづらかったであろうジャンルにも、Sanrio Gamesとして果敢に取り組んでいきたいと考えています。そこで得られた成功体験や知見を、今後のライセンシー様とのビジネスにも還元していきたいですね。

――3年で10本の発売を目指すと拝見しました。かなりパワフルな目標に見えますが、このハイペースでのリリースを目指す狙いを教えてください。

田邉:現在掲げているビジョンを実現していくうえで、それに見合う本数として「3年で10本」という目標を立てました。

実はゲーム事業部自体は2024年から存在しており、丸2年ほど準備を進めてきました。その仕込みの進捗や、さまざまな協業パートナー様とゲームを作っていく体制を踏まえて、「10本」という目標が現実的に見えてきたタイミングで、今回発表させていただきました。

「サンリオらしさ」をゲームで実現するために

――サンリオキャラクターの魅力をゲームで表現する際、特に大切にしていることはありますか。

田邉:キャラクターについては、社内のデザイナーがすべて監修していますので、サンリオらしい「かわいらしさ」はしっかり表現できているのではないかと思います。

一方で、今後はその表現の幅広さも追求していきたいと考えています。サンリオには「みんななかよく」という理念があります。その範囲の中で、どのような表現ができるのかを模索しながら開発を進めています。

――「みんななかよく」というピースフルな理念はとても素敵ですよね。具体的には、どのような表現を目指しているのでしょうか。

田邉:サンリオといえば「かわいい」というイメージが強いと思いますが、それだけでなく「かっこいい」と感じられる魅力も表現していきたいです。

また、スポーツのようなものや、プレイヤー同士が協力し合うゲーム体験は、サンリオが大切にしている「みんななかよく」という理念の延長線上にあるものだと考えています。

『サンリオ パーティランド』も、そうした考え方を反映したタイトルです。名前に「パーティ」とあるように、プレイヤー同士が力を合わせ、みんなで何かを達成する体験をひとつのキーワードとして制作しています。

――キャラクターの世界観をゲームへ落とし込むうえで、意識していることを教えてください。

田邉:サンリオのキャラクター設定は、あえて「余白」を持たせるように作られていると考えています。たとえば私の解釈では、ハローキティは細かい設定を作り込みすぎないことで、受け取り手が自由に想像できる楽しさを残していると考えています。

一方で、ゲームではキャラクター同士の掛け合いなど、これまでのサンリオのビジネス形態ではなかなか実現しづらかった表現にも挑戦できます。

その余白をすべて埋めてしまうのではなく、それぞれのキャラクターの世界観を損なわない形で、キャラクター同士の関係性や掛け合いをどう表現していくか。そこを社内でも検討しながら進めています。

――ゲームに登場させるキャラクターは、どのように選んでいくのでしょうか。昔からサンリオを知っている世代の方も喜べるようなキャラクターがフィーチャーされる可能性はありますか?

田邉:『サンリオ パーティランド』では、145以上のキャラクターが登場予定だと発表しています。

グッズなどの場合、すべてのキャラクターで商品を作るのはなかなか難しい部分があります。一方でゲームの場合、一度3Dモデルを制作することで、さまざまなキャラクターをフィーチャーできる可能性が広がります。

さらに、そのモデルを他のプロジェクトにも活用できれば、メインとなるキャラクター以外にもスポットを当てやすくなるのではないかと考えています。

――今後、どのようなジャンルへ挑戦していきたいですか。

田邉:サンリオの理念に沿っているかどうかという部分にフォーカスしていくと、挑戦できるジャンルはある程度見えてくるのではないかと考えています。

その一方で、ゲーム発新規IPの開発も視野に入れながら開発を進めています。

――コンソール、PC、モバイルなど、プラットフォーム戦略について教えてください。

田邉:できる限り、すべてのプラットフォームで遊べるようにしていきたいと考えています。

ただ、ターゲットとしている層や市場を踏まえたうえで、適切なプラットフォームに提供していくことが重要だと思っています。操作性という意味ではコンソールとPCは近い部分もあるので、両方に挑戦できる場合は挑戦していきたいです。

まずは、コンソールとモバイルの両軸で遊んでいただけることを目指しています。

――コンソールとモバイルでは、どのくらいの割合での展開を目指していますか。また、PC向けのリリースは考えていますか。

田邉:できる限り同じ割合にしていきたいのですが、現状ではコンソールの方が少なくなっております。

――国や地域によって人気キャラクターに違いはありますか。また、そうした人気の違いはゲーム展開にも影響するのでしょうか。

田邉:現在、公式サイトで順位が公開されていますが、やはり地域ごとの特色は出ていますね。

そうした結果を見ながら、海外にも通用するキャラクターについては、今後の展開にも活かしていきたいと考えています。

――過去に発売された作品の再展開・リメイクを考える可能性はありますか。たとえば、サンリオさんは過去、ファミコンからスーパーファミコン期にかけて、「キャラクターソフト」という子会社でゲームを発売していました。そうした過去作を活かす展開もあり得るのでしょうか。

田邉:個人的には、できればやりたいという思いはあります。

ただ、当時の資料が残っていない場合、一から制作する形になってしまうため、当時とは異なる移植になってしまう可能性があります。そのため、簡単に実現できるものではないと考えています。

Sanrio Gamesとしては、現時点では過去作の再展開よりも、新たなお客様にゲームを届けていくことに力を入れています。各プロデューサーが、そのための企画を練っているところです。

将来的には“ゲーム発”の新たなサンリオIPも?

――新作『サンリオ パーティランド』の魅力を教えてください。

田邉:Sanrio Gamesの最初の作品として、小さなお子様にも楽しんでいただけるタイトルになっています。

本作は協力ゲームをメインとしており、今回のイベント試遊では、いくつかのミニゲームを体験していただけます。まずは実際に遊んでいただくことで、本作ならではの楽しさが伝わればいいなと思っています。

――5年後、10年後に「Sanrio Games」をどのようなブランドに育てたいですか。

田邉:現在はまだ発表したばかりで、よちよち歩きの状態ではありますが、今年の10月29日には『サンリオ パーティランド』の発売を予定しています。

その後は協力会社様と連携しながら、毎年2、3本のタイトルをリリースできるような開発体制を維持していきたいと考えています。

国内外のパートナー様と協力しながら、サンリオが掲げている「みんななかよく」という企業理念をゲーム事業にも落とし込んでいく。そのうえで、早ければ5年後、遅くとも10年後には、Sanrio Gamesから発信する新たなIPをお披露目できたらと思っています。

――最後に、読者や今後「Sanrio Games」の作品を遊ぶユーザーに向けてメッセージをお願いします。

田邉:Sanrio Gamesでは、誰が遊んでも傷つくことのないゲーム作りを目指しています。

親御さんがお子さんに安心して与えられるような作品であることを念頭に置きながらゲームを制作できるよう、開発を進めています。ぜひ、今後の展開にもご期待ください。

――ありがとうございました!


『サンリオ パーティランド』はニンテンドースイッチ/ニンテンドースイッチ2向けに2026年10月29日発売予定です。

《Tanba@Game*Spark》

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