「どのステレオタイプでもない『コーヒートーク』らしい物語が作れた」―発売を迎えた『コーヒートーク トーキョー』開発チームにインタビュー【BitSummit PUNCH】 | GameBusiness.jp

「どのステレオタイプでもない『コーヒートーク』らしい物語が作れた」―発売を迎えた『コーヒートーク トーキョー』開発チームにインタビュー【BitSummit PUNCH】

『コーヒートーク トーキョー』発売!コーラス・ワールドワイドのメンバーにインタビューで開発秘話を聞きました。

ゲーム開発 インディー
「どのステレオタイプでもない『コーヒートーク』らしい物語が作れた」―発売を迎えた『コーヒートーク トーキョー』開発チームにインタビュー【BitSummit PUNCH】
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喫茶店のマスターとなって飲み物を提供しながら、個性的なお客さんたちが織りなす物語を見届ける、独特のテイストで人気を博したアドベンチャーゲーム。『コーヒートーク』シリーズの最新作『コーヒートーク トーキョー』が5月21日、Chorus Worldwide Gamesより発売になりました。

今回は京都府「みやこめっせ」にて、5月22日より開催されている日本最大級のインディーゲームイベント「BitSummit PUNCH」会場から、開発チームへの特別インタビューをお届けします。

「原作のファーミならどう思うか」視点を常に持って開発

――最初に自己紹介をお願いします。

二宮 文月氏(以下、二宮):コーラス・ワールドワイドでCOOとして制作全般を見させていただいている二宮と申します。よろしくお願いいたします。

北村 英明氏(以下、北村):同じく、コーラス・ワールドワイドにて主にローカライズを担当しております、北村と申します。

コーラスワールドワイドの北村氏(写真左)と、二宮氏(同右)

――5月21日に無事『コーヒートーク トーキョー』の発売を迎えました。現在の心境を教えてください。

二宮:カレンダーを見てみると、『コーヒートーク トーキョー』について最初のチームミーティングしたのがちょうど3年前の今頃だったので、3年かかって世に出たことになります。

しかも元々は3月発売予定だったところから、やっぱりもう少しクオリティを上げたいと2か月半ほど延期させていただいているので、その分もっと良いものにしなきゃいけない、と僕らとしてはギリギリになるまで出来ることをやり切りました。

偶然にも発売日の翌日からこのBitSummitが始まるというスケジュールになったので、最後はもうよくわからない忙しさになってしまったのですが、とにかく発売日を迎えられてホッとしているというのが一番ですね。

北村:私も同じで、まずはちゃんと世に出せてホッとしています。本当にギリギリの調整もあったので、発売日にストアページなどを見て、ちゃんとリリースされていることを確認するまでは安心できなくて……(笑)。

二宮:そうなんですよ。僕らの会社は自分たちで作って、自分たちでQAして、出来上がったらストアの設定も全部自分たちでやるので、それが大変でしたね。今回はマルチプラットフォームで同時発売なので、そこも安心できない要素でしたね(笑)。

――注目度の高い作品で、発売を待ち望んでいたファンの方も多いと思います。本シリーズは2022年に原作者のモハメド・ファーミさんが亡くなられてからも開発が続いていますが、そうした状況での開発ではどのようなことを意識していましたか。



二宮:弊社が『コーヒートーク』をパブリッシングさせていただくことになった一番最初のきっかけは、台北ゲームショウで作品を展示していたファーミさんに僕が声をかけたことです。正式にパブリッシングが決定してからは、一緒に作品を作ってきました。

ファーミさんが日本のイベントに来た時には一緒にブースに立ったり、インタビューでは僕が通訳に入ったりと、本当にずっと一緒にやってきたので、若くして亡くなられた時は本当にショックと言いますか……もう言葉になりませんでした。

今『コーヒートーク』シリーズを作る立場になって、いつも「これはファーミだったらどう思っているだろうな」という視点を必ず持つようにしています。

――ファーミさんとのお付き合いが作品作りに生きている部分もあるのですね。

二宮:そうですね。あとは初代の『コーヒートーク』で彼が表現したかったものも踏まえ、「彼ならこのシーンはこうするだろうな」と考えていました。

だからといって、コピーを作っていては意味がないとも思うので、あくまで「ファーミだったら」という視点を持ちつつ、そこに合わせるのではない作り方をしています。

――その中で、シリーズ3作目の舞台が日本の東京となった経緯についても教えていただけますか。

二宮:初代と『エピソード2』が終わった後に「次はどうしようか」と、弊社と(シリーズ開発元の)Toge Productionsさんとで話をさせていただいたことがありました。Toge Productionsさんは一旦は違うゲームを作りたいという話になり、実際に今、何年もかけて新作タイトルの開発に取り組んでいます。

ただ、シリーズは日本でもすごく大勢のファンがいる作品になっていたので、これ以上作品が出ないのは寂しい気持ちもあり、「それなら弊社に開発をやらせてくれませんか」と提案させていただいたんです。

その時に最初に持っていった企画こそ『コーヒートーク トーキョー』で、向こうもすごく良い感触だったので、その企画をベースに進めてきました。

――ではかなり初期段階で、東京が舞台になることは決まっていたんですね。

二宮:はい。僕らが日本に住んでいるのもありますが、やっぱり海外の方からしても「トーキョー」という言葉はすごく良いんですよ。

もちろん『コーヒートーク キョウト』や『コーヒートーク オオサカ』も出来なくはなかったでしょうけれど、僕らにとって自分たちなりの表現ができて、海外の方からしてもイメージが持てるのが東京でした。

――人間以外の種族も共存している世界を描いている『コーヒートーク』ですが、今作では妖怪の登場など日本らしいテイストも、すごくこだわって作られている印象です。

北村:やはり開発チームには日本のスタッフが多いので、そこはすごくこだわっています。が、あまりにもそこだけになりすぎないバランス感覚も意識していて、遊んでいると日本人からすると少し変に思える描写も入っていると思います。

キャラクターもコンセプトアートは日本人のクリエイターが担当していて、そこから実際のゲーム中のキャラクターアートはイギリス人のクリエイターが手がけているので、うまくミックスされたグローバルさになっているのではないでしょうか。

――ローカルな伝承など「これは日本人でないとピンとこないだろうな」という描写の一方で、海外の方が日本を見た時のインパクトなども描かれていて、その両立が印象的でした。

二宮:今作はまさにそういった作りで、メインのシナリオライターはエピソード2でもサブで参加していた、イギリス在住の女性クリエイターなんです。彼女は何度も日本に来ていて文化のこともよく知っていますが、やはり海外からの視点なんですよね。

そこに今作では過去2作品で日本語翻訳を担当していた、小川公貴さんがシナリオライターとして参加していて、もう長らく日本で暮らし続けている日本人の視点が加わっています。

そして、もう1人のライターがアメリカ人の女性クリエイターです。この3人が描く物語は「日本人から見た日本」に「イギリス人から見た日本」と「アメリカ人から見た日本」とが絶妙にミックスされていて、どのステレオタイプにもなっていないと思います。

――あらゆる種族が交わる喫茶店を描く作品の生まれ方として、すごく“『コーヒートーク』らしい”と感じますね。

二宮:そうですね。そうして僕らが作ったものが従来の『コーヒートーク』とズレすぎてしまうと良くないので、シナリオができるたびにToge Productionsのシナリオチーム全体に見てもらって、遊んでもらって、フィードバックをいただいていました。

やっぱり「言われてみれば確かにそうだわ」ということもあって、そのフィードバックを反映させていくことで『コーヒートーク』の本質を残しながら、僕らのアイデアも融合させられたんじゃないかと思っています。

――どのようなフィードバックがあったのか、少し教えていただけますか?

二宮:言えるものですと……。キャラクターの中でネガティブな性格の持ち主がいるのですが、それがずっとネガティブなままで「少し暗すぎる」という指摘はありました。

僕らからするとそこまでは思わなかったのですが、第三者の視点からすると「この人ずっと暗いままだ」と映るんだなと。それでシナリオを書き直しましたね。

北村:あとは結構初期の頃の話ですが、「第1日目が忙しない」というフィードバックもありましたね。たくさんキャラクターを登場させようとしすぎて人が喫茶店に出たり入ったり激しかったので、もうちょっと落ち着いて欲しいと言われたのは記憶に残っていますね。

二宮:確かにそれもありましたね。結局は、全員が出揃うのは3日目になりました。作っている側からすると早く全員を見せたい気もするけれど、そうすると出入りだけしてちゃちゃっと帰るキャラが出ちゃうんですよね。

こうした調整はフィードバックがあってこそだと思うので、今の最終的なクオリティに辿り着くまでには(Toge Productionsからのフィードバックが)すごく重要だったと思います。

――ありがとうございます。ストーリー面ではそうした工夫があったとのことですが、システムの面でのこだわりや印象に残っている点はありますか?

北村:今回はゲーム内の登場人物と繋がるSNSが「Tomodachill(トモダチル)」としてかなり拡張されて、今までの『コーヒートーク』とは大きく変わった部分かなと思います。イラストの数も増えて、ハッシュタグを追うことさらに様々な投稿が見られるというのが特徴です。

――システムと言えば、ラテアートでは型紙を使う「ステンシル」が登場しましたね。これを機に再びチャレンジしてみたいです。

二宮:ラテアートは結構難しいですよね(笑)。でも本当に上手く描いている方が多くて驚きます。

今回のステンシルでも、先にミルクで背景を描いてから型紙を使ってイラストのように仕上げている方を見て、その発想に驚かされました。ぜひ楽しんでください。

――そしてストーリー、システムだけでなく、音楽についてもぜひお聞きしたいです。ここも日本らしさを追求できるポイントではあると思いますが。

二宮:音楽に関してはずっと評価をいただいているので、今作もシリーズでコンポーザーを務めているAJことAndrew Jeremyさんにお願いしたいとすぐに思いましたし、ご本人にも快く受け入れていただけました。

ただ、アイデアについては僕たちからはまったく指定していないんですよ。曲数と期日をお伝えしたら、AJさんの方で日本らしい楽器を使ったチルなミュージックを作ってくださいました。他にも過去作品のアレンジ版が入っているので、シリーズを遊んでいる人は分かるかも知れません。

本当に全部お任せしたのですが、日本らしい曲が程よく入っていて、遊んでくださったユーザーさんからも「相変わらず曲がすごくいいね」と言っていただけました。

――ありがとうございます。シリーズのファンで新作を待ちわびていた方も、そして今作から初めてプレイする方もいらっしゃると思います。ぜひそれぞれに向けてメッセージをいただけますか?

二宮:ではまず僕から、前作までを遊んでくださった方に向けて。本作では舞台は新しくなりますが、まったく新しい状況になると繋がりが感じられなくなってしまうのではないかとも思い、導入では前作までのキャラクターが登場しています。「仲介役」のようなイメージですね。

これまでの作品との繋がりを感じて、安心してプレイしてもらえるような意識もして作っていますので、ぜひ楽しんでいただきたいです。

北村:これから初めて遊んでいただく方にも、本作のキャラクターはほとんどが完全に新登場で、それぞれの抱える悩みや問題ごともまったく新しい要素になっています。

もちろんシリーズ、特に初代をプレイしている方には伝わるような微妙な表現がちょこちょこ挟まれてはいるのですが、本作からでも楽しめる内容ですので、手に取っていただけると嬉しいです。

――本日はありがとうございました!私もBitSummitの原稿が落ち着いたら遊びます!

二宮:ありがとうございました! 急いでプレイするゲームではないので、ぜひゆっくり楽しんでください(笑)。


『コーヒートーク トーキョー』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ/スイッチ2向けに発売中です。

《ハル飯田@Game*Spark》

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