スマホ撮影動画がそのままモーション素材に。オートデスクが語る、生成AIを活用した次世代の制作パイプライン【GTMF2025】 | GameBusiness.jp

スマホ撮影動画がそのままモーション素材に。オートデスクが語る、生成AIを活用した次世代の制作パイプライン【GTMF2025】

オートデスクが10年以上にわたり開発・投資を続けている「Autodesk AI」の最新動向を紹介。

ゲーム開発 3DCG
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スマホ撮影動画がそのままモーション素材に。オートデスクが語る、生成AIを活用した次世代の制作パイプライン【GTMF2025】
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2025年11月、ゲーム・アプリ業界向け開発&運営ソリューション総合イベント「Game Tools & Middleware Forum(GTMF) 2025」が東京と大阪で開催され、オートデスクが「Autodesk AIで実現するクリエイティブ・ワークフローの変革」と題したセッションを実施しました。

登壇したオートデスクの吉田将宏氏と加瀬秀雄氏は、同社が10年以上にわたり開発・投資を続けている「Autodesk AI」の最新動向を紹介。実写映像から3Dモーションを生成するクラウドサービス「Flow Studio」や、3DCGソフトウェア『Maya』の新機能「MotionMaker」、さらには自然言語での操作を実現するAIアシスタント機能など、ゲーム開発の現場における反復作業を自動化し、クリエイターが創造的な作業に集中できる環境を構築するための具体的なソリューションが示されました。本稿では、その講演内容を詳細にレポートします。

信頼性を重視する「Autodesk AI」の基本姿勢

セッションの冒頭、技術営業を担当する吉田将宏氏が登壇し、同社のAI技術の総称である「Autodesk AI」について解説しました。オートデスクでは、クリエイティブな探求や問題解決の拡張、反復作業の自動化、プロジェクトデータの解析による予見的なインサイトの提供などを目的に、AI技術の開発を進めています。

AIの導入にあたっては、セキュリティや信頼性が大きな懸念材料となりますが、吉田氏は同社の取り組みについて次のように述べました。

「AIを使った製品を導入する際、そのAIが本当に安全なのかという懸念があるかと思う。『Autodesk Trust Center』では、どのようなデータで学習しているのか、どういった機能なのかといった透明性に関する情報を『AI透明性カード』として公開している。導入を検討する際は、ぜひ参照してほしい。」

同社は「Maya」や「Flame」などのメディア&エンターテインメント(M&E)製品だけでなく、建築・製造業向けの製品群にも幅広くAIを実装しており、透明性を確保しながら開発を進めている姿勢を強調しました。

実写動画から高品質なモーションを生成する「Flow Studio」

初めに紹介されたのが、実写映像からCGキャラクターのアニメーションを自動生成するAI搭載ソフトウェア「Flow Studio」です。これはブラウザベースで動作するクラウドソリューションであり、スマートフォンなどで撮影した動画素材をアップロードするだけで、手軽にモーションキャプチャーデータを作成できます。

吉田氏は、その特徴として「分かりやすいUIと簡単操作」を挙げました。作業フローは、動画のアップロード、人物のスキャン、キャラクターの割り当て、書き出し設定の4ステップで完了します。

取得できるモーションは全身だけでなく、フェイシャル(表情)や指先の動きにも対応しています。特徴的なのは、被写体の一部が遮蔽された場合の処理です。従来のツールでは、手足が体に隠れた瞬間に動きが破綻することがありましたが、「Flow Studio」ではAIが隠れた部分の動きを予測して補完するため、自然なアニメーションが得られます。

また、複数のカットをつなげて1つのシーンとして処理する機能も備えており、カットが切り替わるタイミングでのキャラクターの位置ズレや向きの不整合を自動的に補正し、一連の動作として統合できます。

吉田氏は実際のデモンストレーション動画を交えながら、「スマホで撮影した、休日のリラックスした服装や背景の動画でも問題なくモーションが取れる。機材や場所を選ばずに使える点が『Flow Studio』の強みだ」と解説しました。

用途に合わせて選べる4つのプロジェクトタイプ

「Flow Studio」には、用途に応じた4つのプロジェクトタイプが用意されています。

  • Live Action Easy / Advanced: 合成映像の作成に最適化されたモード。実写映像の上にCGキャラクターを合成し、背景から人物を削除したクリーンプレートの生成なども可能です。

  • Animation / Video to 3D Scene: 3Dシーンとしての利用を想定したベータ版機能。複数カットを含む動画の位置合わせや、不可視部分のモーション予測に対応しています。

  • AI Motion Capture: モーションデータのみを大量に書き出したい場合に最適なモード。他のモードに比べて消費クレジットが少なく済むのが特徴です。

吉田氏は、実際の制作事例として、群衆シミュレーションプラグイン「Golaem」と連携させたデモを披露しました。「Flow Studio」で生成した複数のモーションデータを「Golaem」に読み込ませることで、短時間で群衆シーンを構築するワークフローが紹介されました。 

Maya 2026.1の新機能「MotionMaker」

セッション後半では、加瀬秀雄氏が登壇し、『Maya』の次期バージョン(Maya 2026.1)の新機能「MotionMaker」について技術プレビューを行いました。

「MotionMaker」は、機械学習を用いてモーションデータを自動生成する機能です。キャラクターの足元などに設定した「ターゲットロケータ」を動かすだけで、その移動速度や軌跡に合わせて、キャラクターが歩く、走る、ジャンプするといった動作を自動的に生成します。

加瀬氏は実機デモを行い、ロケータのアニメーションカーブを編集するだけで、キャラクターが即座に追従して動く様子を披露しました。

ロケータを設定するだけで、歩くモーションを生成可能

距離が長く設定されたことで、ロケータの移動速度に応じて自動的に走るモーションが選択された

生成したモーションに合わせて、キャラクターを動かしているようす

「現状は歩く、走る、ジャンプといった基本動作のみだが、今後はユーザーが持っている独自のモーションデータを学習させ、新規モーションを生成できるよう開発を進めている」とのことです。

人間だけでなく四足歩行の動物(狼など)にも対応しており、進行方向とは別に顔の向きを変えるといった指示や、キャラクターのスケール(大きさ)に応じた歩幅の自動調整なども可能です。これにより、背景シーンに合わせたキャラクター配置やモブキャラクターの生成効率が飛躍的に向上することが期待されます。

モーションの学習データは内製のため、権利的な問題が無いことも特徴

自然言語でMayaを操作する「Autodesk Assistant」と今後の展望

最後に紹介されたのが、AIエージェントを活用した「Autodesk Assistant」(MCP Server)です。これは大規模言語モデル(LLM)と外部ツールを接続する新しい標準通信規格「Model Context Protocol(MCP)」を利用した技術プレビューです。

デモでは、『Maya』上のチャットボットに対して「現在のシーンのライティングを夜の雰囲気に変更して」と自然言語で指示を出すと、AIがシーン内のライト構造を解析し、適切なパラメータ変更を行うPythonコードを自動生成・実行する様子が紹介されました。

今後は単純な操作だけでなく、より複雑なワークフローのAIアシストも可能になりそうです。

まとめ

本講演では、誰でも手軽にモーションキャプチャーが可能な「Flow Studio」や、『Maya』上でのモーション制作を劇的に効率化する「MotionMaker」など、オートデスクが提供する最新のAIソリューションが披露されました。

これらのツールは、クリエイターを代替するものではなく、手間のかかる反復作業をAIが肩代わりすることで、クリエイターがより本質的な演出やクオリティアップに注力できる環境を提供するものです。ゲーム開発の大規模化・複雑化が進む中、こうしたAI技術の活用は、開発効率と作品の質を両立させるための重要な鍵となるでしょう。

「Flow Studio」や「MotionMaker」はすでに提供が開始されており、さらなる機能実装が予定されています。今後のオートデスク製品の進化に、ゲームデベロッパーからの注目が集まります。

オートデスク 公式サイト


《多賀秀明》

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