ミクシィXFLAG スタジオに訊くゲーム開発現場での“業務効率化”-我々が『SHOTGUN』を導入したワケ【インタビュー】 | GameBusiness.jp

ミクシィXFLAG スタジオに訊くゲーム開発現場での“業務効率化”-我々が『SHOTGUN』を導入したワケ【インタビュー】

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(c)XFLAG


スマートフォン端末のスペック向上に従って、リッチな3D表現が更に手軽なものとなりつつある昨今。また、2Dを主体としてタイトルであっても関わるメンバー数や必要アセット数など様々な観点において、ゲーム制作の現場は留まることなく拡大化を続けています。そんな時代の中で注目されているのが、プロジェクト管理ツールによる情報管理です。今回は株式会社ミクシィ XFLAG スタジオ XFLAG ARTS テクニカルアートグループ所属 マネージャー/テクニカルアーティスト・下田淳氏に、同社が活用している「SHOTGUN」についてのお話をお伺いしました。


――本日はどうぞよろしくお願いいたします。はじめに、自己紹介ならびに会社の紹介をお願いします。

株式会社ミクシィ(以下、ミクシィ) XFLAG スタジオのテクニカルアートグループでマネージャーを担当しております、下田淳と申します。過去には3DCGクリエイターとして映像制作会社やコンシューマーゲーム会社に所属したり、ソーシャルゲーム開発会社でフロントエンドエンジニアを務めていたりしましたが、その後は徐々に業務効率化ツールの方を担当するようになっていきました。現在所属している「XFLAG スタジオ」は、ミクシィにおいてエンターテインメント事業を担当するに特化した事業部で、2015年に設立されましたたスタジオです。「友達や家族とワイワイ楽しめる“アドレナリン全開”のバトルエンターテインメントを創出し続ける。」というミッションのもと、『モンスターストライク』『ファイトリーグ』をはじめとするゲームアプリや映像コンテンツ、リアルイベントなどを提供制作しています。


――XFLAG スタジオではSHOTGUNの運用をされているとお伺いしておりますが、具体的にどのタイトルで活用されているのでしょうか。

そうですね、『モンスターストライク』や『ファイトリーグ』では主にアセットをライブラリ化するためのデータベースとして現場で重宝しています。他にも進行中の案件ではタスク管理や進捗管理の機能まで含めて活用しています。

――従来はどのような管理ツールを利用して開発を行っていましたか?

以前はExcelGoogleスプレッドシートを基本としていました。他にもBacklogJIRAも運用していて、あとは外部とのやり取りにChatworkを使っていました。キャラクターやイベントなどのスプレッドシートがたくさん存在するせいで多重管理となってしまい、まるでパズルを組むような感覚でした。


こういったシートが職種ごとに6種類ほどあり、進捗管理の専任が1名常時張り付いていた形でした。

――スプレッドシートでここまで綿密に組み上げられているのは凄いですね。この規模感をお一人で管理されるとなると、その方のご負担はかなり大きかったのではないですか?

そうですね。朝から晩までシート更新といった具合で、長時間の作業となるとこっちのシートは更新されていてあっちは更新されていないなど、どうしてもヒューマンエラーなども発生します。とにかく管理コストの高さがネックでした。

――考えるだけでも大変そうです。こうした状況を受けてSHOTGUNを導入されたのはいつ頃でしたか?

SHOTGUN導入は2015年の中頃でした。その頃はちょうど3D案件が増えてきたタイミングで、データの先祖返りなどの問題も多発していました。既存のやり方が限界を迎えていた時期でした。SHOTGUN自体は知り合いの映像会社に教えていただいたのですが、これはゲーム開発でも充分に活用できると思い、まずはトライアルを試してみたという流れです。

――2015年というと、当時はまだSHOTGUNは映像制作向けのツールだと思われていた時期です。まさにゲーム開発現場での先駆け事例となった形ですね。実際に使ってみていかがでしたか?

「多機能で使い易かった」というのがシンプルな感想です。多種多様なタイプのデータを一元管理できる高いカスタマイズ性は便利でしたし、Webページを作る感覚でレイアウトを組むこともできます。あとは検索フィルターも使いやすくて良かったですね。社内での連絡はSlackを使っていましたが、アセットに関するやり取りはSHOTGUNのInbox機能だけで完結するようになりました。

――なるほど、目的だったアートアセットの一元管理はすぐに達成できたということですね。

そうですね。工程管理においてもパイプラインという概念があって進捗をわかりやすく把握できます。そして、フィールドごとに編集権限を付与できるなどパーミッション設定も細かくできるのが良い点でした。SHOTGUNはブラウザベースなのでどこからでもアクセスができるという利便性を備えながら、二段階認証にも対応しているためセキュリティ的にも安心。この辺りが本導入の決め手になりましたね。


――導入に際して、周りの反応はいかがでしたか?当時まだゲーム業界で認知の低いツールを既存のものと置き換える形で導入するというのは、少し抵抗感があったのでは?と個人的には思うのですが。

いや、それが珍しく抵抗感が全くなくて。もともと全員スプレッドシートに限界を感じていたので、スムーズに移行できました。SHOTGUNはCSVファイルの読み込みもできるので、既存データの移行もスムーズでしたね。

――全員が柔軟で素晴らしいですね。継続利用してみて作業効率がどの程度アップしたかなどエピソードはありますか?

具体的に言えば、専任を立てていた進行管理の業務が不要になりました。数字で表すなら、150時間/月の削減といった結果です。おかげでプロセスマネージャーも他のクリエイティブな業務に時間を割けるようになりました。時間的な節約は“ちりつも”ではありますが、アセットのステータス確認もSHOTGUN上でリアルタイムにできるようになりましたし、検索も早くなったお陰で細かい手間が省かれて自然と短縮されていった、という認識です。

――しっかりと効率化につながっているようですね。それでは、実際にSHOTGUNの運用画面を見せていただければと思うのですが、アセットライブラリではどういった情報を管理されているのでしょうか?

Unityアセットサウンド、あとは社内セミナーなどナレッジベースも全てデータベース化しています。キャラクターに関して言えば、例えば『モンスターストライク』であればこういった形で見えていますね。キャラクターは全部で5000体程度、UI周りの画像も含めると更に膨大な数になります。

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例えば「★6」の「火属性キャラクター」などですぐにソートができますし、キャラクター名での検索もできます。イベント時のバナーもSHOTGUNで管理していますが、ここでもタグ付けされたキャラクターで検索可能です。「ルシファーが使われたバナーはいくつあるか?」なども出せたりします。

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――どの属性が多いとか、どのキャラクターの使用頻度が高いとか、そういった情報を全て俯瞰的に確認できるのは大きなメリットですね。グラフ機能なども活用されていますか?

していますね。SHOTGUNはタスク管理ツールという側面が強いように見えますが、こうして全てのアセットをデータベースに登録しておくことは情報の透明化と進捗確認に活かされますし、あとはリソースの再利用が容易になるというメリットもあります。


ちなみに、サウンドデータもSHOTGUN上で管理しています。ちょうどiTunesのような馴染みのあるUIです。また、弊社は社内勉強会なども積極的に開いているのですが、こちらの動画データも管理しています。



――勉強会などナレッジベースの共有もSHOTGUN上で行うというのは良いアイディアですね。ブラウザベースだとどこからでもアクセスできるので、出先でのちょっとした時間を勉強に充てることもできると。

まさにそうですね。


――SHOTGUNの特徴に、高いカスタマイズ性というものがありますが、独自に設定を変えている部分はありますか?

SHOTGUN APIを利用したパイプラインツールの開発を行っています。例えばMayaなどのシーンデータを管理する「File Manager」というツールでは、SHOTGUN側からそのシーンがどういったステータスかを取得や確認をしたり、逆にFile Manager側からSHOTGUN上のステータスを変更したりという双方向のステータス確認ができるようになっています。


――ちなみに、当初からAutodesk の「Maya」を導入されていたのですか?

そうですね。Mayaは業界でのシェアが大きいため情報量が多く、またPython APIでの拡張もしやすいところがポイントでした。ちなみにMayaやPhotoshopなどのアプリケーションを各プロジェクトの規定された環境で起動する「APP Launcher」というパイプラインツールも別途作成しています。

――そんなツールまで!ちなみに「File Manager」は具体的にどういった運用をされているのでしょう?

Mayaは常時File Manager経由で起動しセーブ/ロードすることで、セーブした際のサムネイルやユーザー名、日付などがSHOTGUNに自動的に同期されるようになっています。バージョン管理としてSubversionと連携しており、データそのものは弊社のAWSサーバ(アマゾンウェブサービスサーバ)で管理されています。こうした仕組みを採用することで「アーティストが意識せずともデータベースが勝手に出来上がる」という状況になります。


――なるほど。その仕組みだとアーティスト側の負担もありませんし、データベースを管理/更新する担当が不要になるのは大きいですね。

そうですね。データを探す時はSHOTGUN側から探した方が早いので、SHOTGUNからMayaプロジェクトを読み出すこともできます。あとは現在、「Validator Tool」というMayaデータの整合性をチェックするツールも作っています。ポリゴンが二重になっていないか、めり込みがあるかなど、裏側で自動的にデバッグを行った結果がSHOTGUNで閲覧できるという役割です。これはQA側からの要望で作ったツールですが、こうした改善案が現場からどんどん上がってくる感じですね。


――今後もSHOTGUNを運用するにあたり、活用していきたい機能などはありますか?

そうですね、既存のプロジェクトでは主に情報のライブラリとして活用していますが、やはり工程やタスクも含めてプロジェクトに関するあらゆる情報を一元管理ができればと思っています。これからスタートするプロジェクトについては、そのような計画で実際に動いています。

――最後に、SHOTGUNを導入しようか迷っている方に向けて、メッセージをお願いい たします。

運用方針を決定するところから始まりサイトの構築までそれなりの準備期間が必要です。また、現場への展開には弊社でも使用方法の動画や詳細なドキュメントを作成したりなどの努力を行いました。なるべく現場を手厚くサポートすることで円滑に使用できるよう努めています。そういう意味では一人でもSHOTGUNのプロフェッショナルと呼べる人が社内にいるのが理想です。私の場合は、全般的な使い方からAPI周りの質問まで全て日本語でサポートしていただけたので、敷居の高さはあまり感じませんでした。決してSHOTGUN自体を難しいツールと思わずに、まずはスプレッドシートの煩雑な管理から環境を移行するところから活用していただければと思います。

――ありがとうございました。



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"ミクシィ"、"XFLAG"、XFLAGロゴ、"モンスターストライク"、"モンスト"、"MONSTER STRIKE"、"ファイトリーグ"、"Fight League" は、株式会社ミクシィの商標または登録商標です。
《神山大輝》

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