2025年11月20日に大阪・梅田にて、同25日には東京・新宿にてゲーム開発向けの総合イベント「Game Tools & Middleware Forum(GTMF) 2025」が開催されました。
今回が20回目の開催となった「GTMF」は、ツールやミドルウェア、クラウドサービスなどゲーム制作を支える最新技術やサービスを紹介する国内最大級の専門イベント。本稿では出展ブースの中から、開発効率化・品質管理ソリューションのブースをレポートします。
AssetHub
AssetHubブースでは来たるAI全盛時代を見据え、2Dイラストから3Dモデルを制作する一連のワークフローを支援する3D特化型生成AIツールが展示されていました。

ワークフローは、画像のアップロード→AIによる画像編集(三面図の作成~パーツごとの分解など)→3Dモデルの生成→生成された3Dモデルの検証・品質改善という4つのフローで構成されています。最初にアップロードした画像がもし正面からの構図であっても、側面や背面を含む三面図はAIが類推して作成してくれます。側面や背面を確認できるイラストを用意できるなら、それをアップロードすれば三面図に反映させられます。

AssetHubのワークフローはすでに現場に導入され始めており、制作費を抑えたい過去作のリメイクにおける制作時間やコストの圧縮、3Dモデルの高速作成・検証による初期フェーズの安定化(イメージの共有不足による手戻りの防止)などで活用されているとのことです。
ブースで話を聞くと、今はAIを活用したリトポロジー機能(AIが作ったハイポリゴンモデルを、いかに制作中のゲームに即したポリゴンに減らすか)の研究も進めており「AIでリトポロジーをアシストできれば、思い描く一連のワークフローがようやく完成の目を見る」と語ってくれました。
AssetHub コーポレートサイトインクレディビルドジャパン
ゲームのプログラムを実行ファイル化する「ビルド」に特化したソリューションが紹介されていたのが「インクレディビルドジャパン」ブース。

こちらのミドルウェアでは通常1台のマシンで行われる作業を独自の並列分散処理技術によって複数台のマシンで「分散ビルド」する形式を採用しており、かなり時間のかかる作業をシンプルに短縮できる点が魅力。ゲームの大規模化が進む昨今、使用PCのスペックやゲームの内容によってはビルドにかかる時間も相当に長くなりますが、その待ち時間を大きく削減するソリューションです。また、ビルド結果を自動的にキャッシュ・再利用する「ビルドキャッシュ」機能も追加し、更なる高速化を実現しているとのことです。


ブースではシールやキーホルダーなどのノベルティにTシャツもラインナップ。名刺交換ならぬ、名刺とTシャツの受け渡しになる珍しい光景も見られました。
インクレディビルドジャパン コーポレートサイトブラック・ダック・ソフトウェア
22のプログラミング言語と200以上のフレームワークをサポートしたコードの静的解析ツール「Coverity(コベリティ)」が展示されていました。Coverityの特徴は、バグや脆弱性の原因となる箇所を画面上で日本語で直接指摘し、手早い修正を支援してくれる点にあります。今日ではゲーム業界にかぎらず、医療機器メーカー、自動車業界、SIerなど幅広い分野で導入されており、開発プロセスに組み込まれています。

ブースで話を聞くと、市場からのニーズが高いのは、AIで書いたコードへの対応(静的解析)であるとのことですが、Coverityはコードの書き手が人間かAIかに関わらず不具合や脆弱性を検知できるとのこと。AIを用いた機能拡張については、目下研究を進めているとのことです。
また、同社はOSS(オープンソースソフトウェア)を使用した際に起こりうるセキュリティやライセンス・コンプライアンスのリスク等を管理するソフトウェア・コンポジション解析「Black Duck」も提供しています。

ゲーム業界以外の分野に向けては、ゆくゆくはCoverityのAI生成コードへの対応、Black DuckのSBOM(ソフトウェア部品表)のさらなる整備・機能追加などをもって「両者を併用することで、コードに関する知識がなくても問題なく書ける」のが目標とのこと。長らくソリューションを導入してくれているゲーム業界についても、ニーズをくみ取ったうえで適宜対応していくとしています。
ブラック・ダック・ソフトウェア コーポレートサイト





