
新たなハードが出てくるたびに、何としてでも海外ハッカーが移植することに定評のある『DOOM』。そんな『DOOM』の派生版の1つに、「AI生成のコードが盛り込まれた」ことが物議を醸しています。
『DOOM』派生版へのAI生成コードの使用をきっかけに分断が進むDOOM派生版コミュニティ

今回AI生成コードの使用が議論を呼んでいるのは、『DOOM』の派生版である『GZDoom』です。
『GZDoom』はSteamで販売されている『DOOM + DOOM II』と併用することで多彩なオプションやModを使用することができるようになるため、長きにわたって愛されてきた派生版です。
この『GZDoom』のメイン開発者であるChristoph Oelckers氏によって、『GZDoom』のソースコードにAI生成のコードを使用した痕跡がGitHub上で発見されたのがこの問題の発端です。
「AI生成のコードを使用するのはいかがなものか」という声が上がったものの、Oelckers氏は「AI嫌いは――率直に言って、くそくらえだ!最近、誰もがAIを定型コードに利用しており、不合理な行動をとる人々は、結局負けて嘲笑されるだろう」という挑発的なコメントを残しました。
Oelckers氏の高圧的な姿勢は以前からのようで、海外メディアGamingOnLinuxの記事によると、今回の、そして今までのOelckers氏の独善的な行動をきっかけとして、『GZDoom』に協力していた多くの開発者が同プロジェクトを離れ、新たに『UZDoom』という派生版を作成するに至ったとのことです。『UZDoom』は『GZDoom』のすべての機能を継承しつつ、個々のプロジェクトリーダーに与えられる権限の少ない、より安定した開発構造を目指すとしています。
「AI生成コードの使用」が、DOOM派生版コミュニティの分裂という思わぬ結果を生んだ今回の事態。今後の展開が注目されます。