
Nightdive Studiosのポッドキャスト「Deep Dive」にて、『DOOM』『Wolfenstein 3D』などを手掛けたことで有名なジョン・ロメロ氏が、id Software時代について語りました。
『Wolfenstein 3D』はなんと開発に4か月も費やせた!今までは2か月だったとのこと
同番組にて『Commander Keen』から『DOOM』『Quake』に至るまでに、「何か特別なことをしたのか」と聞かれたジョン・ロメロ氏。
まず、同じく『DOOM』『Quake』の生みの親でid Softwareの共同設立者であったジョン・カーマック氏が行ったプログラミングについて触れ、伝説的なプログラマーとして知られる同氏が、当時までPCで誰も試したことがないシステムを準備していたことを話しました。
同時にロメロ氏は、後にid Softwareに合流するマイケル・アブラッシュ氏が執筆した著作「Power Graphics Programming」をジョン・カーマック氏に渡したことも振り返ります。1冊の本を受け取ったカーマック氏の制作した技術が、『Commander Keen』などを製作していく大きな手助けになったと言います。

さらには、たったの2か月でゲームを制作しなければならないという、開発環境の好転についても語られます。ロメロ氏いわく「『Wolfenstein(『Wolfenstein 3D』)』が初めてゲーム制作において自由に時間をかけていい作品となった」と明かされました。……しかし、それでも製作(シェアウェアバージョンのアップロードまで)にかけたのは、たったの4か月かつ4人体制と、現代の開発事情からは想像もつかない短さです。
ロメロ氏は「4か月は贅沢な時間だった」と述べつつ、それを受けて『Wolfenstein 3D』ではプレイヤーのスピードと動きを妨げないことを意識できたと続けます。その結果、『Wolfenstein 3D』は『Commander Keen』の売り上げをあっという間に超えたとのこと。
ロメロ氏とカーマック氏をはじめとしたid Softwareの逸話、ゲーマー心をくすぐります。同番組はロメロ氏が1時間弱にわたってじっくりと様々なことを対談する内容です。伝説たちの人となりを知るのもまた一興でしょう。