
Steamが毎月公開しているSteamハードウェア&ソフトウェア調査において、2025年7月の発表で、Steam使用ユーザーのAMD製CPUのシェアが過去最高の40.39%に達したことが明らかになりました。
AMD「X3D」がシェア拡大の一方、Intelは新旧製品の課題で苦戦
AMDの躍進を支えているのは、ゲーム性能に特化した「3D V-Cache」技術を搭載する「X3D」シリーズです。その高いパフォーマンスとコストパフォーマンスでゲーマーから絶大な支持を獲得しています。
2025年1月にはAMD関係者が「フラグシップモデルは上位モデルとゲーミング性能に大差がない」と発言したことも、その評価をさらに高めました。結果として、性能を重視するゲーマーにとって定番の選択肢としての地位を確立し、世界的に高い需要を維持し続けています。この安定した高評価が、着実なシェア拡大に繋がったとみられます。
対照的にIntelは、世代をまたいで異なる課題に直面し、ゲーマーの信頼を揺るがす出来事が続きました。長年市場を支配してきたIntelのシェアは59.5%まで低下しており、PCゲーマーの間でのCPU使用率の勢力図が大きく塗り替わろうとしています。
まず、2024年秋に発売された新世代CPU「Core Ultra 200S」シリーズは、直後のレビューでゲーミング性能の低さが指摘され、Intelがソフトウェア起因の不具合と認める事態に。期待の新製品の船出におけるつまずきは、ゲーマーにネガティブな印象を与えました。
それに加え、新世代とは別の問題として、その前の「第13・14世代Core」CPUにおいても、特定の条件下でPCが不安定になるという問題が長期化。2025年5月の時点でも問題に対応するためのマイクロコードアップデートがリリースされるなど、ソフトウェアの安定化に追われる状況が続いていました。
このように、新旧世代でそれぞれ異なる課題を抱えていたことが、ゲーマーの製品選択に影響を与えた可能性があります。
もちろん、Steamのハードウェア調査は任意回答に基づくものであり、月ごとのサンプルに偏りが生じる可能性もあります。そのため、この数値だけで市場の全てを判断するのは早計かもしれません。
しかし、AMDがゲーミングCPUとしての評価を盤石にする一方で、Intelが製品の課題対応に追われていたという過去の経緯を踏まえれば、今回の調査結果は性能や安定性をシビアに評価するゲーマーの選択を反映していると言えるでしょう。
Intelがこの逆風を乗り越え、再びゲーマーの信頼を勝ち取れるのか。今後が注目されます。