現代のプレイヤーにも目を向けた細やかな配慮を楽しんでほしい─スイッチで再始動した『SEGA AGES』仕掛け人に聞く【TGS 2018】 2ページ目 | GameBusiness.jp

現代のプレイヤーにも目を向けた細やかな配慮を楽しんでほしい─スイッチで再始動した『SEGA AGES』仕掛け人に聞く【TGS 2018】

9月20日に配信が開始されたニンテンドースイッチ向け『SEGA AGES』製作チームにラインナップの選出基準や今後の展開について聞きました。

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現代のプレイヤーにも目を向けた細やかな配慮を楽しんでほしい─スイッチで再始動した『SEGA AGES』仕掛け人に聞く【TGS 2018】
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『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』にも難易度の緩和やドロップダッシュなどの新機能、アーケード版などが追加されています。

――何かしら新しいものを入れていく、というのはエムツーさんのお家芸みたいなものですしね。次ですが、ニンテンドースイッチで作る上のお話を聞かせていただけますでしょうか。特に遅延ですね。

堀井入力遅延に関してはワイヤレスコントローラを使用する場合、そこは必ず遅延が入ります。ただ、任天堂さんはものすごいことに液晶周りは一切遅らせてません。液晶がとても速いため、コントローラと画面で両方遅れる、ということはありません。液晶は速いし、コントローラは遅延するけれども、そこは我々が抑え込みつつ、遊んでいるときには違和感がない処理を施すことで、「アーケードのブラウン管に比べて同じですよ」とは言い切ることはできませんが、「これなら違和感なく遊べるかな」というところまでは各タイトル頑張っています。

――先ほど、対戦がしやすい、という理由で『コラムス2』が選ばれたという話題が出ましたが、スイッチの携帯性、おすそ分けプレイ、HD振動などを活かしたタイトルを今度出していく予定はありますでしょうか。例えば『ラストサバイバー』とか、『ホットロッド』とか、『カルテット』とか、『タイムスキャナー』とか……(*2)。

(*2)いずれもセガが80年代にリリースしたアーケードゲーム。
ラストサバイバー』……1989年に稼働した最大8人対戦プレイ可能な迷路脱出ゲーム。迷路に隠されたカギを集めてゴールへとたどり着くゲームだが、カギの数は限られておりしかも人数分のカギは用意されていないため、多人数プレイで遊ぶと必ず誰かが脱落する、というアーケードの世知辛さを感じさせるシステムのゲーム。
ホットロッド』……1988年に稼働したトップビューの全方向スクロールレースゲーム。画の外に自車が出て行ってしまうと強制的に燃料が消費され、0になるとゲームオーバーとなるアーケードの世知辛さ以下略。『ゲイングランド』の使用基版であるシステム24の第1作。
カルテット』……1986年に稼働したサイドビューの横スクロールシューティングアクション。敵のボスを倒してカギを取り、ゴールを目指しして進む、という内容。4人同時プレイが可能で、性能差のある4キャラクターを選ぶことができる。4人同時プレイ筐体とテーブル・ミディ筐体向け2人用の2種がある。SEGA AGES 2500時代にエムツーが移植を行っています。
タイムスキャナー』……1987年に稼働したビデオピンボールゲーム。当時のアーケードピンボールをモデルとした内容となっており、マルチボールなども搭載されている。台を模して揺らすことができる特殊なコントロールパネルを使用している。

堀井「やっていい」と言われればやりたい! 特に『タイムスキャナー』は箸休めにいいと思う。

――今後に期待します! 次に現在の『SEGA AGES』はセガとセガが所有するテクノソフトのタイトル限定、となっていますが、今後グループが持ってるIP、たとえば、アトラスさんとか……

堀井ブレイゾン』とか!?

――あと、サミーさんですね、これらのタイトルはやっていく可能性ってあるんでしょうか。まぁ、アトラスさんだと『豪血寺一族』とか、サミーさんだと『ビューポイント』とか『チェンジエアブレード』とか……(*4)。

(*4)主に90年代にアーケードで稼働したタイトル。
ブレイゾン』……アトラスより1991年に稼働。特殊なショットを撃って敵メカを乗っ取って操縦することができる横スクロールシューティング。スーパーファミコン版もリリースされました。
豪血寺一族』……アトラスより1993年に稼働。“一族の党首争いを格闘の試合で行う”という内容で、ラスボスの党首・お梅(当時)78歳というイロモノ系格闘としてデビューし、その後シリーズを重ねることで、上は101歳、下は5歳、さらには魔法少女、王女、王子(ブサメン)まで参戦する異様さで知られています。
ビューポイント』……サミーより1993年稼働のネオジオソフト。斜めスクロールシューティングで波動砲とボムを駆使して進んでいく。当時では製作困難だったCGっぽい質感のキャラクターが売り。当時のコンシューマ機に移植されていますが、完全移植版は未だありません。
チェンジエアブレード』……サミーより1999年に稼働。縦スクロールシューティングではありますが、前衛と後衛の概念がある対戦ゲームになっています。前衛は強力な弾幕とボスユニットを使って後衛を追い詰め、後衛は通常のシューティングのように敵弾をかわしながら攻撃を当てていきます。
なお、筆者からは『オーマイガー!』『ななめでまじっく!』『サバイバルアーツ』『ダイナギア』などのタイトルも出ましたが詳細は割愛させていただきます(笑)。

堀井これらを出したとき、「なんでSEGA AGESなの?」って言われそうな気がする。

奥成テクノソフトのタイトルですら「テクノソフトなのになんでSEGA AGESなの?」って言われて、まぁおっしゃる通りなんですが(笑)。というところがある半面、Twitterアンケートをやった時に、セガハードで出た他社タイトルを挙げた方もいらっしゃって、セガハードで出たタイトルはセガタイトルという認識をされている方も少なくはないわけです。じゃあ、『SEGA AGES』という言葉をそこまで広義・狭義にとらえるのかというところは今後の展開次第かと思ってます。最初にテクノソフトのタイトルを入れることで、“寛容性”を示したところはあると思うんですけれども、少なくとも“第一期”と呼んでいいのかわかりませんけれども、最初の段階では「セガおよびテクノソフト」のタイトルで構成しています。が、今回のアンケートを直接反映するかは別として、アンケートで見たお客様の声、というのは確実に今後の展開に影響を与えていくと思いますので、今言ったようなこともお客様のニーズによっては考えるタイミングがあるかもしれません。

――ちなみにそのアンケートなんですが、一位が『ジェットセットラジオフューチャー』になりそうなんですが……

奥成あくまでアンケートなので、1位になったから確実に移植するというのではなく、お客様の声を聞かせてください、という形でやっているので、上位のタイトルは今後の検討の中には当然入ります。そういうタイトルの声がある、ということは受け止めたいと思っています。

――今回のアンケートは回答がかなりフリーダムのようですね。

奥成今回面白いなと思ったのは今までのアンケートは『セガ復刻アーカイブス』のはがき・Webアンケートだったので、購入者のみが投票できるアンケートなので、ある意味「3D復刻シリーズはそういうものだ」ということを理解したうえで、僕らのインタビューなどを読んだうえでそれに挑戦してほしいというところを踏まえたタイトルが多かったんです。それが『ターボアウトラン』(『セガ3D復刻アーカイブス3』に収録)みたいなところに結実したと思います。

――『セガ復刻アーカイブス2』のアンケートの時はユーザー側もこれくらいは確実にできそうで、これはちょっとチャレンジャブル、ってのを理解している感じのランキングでしたね。

奥成今回はハードも異なるところでまっさらなセガのファン――セガ公式アカウントをフォローしているか友達がフォローしてる人で、このアンケートを見た人が“僕の好きなセガのソフトは?”という感じで答えてくださった人たちなので、縛りが消えた分、すごく自由なものが来ているので、そういう意味でその結果ってすごく面白いな、って感じがしましたね。この『SEGA AGES』ってシリーズが続いていくんだったら、今回のアンケートは確実に影響を与えていくと思います。ただ、1000票集まったタイトルと100票しか集まらなかったタイトルがあって、1000票集まったタイトルが有利なのかはわからないですけど。

――まぁ、堀井さんたちが頑張れる範囲で……。

堀井そうですね。でも、僕ら以外の人たちが大きなタイトルをやってくれる『SEGA AGES』ってものも個人的には見たいですね。たまには遊ぶ側に回りたい気持ちはあります。

――セガタイトルで言うなら『シェンムーI・II』みたいな感じですか。

堀井ソースコードをいじって大きなタイトルをやっていく『SEGA AGES』を今の値段でセガさんがやっていくなら太っ腹でいいな、と(笑)という気持ちもあります。

奥成もともとのセガサターンで出てた『SEGA AGES』のことは置いといたとしても、PS2時代にエムツーさんが一番活躍した『SEGA AGES 2500』の時代であっても、セガ上海開発の『ダイナマイト刑事』(*4)とか、他社開発の『パンツァードラグーン』や『ドラゴンフォース』とか、そういうタイトルがありましたんで、エムツーさんが開発しない『SEGA AGES』の可能性も否定はしないと思います。アトラスさんのタイトルを移植したい、と言ったときにアトラスさんがやってくれるかもしれないし、そういうことだってあるかもしれないんですよ。

(*4)SEGA AGES 2500版『ダイナマイト刑事』はアーケード・セガサターン版『ダイナマイト刑事』のディレクターを務めた内田誠氏がその当時に在籍していたセガ上海スタジオのスタッフによって移植・開発されています。その後セガ上海は『NIGHTS into dreams...』のPS2移植、そしてPS2版をベースにしたPS3/Xbox 360への移植や、「セガ・ドリームキャスト復刻プロジェクト」などを手掛けています。
次のページ:復刻タイトルはどう住み分けている?
《岩井省吾@インサイド》

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