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ディレクターが今明かす『オーバーウォッチ』ソンブラ開発秘話とe-Sportsリーグ展開

Game*Sparkは、『オーバーウォッチ』ディレクターJeff Kaplan氏への国内メディア合同インタビューに参加、様々な話を訊いてきました。

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――当初、『オーバーウォッチ』開発の際には、競技用のゲームをつくるのではなく、あくまでみんながカジュアルに楽しめる面白いゲームを作ることにフォーカスしたい、といった話が開発チームや報道の中で多かった印象ですが、今年のBlizzConでオーバーウォッチ・ワールドカップが開催され、そしてオーバーウォッチリーグが発表されたことより、競技用にシフトしたという見方ができるのではないでしょうか。

カプラン: あくまでも、『オーバーウォッチ』の開発チームとしては面白いゲームを作るというのが根底にあります。過去の他のタイトルがe-Sportsへのフォーカスが強すぎたあまりに、逆にゲームのコア体験が良く出来ていないという例をたくさん見てきました。『オーバーウォッチ』は楽しいゲームを作るというのが最重要だった中、ベータの時からもうすでにプロゲーマーたちがすごく高いレベルでプレイしているのを見て、じゃあ両方やろうかと決めました。したがってフォーカスがシフトしたのではなく、楽しいゲームを作るということと、競技に進化させていこうという、二つのフォーカスがあります。今回発表されたアーケードはどちらかというとストレス発散用のゲームで、競技用に作ったわけではなく、みんながカジュアルに楽しめるゲームモードです。

――競技用のモードを作るにあたって、カジュアルプレイヤーが楽しめるようなアビリティーや要素を何か犠牲にする必要がありましたか。

カプラン: 逆に、バスティオンやトールビョーンをプロシーンで使えるように調整したら、カジュアルなプレイヤーのみなさんが対処するのに苦労してしまうので、調整を入れたわけですが、今日のワールドカップのフィンランド対スウェーデンの3位決定戦で、珍しくプロの舞台でバスティオンが出て大活躍しました。

――新しく発表されたオーバーウォッチリーグについてですが、すでに行われているサードパーティーの大会とブリザードのリーグとの関係はどうなりますか。

カプラン: ほかの競技ゲームでは、シーズンが非常に長いのでプレイヤーが疲れてしまうというのがあります。オーバーウォッチリーグはより短いシーズンにします。既存の大会と競争をするより共存する必要があって、サードパーティーの大会がオフシーズンで行われて、オーバーウォッチリーグが並行して行うという形を目指しています。リーグもサードパーティーもe-Sports界にとって大変重要な存在だと思います。

――今後新しいリーグはワールドカップの代わりになるのでしょうか。

カプラン: やはり別のものだと思いますね。普段のリーグでは、いろんな国籍のメンバーがチームを組んでいるので、一緒にやっているメンバーがワールドカップになると別のチームになるというのが面白いと思います。そしてリーグはよりe-Sportsプロフェッショナルにフォーカスしたものです。

――他のスポーツのワールドカップは4年に一回行われていますが、オーバーウォッチ・ワールドカップはどのぐらいのスパンでやっていくのでしょうか。

カプラン: まだ決まっていません。今回のワールドカップはやはり一つの実験みたいなところはあります。今回のプレイヤーの反応もそうですし、ファンのみなさんの反応も、そして今日会場も列も超満員でしたので、間違いなく成功だったということは言えると思うので、これを持ち帰って今後の展開を検討しますね。

――オーバーウォッチリーグの最初の開催規模と日本での展開はどのようになりますか。

カプラン: やはり規模としては、小さいところから始めることになると思いますが、今後、規模をより大きくしていきたいです。最初にどれぐらいの都市が参加できるかはまだわからないです。まず第一段階として、一緒にこのe-Sportsを成長させていきたくて、プレイヤーの面倒をしっかり見るようなオーナーを特定しています。最終的な目標としては、グローバルな展開をゴールにしたいです。リーグの認知がグローバルになることと、世界中の都市にオーバーウォッチリーグに参加するチームがあるということをゴールにしたいです。だから最初の一年のリーグの形は、おそらく将来的な形とはある程度異なるでしょう。

――一つの都市に複数のチームが結成されることがありえるでしょうか。

カプラン: それはまだわかりません。


ワールドカップで優勝した韓国チームを称えるカプラン氏

――例えば、今日のワールドカップ決勝でも示されたように、韓国にはもうトップクラスのプレイヤーが何人もいるので、1チームだと才能あるプレイヤーがたくさん漏れてしまう可能性があります。それに今は、一部のチームや一流選手のバックに、スポンサーや資金がたくさん集まっています。リーグに参加できなかったチームはどうなりますか。

カプラン: 最初のリーグは少数、10~12チーム程度で行われるでしょうから、韓国だけを10チーム入れられませんね。その少数から徐々に大きくしていくつもりです。それでも、韓国や特定の国が特に強い競技シーンを持っているということは承知しています。それをどうしていくかは今後の課題となります。

――しかし、プロチームは大きな予算をかけて作られているものです。MLGやIEMなどのサードパーティーの大会に出場できても、最も注目されるBlizzConの出場権をかけた大会に参加できなくなったら、彼らにとって不利になってしまう可能性があります。

カプラン: それはサードパーティー大会の状態次第です。我々はその大会と競争したくありませんし、活動中のオーナーや選手と一緒にリーグをデザインしています。皆さんと一緒にe-Sportsを底上げしていきたいと思っています。今回の発表は彼らにとってサプライズではありませんでした。たくさんのチームオーナーが今日会場にいます。我々は彼らを大変大事に思っていて、このリーグが存在の危機ではなくて成長の大きなポテンシャルとして見てほしいと思っています。

――わかりました。本日はありがとうございました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

今回、約1時間におよぶインタビューでカプラン氏から様々な話を訊くことができましたが、新発表されたオーバーウォッチリーグについては、まだ詳細が決まっていない部分も多いようで、今後の発表に期待したいところ。Game*Sparkでは、BlizzCon 2016のレポート記事を多数掲載しているので、そちらもチェックしてみてください。

(取材 Cameron Gilbert 編集・撮影 Rio Tani)
《Game*Spark》

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