ディレクターが今明かす『オーバーウォッチ』ソンブラ開発秘話とe-Sportsリーグ展開 | GameBusiness.jp

ディレクターが今明かす『オーバーウォッチ』ソンブラ開発秘話とe-Sportsリーグ展開

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ディレクターが今明かす『オーバーウォッチ』ソンブラ開発秘話とe-Sportsリーグ展開
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Blizzardのバイスプレジデントでもあるジェフ・カプラン氏

ブリザード初のFPSで、世界的な人気を誇る『Overwatch(オーバーウォッチ)』。11月4日から5日にわたって行われたゲーミングイベントBlizzCon 2016で、噂の新ヒーローや新たなマップ・モードが公開、世界大会「オーバーウォッチ・ワールドカップ 2016」も開催されるなど、大きな盛り上がりを見せました。Game*Sparkは、本作ゲームディレクターのジェフ・カプラン氏(Jeff Kaplan)への国内メディア合同インタビューに参加。新しいヒーローの「ソンブラ」、新しいモード「アーケード」、そして新発表された「オーバーウォッチリーグ」について話を訊きました。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

――『オーバーウォッチ』が発売されてからもう半年が経ち、プレイヤーの人口がだんだん増加しているわけですが、今までの成功をどう見ていますか。

ジェフ・カプラン(以下カプラン): 開発の時から、このIP『オーバーウォッチ』にすごいポテンシャルがあるとわかりながらやってきたのですが、実際にどこまで大きくなるのかわかりませんでした。こうやって多くのプレイヤーの方々に楽しんでいただいていることは光栄で、我々が今後もアップデートでサポートすると心がけているということを証明できたと思います。今この段階になってやっと足が地に付いた、一息つけるという状況です。これからヒーローやマップ、モードの追加にフォーカスすることができます。

――全プラットフォームで、2,000万人のプレイヤーがいますね。

カプラン: そのとおりです。

――新ヒーローのソンブラが持つ、特殊な能力のデザインの狙いはなんでしょうか?

カプラン: 敵の前線を潜り抜けて、後ろからハラス行為ができるヒーローを作りたいと思っていました。ステルスの機能がほしいという声も多かったのですが、ステルスをメインにしてしまうと、敵にとってはイラついたり、フェアじゃないと感じられてしまうことが多いと考え、姿を消して一発で敵を殺してしまう…そういったヒーローにはしませんでした。あくまでディスラプター(妨害役)、インフィルトレーター(潜入役)というコンセプトを用いて、敵の防衛線を乱すようなヒーローを開発しました。そうやってソンブラのアビリティーを調整しました。


――先ほど、足が地に付いたと話していましたが、そこにたどり着くまでの開発の中で、何を一番優先してきましたか?

カプラン: ライバル・プレイは、最初のローンチで実装が計画されていたわけではなかったのですが、プレイヤーの皆さんから、FPSに競技モードがないとはどういうことだ、という指摘を受けてベータテストを行うことになりました。ところが、ベータのフィードバックでは、これはもっと調整しなければいけないという判断になりました。そこからシーズン1開始まで若干変更があり、シーズン1からシーズン2までに更に大幅な変更がありました。「オーバーウォッチ・リーグ」を発表した以上、このゲームを本当に競技として受け止めてほしいという気持ちで、「ライバル・プレイ」を適切な形にしたいと思いました。それが達成できたので、今後アーケードなどの新しいモードにも集中できますね。

――当初のライバル・プレイの方針は何でしたか。

カプラン: プレイヤーのフィードバックに基づいていつも調整しています。本来の「ライバル・プレイ」のビジョンは、6人のチームを組んで6人でしかマッチメイキングできませんでした。個人のレベルより、チームのレベルをもっと正確に評価できるのではと考えていました。しかしコミュニティーはそれにすごく反対して、1人でのマッチメイキングが必要だとわかりました。最初のベータテスト段階では、『ハースストーン』のように序盤のランクではレートが下がらない仕組みでした。でも、それだと最終的にみんな同じようなランクになってしまうと、再びコミュニティは反対しました。実際、プレイヤーの勝率は50%近いのでそうはならないと思っていましたが、それでもプレイ時間よりスキルがしっかり評価されるシステムを作りました。今のシステムはプレイヤーのレベルをすぐに特定できます。プロプレイヤーなら、認定戦が終わったらすぐにマスター、グランドマスターまで上がるでしょう。でも、逆に私自身はいくらプレイしてもそこまで上がりません(笑)。

――「Ecopoint: Antarctica」と「Oasis」という新しいマップが発表されたわけですが、それらについて説明していただけますか。

カプラン: まずは「Eco Point」について、これは新しく追加されたアーケードモード用のマップです。今までのマップと違うのは、1対1や3対3といった、もっとコンパクトで小規模なバトルに向けてデザインされています。既存のマップは広いので、1対1や3対3だったら敵とのエンカウント率が低く、向いていません。「Eco Point」は、メイのストーリーに基づいたマップでもあります。南極で天災が起きて、彼女だけがクライオフリーズで生き残ったという背景も見られます。



メイのストーリー背景を持つ新マップ「Ecopoint: Antarctica」

――「アーケードモード」の3v3と1v1についてですが、ルールは既存のモードとは変わりますか?

カプラン: 既存のモードとは異なり、両方ともキルベースなので、基本的に敵のチームを排除したら勝ちます。オブジェクティブはありません。そして1対1に関しては、ヒーローは選択できません。ランダムにピックされ、ミラーマッチなので必ず同じヒーロー同士で9ラウンドの5本勝負が行われます。3v3も同様のエリミネーションルールになりますが、こちらは5ラウンドの3本先取。こちらはヒーローが選択できますが、同じチーム内のヒーローの重複は禁止。そして一度倒されてしまうとリスポーンできず観戦に入ります。場合によってはシビアで、一人だけ先に死んだら次のラウンドまで復活できないので、チームメイトの苦しんでいるところを見て指をくわえて待っているということになります。

――「Oasis」はどのようなマップですか?

カプラン: 「Oasis」はネパール、イリオスのようなコントロールタイプのマップです。中央に拠点があってそこの占拠率を100%とったほうが勝ちます。場所はイラクの外の砂漠ですが、他のFPSタイトルで砂漠になるとやはり砂嵐があって荒廃した景観が多いので、明るいビジュアルの『オーバーウォッチ』らしく、すごくモダンな雰囲気の都市になっています。「Oasis」の背景は、科学者によって発見された土地で、政治ではなく科学で国を動かしているという形になっています。そして『オーバーウォッチ』初のジャンプパッドが存在します。もともとジャンプパッドは、マップ内にあるタワーを上るために作ったものでしたが、実際テストを進めていくと、例えばマクリ―のデッド・アイやソルジャー76のタクティカル・バイザーなどのアルティメットを高いところから打つのがすごく面白いゲームプレイになっていたので、そういったプレイが今後も見られるのではないかと思います。

――「Oasis」のマップに合わせたヒーローは未だいないということで、今後イラク人の科学者のようなヒーローが登場するでしょうか。

カプラン: 実は、イリオスやヌンバーニも、それに基づいたヒーローが用意されていません。今後、プレイヤーが何を期待しているか見ながら、開発の方針を変えていくことも十分考えられます。

――「ソンブラ」は、ロールがオフェンスに分類されているのは面白いですね。これは積極的に前線に出て撹乱してほしいというメッセージなんでしょうか。

カプラン: とてもいい質問です。開発当初、ソンブラはサポートでした。ダメージが低く、撹乱の能力がより強かったのですが、プレイテストの中でやはり回復するアビリティーを持っていないので、チーム構成に組み込むのが難しいというフィードバックがありました。ソンブラを入れるならルシオとゼニヤッタでいい、という意見も多かったです。そこで、アビリティーをそんなに調整せずにオフェンスに入れたところ、見方が変わってクリエイティブな使い方を考え始めました。

――ステージで公開されたソンブラのコンセプトアートによると、最初の最初はオフェンス的なキャラクターで、それからサポートになって再びオフェンスに戻った、という流れになりますね。ということは、今までとは違うサポートを結局作れなかったでしょうか。

カプラン: 初期のデザインは、ソンブラという名前ではなくてオムニ・ブレイドというキャラクターでした。そのときは手首からナイフみたいなものが出てくるというデザインで、あれは本当に初期のデザインです。手から武器が出てくるのコンセプトは、ゲンジの手裏剣に移っています。そして、ソンブラのアビリティーは、ブリザード社内のプレイテストではどうしてもサポートと受け取られなかったので、オフェンスに移しました。とはいえ、例えばソルジャー76のバイオッティク・フィールドはどちらかというとサポート的なアビリティーですし、ロードホッグもタンクに分類されているものの、プレイスタイルによっては本当にアサシンのように使えます。今は22人のヒーローが4つのロールに分かれていますが、当初はロールが存在せず、画面の下でずらっとヒーローが並んでいました。でもそれだけだと、チームの構成を組むのが難しく、ガイドとして一目で分かるようにしています。ロールの分類が問題になるのは、やはりヒーローの一人が受け入れられない時ですね。シンメトラも回復スキルがないので、サポートの役割が果たせないとよく言われます。したがって、何かを変えるのなら、ヒーロー自体よりロールの名称や種類を変えたいと思います。「サポート」を「ヒーラー」に変えたほうがいいかもしれないし、「ユーティリティ」というカテゴリーを追加したほうがかもしれません。


――ソンブラや新マップを含むコンソール版のアップデートはPC版と同時に展開されますか。

カプラン: あくまでゴールは全プラットフォーム追加する予定です。しかしPC版はPTRの環境があるので、もしかしてそのフィードバック次第では遅らせる可能性は十分にあると思います。PTRは来週あたりに実装される予定です。しかし、11月末にアメリカの感謝祭がある都合で、その時期までずれ込んでしまうとちょっと難しいのですが、可能ならその前に全プラットフォームで出したいと思っています。

――コンソール版とPC版のバランスチームはそれぞれ別チームですか。

カプラン: 基本的には分けていません。 『オーバーウォッチ』開発当時は60人ぐらいのチームで開発していましたが、それが今100人ぐらいに増えています。開発チームの中でも、PS4でプレイする人もいればPCでプレイする人もいるので、それらの意見をみんなで取り入れてやっています。 『オーバーウォッチ』に関しては、クロスプラットフォーム対戦がないため、キーボードプレイヤーとコントローラープレイヤーは対戦することがなく、それぞれ同じ舞台で戦っています。そこでアンフェアな状況はありません。コンソールのみのバランス調整というは、過去に実施したトールビョーンとシンメトラのタレットのダメージぐらいです。エンジニアでコンソール専属の人間はいます。

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《Game*Spark》

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