【GDC 2016】Windows 10が共通プラットフォームに、eSportsへの取り組みも・・・マイクロソフトが語った今後のゲーム戦略 | GameBusiness.jp

【GDC 2016】Windows 10が共通プラットフォームに、eSportsへの取り組みも・・・マイクロソフトが語った今後のゲーム戦略

企業動向 戦略

【GDC 2016】Windows 10が共通プラットフォームに、eSportsへの取り組みも・・・マイクロソフトが語った今後のゲーム戦略
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マイクロソフトのジェイソン・ロナルド氏は米GDCで3月16日、「THE FUTURE OF GAME DEVELOPMENT ON WINDOWS(Windowsにおけるゲーム開発の未来)」と題して、PCとXbox Oneのゲーム開発における統合化について語りました。また新たに「Xbox Liveトーナメント・プログラム」について発表しました。

マイクロソフトは伝統的に「ハードウェアの差異をソフトウェアで埋めて新たなプラットフォームを提示し、サードパーティを巻き込んでエコシステムを構築する」やり方で成長してきました。MS-DOSしかり、Windowsしかり、Direct Xしかりです。

この視点からみるとゲーム専用機のXboxは異質な存在でしたが、Windows 10の搭載でいよいよ統合化がなされました。ジェイソン氏は「2015年は偉大な年だった」として、Windows 10の発売であらゆるデバイスが統合化され、標準化されたプラットフォームが登場する準備が整ったとします(その基盤を担うのが同社のクラウド技術です)。



ジェイソン氏はこれを「The Journey to One Platform(単一プラットフォームへの旅)」と表現。この旅を通して「1つのコアOS、1つのアプリプラットフォーム、1つのストア」をめざしていくと語りました。

ユニバーサルWindowsプラットフォームが開発の中核に



中でもゲーム開発者にとって重要なのが「ユニバーサルWindowsプラットフォーム(UWP)」です。これはWindows 10が搭載された多彩なデバイス上で動作するアプリケーションを、単一のフレームワーク上に統合する仕組みのことです。

同社ではUWP準拠のアプリはPCでもXbox OneでもWindows Phoneでも、デバイスを選ばずに実行可能だとしています。Windows 10搭載デバイスは数年後に10億台に達すると見込まれています。

もっとも、これらはマイクロソフトが掲げる遠大なビジョンであり、現状ではまだまだ足りない部分がたくさんあります。そのためには優先順位をつけながら、1つずつブロックを積み上げていく必要があります。

ジェイソン氏は「ゲーム開発者からのフィードバックが成功のもっとも重要な要素だ」として、一緒にエコシステムを作り上げていく姿勢を強調しました。

はじめにUWPのアップデートについて、ゲーマーからの要望の高いV-SYNC(垂直同期)をオフにする設定や、G-SYNCとFreeSyncのサポート機能を早急に実施することを表明。これ以外にも今年後半に追加アップデートが予定されています。このほかUWP対応アプリのサポートを今夏にXbox Oneでも行うとしました。

マイクロソフトは従来のAPIである「Win32」のサポートも引き続き行っていきますが、UWP対応アプリへの切り替えを促進する姿勢を表明。『ライズ・オブ・トゥームレイダー』『Gears of War: Ultimate Edition』をはじめ、UWP対応ゲームも続々とリリースされる予定だとしています。

Direct X 12で異種混合GPUサポートなどを実施



グラフィックカードなどに比べて、ゲームの発売が遅れていたDirect X(DX)12については、Xbox Oneタイトルで初の対応タイトルとなる『スター・ウォーズ:バトルフロント』を皮切りに、いよいよ本格的なリリース期を迎えるとのこと。ジェイソン氏は「DX12でCPUが50%、GPUが20%効率化される」と胸を張ります。

またDX12では、異種混合GPU間でマルチグラフィック処理が行えることが、すでに表明されています。これについてはOxide Gamesが開発し、DX12に最適化されたゲームエンジン「Nitrous Engine」を搭載するRTS「Ashes of the Singularity」で、異種混合GPUのサポートが講演当日に対応されたことがあかされました。他にシェーダーコンパイラーの刷新と、新たにシェーダーモデル6.0の開発も発表されています。

家庭用テレビに先立ち、徐々に普及が促進している4K対応ディスプレイについては、ハイダイナミックレンジと広色域表現をサポートしていくとのこと。ジェイソン氏は「2020年に4K対応テレビの世帯普及率が北米で60%に達する」という統計を引用し、4Kテレビの普及にあわせて進めていく姿勢を示しました。

なお、余談ながら2020年は東京オリンピックが開催されるだけでなく、Xbox Oneが発売されて7年目にもなります。Xbox 360からXbox Oneへの移行が8年(2005年→2013年)だったことを考えると、次世代Xboxなどの話が出てきてもおかしくないのかもしれません。

ユニバーサルデベロッパーセンター構想を発表



一方でUWPのコンセプトにあわせて、新たに「ユニバーサルデベロッパーセンター(UDC)」の設立も発表されました。これは現在別々になっているXbox OneとWindows 10の開発者向けポータルサイトや、各種機能を2017年後半に統一するというものです。

これに先立ち、ジェイソン氏はXbox OneとWindowsストアを2016年に収束させていく姿勢も示しました。現在はゲームビジネス向けの機能が弱いWindowsストアですが、DLCやバンドル、月額課金、予約、柔軟な価格設定などを追加されていく予定です。

マイクロソフトが提供する開発ツールの最新版「Visual Studio 2015」でも、UWP向けアプリと現状のXbox One向け開発をサポート。コンパイルにかかる時間も5倍~8倍に向上しています。ジェイソン氏は「今後もWindows 8.1向けの開発サポートは継続していくが、Windows 10での開発への移行を強く推奨する」と語りました。

Xbox LiveでeSports大会が開催可能に



セッション後半ではeSportsへの取り組みについて説明がありました。同社ではすでに『Halo Championship』『GEARS ESPORTS PRO LEAGUE』の両大会支援や、新型コントローラー「Xbox Elite ワイヤレス コントローラー」を発売しています。その上で新たに「Xbox Liveトーナメント・プログラム」について発表しました。

これはゲーム会社が自社のWindows 10とXbox Oneゲームをもちいて、Xbox Live上で自由にゲーム大会を開けるようにするものです。草の根的な大会から、大規模なものまで自由に開催できるように、さまざまなオプションが提供されるとのこと。すでに評価版SDKが即日公開されており、入手については同社まで問い合わせて欲しいといいます。また、あわせてElectronic Sports LeagueやFaceItといったeSports関連会社との提携も発表されました。今後も提携先は増える見込みです。



最後にXbox向けインディゲーム支援策「ID@Xbox」の現状についても紹介されました。現在1400社以上が開発者登録をしており、200以上のゲームがリリース済み。「Xbox Oneで自社販売ができ、Windows 10ゲームでXbox Liveにアクセスできる唯一の方法」だとして、ますます多くのタイトルがリリースされる予定だとのことです。

最後にジェイソン氏は「今後もゲーム開発者とゲーマーの双方に対して、最良のプラットフォームとサービスを提供していく」と語りました。そしてXbox OneとPCでのゲーム体験を統合させ、もっとも効果的で強力・かつ使いやすいゲーム開発者ツールを提供していくとします。そのためにも「ゲーム開発者コミュニティの声に耳を傾け、そこから得られた情報をフィードバックさせていきたい」と抱負が述べられました。
《小野憲史》

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