同社で新世代レンダリングエンジンのプロジェクトリーダーを務める辻氏は、2009年末にネット上で公開され、大きな話題を集めたショートフィルム『The Third & The Seventh』がMizuchi開発のきっかけだったと言います。バングラデシュ国会議事堂やフィリップ・エクスター・アカデミー図書館などの名作建築をモチーフにした映像詩で、映像作家のアレックス・ローマンことホルヘ・セバ氏の個人作品。CGでありながら実写にしか見えない映像作品に、「これをリアルタイムで動かせるものを作る」ことが社内の目標になったと説明しました。
さて、OROCHI4とMizuchiの組み合わせでは、これまでのワークフローが一部変更となります。具体的にはこれまでOROCHi上で行っていた絵作りを、専用のMizuchiエディターで設定することになります。ライティングやマテリアルの編集、Image Based Lighting用のキューブマップ設定やマテリアル設計、ポストエフェクトデザイン、独自シェーダ設計などです。設定ファイルを出力後、OROCHI4でマップをロードすると、自動的に設定が読み込まれて反映されます。原田氏は「できるだけMizuchiエディターで絵作りを完結させ、OROCHI4とMizuchiの行き来を減らすのがコツ」だと説明しました。