メッセンジャーソフトの未来は・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第17回 | GameBusiness.jp

メッセンジャーソフトの未来は・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第17回

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「LINE」の成功によって活況を呈してきたのが無料メッセンジャーソフトです。

昨年の今頃は忘年会などの宴席で隣に座った見知らぬお客さんに「こんないいものがあるんですよ!」と地道なバイラル活動を行っていたことを思い出します。すでに世界で7500万人が登録したことは大きな成功だと思います。

LINEのヒットの要因は、ガラケーで根付いたメールにおける絵文字という文化を発展させ、スマートフォン上でのコミュニケーションを定義したことにあると思います。画面の解像度の向上によって、絵文字の進化であるスタンプそのものが「表情」や「フィーリング」を代弁するものとして有効なものとなりました。ま、成功すれば伝説はいくらでも追記できますので、そのあたりの分析は不要かもしれません。

さて、ここにきて他社の追随が始まりました。ひとつはDeNAの「comm」です。導入当初には規約が酷い、退会ができない、簡単に友達追加ができてしまうこと、つまりは出会い系に近い仕様になってしまうなどの声が上がりました。おそらくそれらに関しては修正パッチがあたったと思いますが、僕の知る限りでも、ニセモノの「剛力彩芽」さんが3人ほどいたそうです。

現在は女優の吉高由里子さんを起用したコマーシャルを展開し、高品質な音声通話がウリになっているようです。が、しかし、実際の調査資料を見るとそうでもないという結果ですが、言ったもの勝ちというスタンスがIT業界の習わしですので、後発ゆえに振り構わず認知告知促進中ということで、今後の成長はとりあえず様子見という状況だと思います。

そして、先日発表があったミクシィとの業務提携で弾みを付けたいところでしょう。しかし、やまもといちろう氏もブログで指摘をしていましたが、自前の活動で一番収益を上げられる部分を他社(DeNA)に明け渡すのは凄い!という指摘で、この決定で、ミクシィには何が残るのだろうか?というのはやまもと氏ならずとも疑問に思うことでしょう。

もう一方は、韓国で圧倒的な普及率を誇る「カカオトーク」です。

しかし、日本では韓国のような普及は未だ見込めず後発のLINEに差をつけられたかっこうなっています。

そのような状況下でゲームを導入し始めました。韓国では2000万ダウンロードを記録した「Anipang(アニパン・エニパンなどの呼び名があります)」をキラーコンテンツにしようというものですが、果たしてどうでしょうか。ゲームコンテンツからカカオトークというソフトサービスへの誘導がうまく展開できるかどうかという点は、commの展開に近いと思われます。 commもカカオトークもID登録された友だちとゲームの対戦しスコアを競い合うことや、友だちにゲームを紹介したりすることが可能です。ゲームコンテンツありきでのメッセンジャーへの流入展開が成功するかどうかをじっくりと見届けたいと思います。

さて現状一人勝ちのLINEですが、ゲームコンテンツの導入が始まりました。「Anipang」のようなパズル系ゲーム、カードバトルRPGなど5作品が導入。オリジナルスタンプが入手できるということもあり、App Storeのランキングを総なめにしたことも期待度の高さを伺わせます。こちらは先にメッセンジャーというソーシャルグラフを根付かせてからゲームへ誘い課金を促進するという目論見です。

もはや最終戦争の様相を呈しているなか、放送作家の鈴木おさむ氏を起用して、約30億円のテレビを中心にしたコマーシャル展開を撃って出てきたのがサイバーエージェント(Ameba)です。鈴木氏が第二の「秋元康」氏にならないことを密かに祈りたいと思いますが、各社持てるものをすべて投下しての全面最終戦争。果たして最後に笑うのは・・・。それとも・・・。

■著者紹介

くろかわ・ふみお 1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、映画・映像ビジネス、ゲームソフトビジネス、オンラインコンテンツ、そしてカードゲームビジネスなどエンターテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。ブログ「黒川文雄の『帰ってきた!大江戸デジタル走査線』」、まんたんWeb「サブカル黙示録」や「ニコニコチャンネル 黒川塾ブロマガ」も更新中。
《黒川文雄》

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