
毎年恒例となる「スペインゲーム祭」が、2026年も開催されました。「東京ゲームショウ2026」(以降、TGS)の前夜祭として東京・神田明神ホールで行われた本イベントは、スペインのゲーム企業と日本のゲーム業界関係者を結ぶ交流イベントです。
会場にはスペイン料理も並び、来場者らによる交流も行われました。本稿では、Tookyo Gamesの小高和剛氏も登壇した本イベントの模様をお伝えしていきます。
拡大していく日西ゲーム業界のつながり

開会挨拶にはスペイン大使館経済商務部から、ゴンサロ・ラモス氏が登壇。自ら日本語を駆使しての挨拶が行われました。
開会挨拶に続いては、日本とスペインのゲーム業界のつながりを紹介するプレゼンテーションが行われます。ヒット作のその後や共同開発、旧作の復刻など、両国をまたいで進むさまざまな取り組みが紹介されていきます。その一例として、昨年のスペインゲーム祭でも紹介された『Denshattack!(電車アタック)』について、その後の展開が紹介されました。

本作は、列車でジャンプやグラインド、トリックを決めながら日本を駆け抜ける3Dアクション。2026年7月15日に発売され、SteamやMetacriticでも高評価を獲得しています。会場には、開発を手がけたUndercodersのスタジオ兼ゲームディレクターDavid Jaumandreu氏も登壇。8月時点の数字として、各プラットフォーム合計で30万人以上にプレイされていると説明しました。

続いて紹介されたのは、WACHAJACKとスペインのVoxel Schoolらが連携するオリジナルIP『GOKUI』です。日本のコンセプトアートとスペインのデジタルアート教育を組み合わせ、企画段階から制作まで連携。京都、福岡、スペインなどを拠点に、国際的なプロジェクトとして展開されています。

このほかにも、日本とスペインをつなぐ複数のプロジェクトが紹介されました。たとえば『Gaudi: The Wind of Barcelona』の多言語復刻、Wiggin Industriesとマトリックスソフトウェアが共同開発するスペイン伝承モチーフのRPG『BESTIARIO』、1992年のメガドライブ作品を再構築する『Gley Lancer: Overdrive』など。新作の共同開発だけでなく、過去作の復刻や海外展開まで、両国の接点がさまざまな形に広がっていることが紹介されました。


12枠のピッチで紹介された、スペイン発注目タイトル
続いて、今回紹介されたタイトルを見ていきましょう。ステージでは、TGS2026に参加するスペインのゲーム企業によるタイトル紹介が行われました。各枠には約1分のプレゼンテーション枠が設けられ、映像を交えながらそれぞれの特徴が紹介されていきました。
EF Games『Rivals Hover League』

『Rivals Hover League』は、特殊能力を備えたホバービークルでアリーナを駆け回る対戦アクションです。高速で移動しながら敵を狙い、機体ごとに異なる能力を生かして戦います。
Sunblind Games『FKC: Fighting Krazy Chickens!』

『FKC: Fighting Krazy Chickens!』は、次々と押し寄せるニワトリをつかみ、別のニワトリへ投げつけて戦うサバイバーライクアクション。特徴的なのは、倒すべき敵であるニワトリそのものをつかみ、ほかの敵へ投げつけて武器にしてしまう点です。ソロのほか協力プレイにも対応予定です。
Gonzalo García氏『Bahgonia』

「Selected Indie 80」に選出された『Bahgonia』は、恐怖や不安、受容といった感情をテーマとする一人称視点のアドベンチャーです。こちらはシュルレアリスムを意識して制作されたとのこと。余談ですが、スペインはダリなどの芸術家を筆頭に、芸術としてのシュルレアリスムと縁が深い国と言えます。
SelectaPlay

SelectaVisionのゲームパブリッシングブランド・SelectaPlayからは、『OH DEMON! Fix My TV』など今後展開する複数タイトルの映像が上映されました。
Wheel Of Games『Pain-T』

『Pain-T』は、色を失い暗闇に包まれた世界を進むメトロイドヴァニアです。プレイヤーが移動し、能力を使うことで周囲の景色が少しずつ姿を現していくのが特徴。世界に色を取り戻しながら、新たな能力や隠されたルートを探していきます。こちらも「Selected Indie 80」に選出された作品です。
Entalto Publishing『The Alighieri Circle: Dante’s Bloodline』

Entalto Publishingからは、CEOのEnrique Martínez氏が登壇し、『The Alighieri Circle: Dante’s Bloodline』を紹介。ダンテの名を冠した作品で、ステージではストーリーの一端を描くトレーラーが上映されました。
Hyper Three Studio『Frutiger Aqua Rings』

『Frutiger Aqua Rings』は、水中のリングを突起へ通す昔ながらの玩具をモチーフにしたローグライト。日本でも見かけたことがある、遊んだことがある人は多いのではないでしょうか。これにゲーム要素を加え、さまざまなアイテムや特殊リングを組み合わせながらスコアを伸ばしていきます。
NoxNoctis『Yoshimi』

NoxNoctisからは、日本の文化や歴史をモチーフとした新作『Yoshimi』が登場しました。トレーラーでは封建時代の日本をテーマにした悪夢のような世界を見ることができました。様々な恐怖から隠れつつ、世界を探索する姿が印象に残ります。
Acariño Games『XERME』

「Selected Indie 80」に選ばれた『XERME』は、静謐で抽象的な世界を探索していくアドベンチャーです。白を基調とした空間を歩き回り、周囲を観察しながらパズルを解き、未知の世界に隠された秘密へと近づいていきます。幻想的なアートワークが印象に残ります。
Cherry Tree Studio『Project Node』

Cherry Tree Studioの『Project Node』は、ポーカーをベースにしたカードバトルを特徴とするタイトル。世界を巡りながらデッキを強化し、カードによる選択と駆け引きを重ねながら物語を進めていきます。
StoneLab Games『EthrA』

「Selected Indie 80」に選出された『EthrA』は、3Dピクセルアートで描かれるオープンワールドRPGです。3D空間とドットの融合が目を惹きます。
Loadstar『Traces from Auralis』

「Selected Indie 80」選出作『Traces from Auralis』は、未知の惑星を舞台にしたミステリーアドベンチャーです。
記憶を失った主人公は、異星生物Astraとともに惑星を探索。そこに暮らす生物の習性や音を手掛かりにしながら、消息を絶った調査隊と自身の過去を追っていきます。
Tookyo Games小高和剛氏も登壇。スペインでの体験を振り返る

そしてなんと、イベント後半には日本のゲーム業界からのゲストとして、Tookyo Games代表取締役社長の小高和剛氏が登壇しました。
小高氏は『ダンガンロンパ』シリーズや『HUNDRED LINE -最終防衛学園-』などを手がける日本屈指のクリエイターのひとり。自身の『超探偵事件簿 レインコード』にも触れ、この日の雨模様になぞらえながら、雨の降りやまない街を舞台にした作品であることを語りました。
昨年には「Japan Weekend」への招待を受け、初めてスペインを訪れたとのこと。現地の景色や人々、食事、気候に好印象を持ったと振り返りつつ、昼間からお酒を楽しめる雰囲気についてもユーモアを交えて語りました。

その後は試遊やスペイン料理を楽しみながら業界関係者同士が交流する時間へ。TGSは日本と世界を橋渡しする場所でもあります。今年の「スペインゲーム祭」も、日本とスペインのゲーム業界を橋渡しする場になっていました。

共同開発やパブリッシング、クリエイター同士の交流が今後どのように広がっていくのか。そして来年はどのような作品やクリエイターが日本へと来てくれるのか、引き続き注目したいところです。






