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英メディア大手5社がAIライセンス連合「SPUR」を結成、業界標準の策定へ

知的財産保護とAIとの共存を目指し、標準化やライセンス効率化を推進する。

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英メディア大手5社がAIライセンス連合「SPUR」を結成、業界標準の策定へ
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英国を代表する報道機関5社が、生成AIによるコンテンツ利用に関する業界標準を策定する連合体を立ち上げました。「Financial Times」「The Guardian」「The Telegraph」、BBC、「Sky News」が設立した「SPUR」は、パブリッシャーの知的財産保護とAIとの共存を目指しています(Press Gazette)。

AI企業による無断スクレイピングへの危機感が高まるなか、英メディア業界はどのような対抗策を打ち出そうとしているのでしょうか。

SPURはStandards for Publisher Usage Rightsの略称で、2026年2月26日に正式発足しました。

BBC局長のTim Davie氏、「Financial Times」CEOのJon Slade氏、「The Guardian」CEOのAnna Bateson氏、「Sky News」会長のDavid Rhodes氏、「Telegraph Media Group」CEOのAnna Jones氏が連名で公開書簡を発表しています。

書簡では世界中のメディアリーダーに創設メンバーとしての参加を呼びかけました。報道コンテンツが許諾も対価もなくAIの訓練データとして利用され、ジャーナリズムを支える経済モデルが弱体化しているとの認識が示されています。

SPURの活動方針は多岐にわたります。共有可能な技術標準の策定、ライセンス手続きの効率化、知的財産を保護する技術ツールの開発支援、既存インフラの評価と新アプローチの検討です。AI企業が正当な方法でコンテンツにアクセスできる経路を構築する事を目指すとの事です。

注目すべきは、SPURが集団的なライセンス機関ではなく、利用料金の設定を行う組織でもない点です。ただし、望ましい料金体系については検討を進める方針で、クロールごとに課金するpay-per-crawl方式とAI出力時に課金するpay-per-inference方式の比較などが含まれると見られます。

個々のパブリッシャーはテック企業との個別交渉を自由に行える立場を維持します。「The Guardian」と「Financial Times」はGoogleやOpenAIと有償契約を結んでいる一方、BBCと「The Telegraph」はこうした契約を未締結との事です。

温度差がありながらも連合体を組んだ事は、業界全体が標準化を求めている事の表れと言えます。この構想の原型は、Slade氏が2024年6月のカンファレンスでニュース業界版NATOとして協調体制を訴えた事にさかのぼります。

タイミングも注目に値します。英国政府は3月18日までにAI著作権政策と経済影響評価を公表予定で、競争・市場庁もAI調査を取りまとめている段階です。これらの結論はEU規制にも波及する可能性があり、SPUR側には政策決定に先行して業界の声を届ける狙いもあるようです。

ただし、ライセンス標準化の動きはSPURだけではありません。世界の約1,500メディア組織が支持するRSLという非営利の枠組みが先行しており、robots.txtに機械可読なライセンス条件を記述して課金を自動化する仕組みを構築しています。SPURがこうした既存基盤とどう連携するかは今後の焦点です。

AI企業によるコンテンツ無断利用をめぐっては、訴訟が世界各地で続いています。SPURは標準策定という協調路線を選びましたが、その成否はAI開発企業がどこまで自発的にこの枠組みに参加するかにかかっています。

《Manabu Tsuchimoto@MediaInnovation》

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