
『グランド・セフト・オートVI』を開発中のRockstar Gamesによる従業員31人の解雇問題が、イギリス政府を巻き込む事態に発展しました。キア・スターマー首相はこれを「非常に憂慮すべきケース」とし、政府として調査を行うことを約束。労働組合側が主張する「組合つぶし」疑惑を巡り、大きな進展を見せています。
Rockstarと労働組合の主張が対立する中、英政府が正式に調査へ
この問題は、2025年11月にRockstarがイギリスとカナダの従業員31人を解雇したことに端を発します。
Rockstar側の従業員解雇の決定に対し、イギリス独立労働組合(IWGB)は、従業員らが組合を結成しようとしていた動きを阻止するための不当な「組合つぶし」であると強く反発。解雇された従業員の即時復職を求め、Rockstar Northの従業員220人が署名した書簡が経営陣に提出されるなど、抗議活動が行われていました。
一方、Rockstarおよび親会社であるテイクツー・インタラクティブは、解雇の理由を「公開フォーラムでの会社秘密の漏洩という重大な不正行為」であるとし、組合活動とは一切関係ないと一貫して主張しています。
こうした状況を受け、事態はイギリス議会で取り上げられる形となりました。クリス・マレー議員がスターマー首相に対し、「Rockstarが雇用法を遵守しているという確証は得られなかった」と懸念を表明し、政府の対応を求めます。
これに対しスターマー首相は、「全ての労働者には労働組合に加入する権利がある」と述べた上で、「担当大臣がこの特定のケースを調査する」と回答。政府として正式に調査に乗り出すことを明らかにしました。
なお、同社が開発する待望の超大作『グランド・セフト・オートVI』は、本件の渦中に発売の再延期が発表されており、一連の事態が今後の開発に与える影響も懸念されます。
Rockstar側の主張する「重大な不正行為」か、労働組合側の主張する「組合つぶし」か。両者の主張が真っ向から対立する中、今後は政府の調査によって事実関係が明らかにされることになりそうです。











