「老舗旅館がゲーミングルームを導入」驚きのeスポーツ導入事例まとめ【eスポーツビジネスEXPO】 | GameBusiness.jp

「老舗旅館がゲーミングルームを導入」驚きのeスポーツ導入事例まとめ【eスポーツビジネスEXPO】

2023年6月に開催された第2回eスポーツビジネスEXPOの企業ブースを取材。eスポーツ業界以外の企業や地方自治体におけるeスポーツ導入事例について、面白い話を伺うことができたのでまとめて紹介します。

文化 eSports
「老舗旅館がゲーミングルームを導入」驚きのeスポーツ導入事例まとめ【eスポーツビジネスEXPO】
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「自社でeスポーツに関する取り組みをしたい」

そう思ったものの、何から手をつけたら良いか分からず悩んでいる企業担当者は多いでしょう。

今回は、2023年6月に開催された第2回eスポーツビジネスEXPOの企業ブースを取材。eスポーツ業界以外の企業や地方自治体におけるeスポーツ導入事例について、面白い話を伺うことができたのでまとめてみました。

企業におけるeスポーツ施策を後押しするヒントが見つかるかもしれません。

老舗旅館へのeスポーツルーム導入も
PCCS

ーー御社の事業内容について教えてください。

弊社は元々、eスポーツ施設向けのゲームのアップデートシステムやお客様の利用履歴・課金状況を管理するシステムを作る会社だったんです。

LFS(ルフス)池袋さんなどのeスポーツ施設での導入が2018年から始まり、やがて各地でeスポーツ施設が増えるとともに、弊社の実績も増えてきたので、現在ではeスポーツ施設のプランニングから運営に至るまで全てをコンサルティングさせていただいています。

eスポーツ施設は、主に2種類あります。1つはeスポーツイベントを開催する施設、もう1つは韓国に多くあるeスポーツカフェのようにゲーミングPCがたくさん並んでいる施設です。

現在ではそれらを兼ね備えた、複合的な施設が増えてきています。

ーーどのような導入実績がありますか?

1つは教育機関で、例えば近畿大学に導入しました。いま大学の一番の課題は「この少子化の中でいかに学生を集めるか」であり、その点でeスポーツはとても効果的なコンテンツです。

学生さんを集めるために教育機関でeスポーツの施設を整える。そこでワークショップ形式のグループ活動を行うことで、うまく教育に生かされています。

もう1つは宿泊施設です。一晩中、仲間同士で気兼ねなくゲームをやりたいという需要があり、ホテルの一室をeスポーツルームにする宿泊施設が増えています。eスポーツルームを導入されたホテルは、コロナ禍においても稼働率が落ちなかったという実績もあります。

あとは就労支援施設ですね。就労支援を受けている方の中でも、特に引きこもりのような方々が外に出るきっかけとしてeスポーツが用いられています。

ーー宿泊施設に導入されている事例はとても興味深いですね。

はい。一番最初に導入していただいたのが、大阪府にあるeスポーツ特化型の宿泊施設であるe-ZONe~電脳空間~でした。その後には秋葉原ワシントンホテルにもeスポーツルームを導入していただいてかなり好調でした。

現在ではグランドニッコー東京 台場、ホテルニューオータニ九州(福岡)などの誰もが名前を聞いたことある宿泊施設にeスポーツルームが作られているので、これから全国に展開されていくことでしょう。

ーー宿泊施設の事例が増えているとのことですが、特に珍しい事例はありますか。

三重県の神湯館という、山の中にある老舗の旅館に導入していただきました。

若者たちにもどんどん宿泊してほしいという理由から、このようないわゆる高級旅館とされている宿泊施設もeスポーツ施設を導入し始めています。

今までは比較的単価が低い宿泊施設の事例が多かったので、ラグジュアリーなホテルもeスポーツ施設の導入を始めたことにビックリしました。

大学のサークルの合宿など、グループでの理由が今後増えていくと思われますね。

ーープロゲームチームが慰安旅行も兼ねて利用するというのもありそうですね。

はい。回線もとても良いものを整備しているので、プロの方にも満足していただけるでしょう。高級旅館でeスポーツをやるのはとても羨ましいですね。温泉に入った後にeスポーツができるんですから。

企業レクリエーションや企業イベントのサポートも行っており、「若手社員との交流でeスポーツ大会をしたいが、何もわからない」というご相談を受けて、「では、こういう形でどうでしょう」という提案をさせていただくことができます。

先日も、数千人規模の社内レクリエーションとしてeスポーツ大会の開催をお手伝いしました。こういった取り組みは今後どんどん増えてくると思います。社内イベントのサポートとして、弊社ではレンタル用のゲーミングノートPCをセッティングして提供するというようなサービスも行っています。

PCCS 事業内容

各種必要機器やシステム、ネットワーク・回線の提案から運用面のアドバイス、 コンテンツ許諾、イベントの企画など幅広くeスポーツ施設の開業に携わっている。 eスポーツ施設や教育機関でのeスポーツ学科立ち上げ、eスポーツ部創設など、 さまざまな取り組みの相談を受け付けている。

丁寧なヒアリングで「本当にやりたいこと」を実現
ディスクシティエンタテインメント

ーー御社の事業内容について教えてください。

「自社でもeスポーツのイベントをやりたい」というご相談を受け、お客様がどのような目的で実施したいのかをヒアリングした上で、最適なゲームタイトルやイベントの形式の提案をさせていただいています。

イベントの開催が決まりましたら、メーカーへの許諾取り、キャスティング等を全て担っています。

「eスポーツの施設を作りたい」というお客様に対してもコンサルティングという形で関わらせていただいています。弊社の母体が施設運営の会社ですので、デバイスのお見積りや、施設インフラに関するノウハウ提供などでお手伝いさせていただいています。

またヒアリングの結果、「御社のやりたいこととeスポーツは合っていないかもしれません」というお話をさせていただくこともあります。

ーー実際の事例として「eスポーツが合っていなかったからお断りした事例」としてはどのようなものがありましたか。

たとえば漠然と「(eスポーツを使って)町おこしをしたい」というご相談は多いのですが、弊社が提供している数千人~数万人規模のイベントを地方で開催したとしても、一時的な集客効果はあるものの、長期的に見た場合、町おこしに繋がっていないケースがあります。

もしそうなってしまうと、費用対効果が見合っていないことになるので、大会のような大規模イベントではなく、LANパーティのような規模の形式をご提案させていただくことがありますね。

また「eスポーツを通して、自分たちのコンテンツを若い人にアピールしたい」というご相談についても、そもそもそのコンテンツが若い人たちに合っているのかという観点で問題提起をさせていただくことがあります。

クライアントが訴求したいコンテンツが年配の方向けのコンテンツなのであれば、eスポーツで若い人にアプローチするのではなく、別の方法で年配の方に向けてアプローチした方が堅実だというお話はさせていただいています。

「それでもやりたい」というお客様に対してはご要望に沿えるようにお取り組みさせていただきますが、(eスポーツによる集客は)まだまだ発展途上の市場ではあるので、使っていただいた結果「eスポーツはダメだったね」と感じられてしまうのは、業界の未来を考えたときに良くない。

長期的にみて、タイミングが合った段階でお手伝いさせていただく方が、業界の将来としては意義深いと考えています。

ーー逆に「eスポーツが合っている事例」はどのようなものがありますか。

先ほどの事例の反対で、コンテンツを若い人たちに訴求したい、かつそのコンテンツが若い人向けだという場合ですね。

たとえば「若い人にスマートフォンを売り込みたいけど、若い人たちの集客に苦労しているから、eスポーツで集客したい」というのは文脈的にも流れが通っているので、若い人たちがスマートフォンに触れられる機会になるようなイベントのご提案ができます。

ーーここでの“若い人”とは具体的に何歳のことを指していますか。

主に10代から22歳ですね。

ゲームタイトルによっても年齢層は異なっているので、タイトルによっては40代~50代をターゲットにすることも可能ではあります。

ーーなるほど、イベントに使用するゲームタイトル選びも重要なんですね。

そうですね。例えば、ライトなゲームユーザーを集めたいのであれば、今は『VALORANT』ではなく『Apex Legends』の方が良いでしょう。

ライト層なのか、ミドル層なのか、コア層なのか、クライアントが狙いたいターゲットによって、ゲームタイトルを変えてご提案することは多いです。

ディスクシティエンタテインメント 事業内容

国内最多のeスポーツカフェブランド「eSPORTS CAFE AIM」(エイム)を日本全国に5店舗展開。 今後も日本全国に出店を予定している。 また、小規模なオンラインイベントから、大規模なオフラインイベントまで、 さまざまなeスポーツイベントを運営している。イベント全体の企画・立案から、テクニカル面のみの実施まで、 さまざまな要望に経験豊富な社員が対応。その他、 eスポーツカフェや創業23年目のインターネットカフェブランドDiCE(ダイス)の運営ノウハウを活かした施設コンサルティングからイベントコンサルティング、 学校法人への授業サポートまで幅広いサポートが可能。

「付け焼き刃ではない」地域に最適な課題解決を
MSY

ーーゲーム、eスポーツを活用した地方創生に取り組まれているようですね。

地方創生の取り組みとして、昨年、長崎県対馬市で、同市が舞台となっている『Ghost of Tsushima』の製品を販売しました。

『Ghost of Tsushima』の公式ライセンスグッズを我々が作っていて、対馬市の方々にも「ぜひやりたい」と言っていただきスタートしました。

2022年の4月末から取り扱いを開始したので、もう1年以上経っているのですが、未だに毎月売り上げが好調という状態なので、観光客の方も、対馬市の方々もグッズを愛して買ってくれているという状態です。

ーー製品を作るということがメインの事業なのでしょうか?

確かに製品の開発、製造、販売というのはありますが、弊社が最も得意としているものは課題を解決することなので、まずお客さんが抱えている課題を聞いて、それを解決していくことが重要だと考えています。

ーー課題解決方法として最適な方法がグッズを作ることであればグッズを作るし、他の方法であれば他の方法をやるというスタンスなのですね。

グッズ作りにしても、どうせだったら地場のものを使って何かを作りたいと考えています。ただグッズを作るというよりは、地元の地場産業に関連したものができないかを検討します。

「東京でこれが流行っているので、これを応用して何かやりましょう」という付け焼き刃的な提案ではなく、その土地に合った形で、その土地にいるゲーマーさんたちに面白いと思ってもらえることを僕らが見つけて、提案・実施しています。

一方、クライアントの担当の方が「流行っているeスポーツを使うと集客できる」という考えで、集客の結果だけを考えている方だと私たちとは相性が悪いかもしれません。

eスポーツとコラボレーションして、我々のような東京の事業者を使って、インフルエンサーを県外から呼んでイベントを開催すれば、たしかに県外からお客さんが来るかもしれないけれど、そのあとには何も残らないと思います。

先ほどの『Ghost of Tsushima』の例のように、対馬市に関連することを実施して、地元の人たちに喜んで参加してもらうことが重要です。(地元の人たちが)次もまたやりたいと思える企画をしないと意味がない。地方創生とはそういうことだと考えています。

MSY 事業内容

2003年からゲーミングファーニチャーを世界でいち早く手がけるなか、2005年からはeスポーツ(競技用)製品のトップブランド「RAZER」とともにeスポーツを啓蒙。その後はカルチャーと連動したブランド「GRAPHT」として、さまざまな製品を企画、制作、販売。2015年からはよりゲームシーンに注力し、クリエーターとコミュニティとの支援を行いながら、さまざまなゲームタイトルやプレイヤーとのコラボレーションなども積極的に手がけるとともに、これらの活動を通して、ゲームユーザーのコミュニティ形成と発展に寄与している。

大型大会にも耐えうる多目的ホールを提供
イベントスペース EBiS303(スバル興産)

ーー御社の事業内容について教えてください。

多目的ホールの運営をしています。eスポーツに限らず、展示会やファッションショー、ステージブースなど何でも開催できるような会場です。

eスポーツという観点での強みは3つです。

1つはネットワーク環境です。eスポーツのイベントはインターネットを使って開催されることが多いですが、回線トラブルが起こるとプレイや配信、イベント運営自体に大きな影響を与えてしまうので、ネットワーク環境は重要だと考えています。弊社の会場では専用回線を引いてるので、他回線と干渉せずに安定した速度が出せます。

2つ目は電力供給です。大量の電力を用意する場合、通常であれば別途追加設備として電源車が必要なことも多いですが、弊社の施設では電源盤を多数用意しており、容量が足りなくなるということはありません。

3つ目はプロジェクターです。弊社では、東京オリンピックでも使われていた、50,000lm(ルーメン)という世界最高輝度の明るさのプロジェクターをレンタル可能です。ステージイベントというのは、照明でステージがかなり明るく照らされるので、プロジェクターで投影した映像が薄くなってしまうことが多い一方、プロジェクターを使わず、LEDパネルを用意する場合には、お金と時間が掛かってしまいます。

このプロジェクターは通常、レンタルすると100万円近くかかるようなものですが、弊社の持ち物なので弊社のイベント施設で利用いただくと15万円と安価でレンタルできます。準備にも時間が掛からないのでかなり重宝されています。

ーーこれまでどのようなeスポーツイベントに使用されてきたのでしょうか。

2016年には国内最大級のeスポーツイベント「RAGE」で、2018年には「全国高校eスポーツ選手権」でも使用されました。主に観客500人程度の規模の大会で使用されています。

eスポーツイベントの視聴のメインは配信だと伺っているので、配信設備にも力を入れています。

ーー企業内のイベントでeスポーツ大会を開く際にも、丁度良さそうな規模感ですね。

そうですね。今回の出展中も「(会社でeスポーツ行事を行える)会場を探してるんです」っていう話を耳にしています。

企業が社内イベントとして使用するのであれば、もう少し小規模であるべきではと思っていたものの、多くの支社があり、全国から社員さんが集まるような場合は、これくらいの規模が最適だと思います。

イベントスペース EBiS303(スバル興産) 事業内容

恵比寿駅から徒歩3分、総面積1000㎡のイベントホール「EBiS303」の管理運営を行っている。 予約受注から本番当日まで、同じスタッフが一貫して対応するため、安心して利用できる。

《Ogawa Shota》

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