新規上場する「ホロライブ」のカバーが、ANYCOLORよりも収益性で下回る理由―2社の違いはどこにあるのか | GameBusiness.jp

新規上場する「ホロライブ」のカバーが、ANYCOLORよりも収益性で下回る理由―2社の違いはどこにあるのか

宝鐘マリンや兎田ぺこらなどの人気VTuberを擁する『ホロライブ』運営のカバーが、2023年2月17日に上場承認され、3月27日にグロース市場に新規上場します。

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宝鐘マリンや兎田ぺこらなどの人気VTuberを擁する「ホロライブ」運営のカバーが、2023年2月17日に上場承認され、3月27日にグロース市場に新規上場します。

想定発行価格710円をもとにした時価総額は433億円。同じく業界最大手のANYCOLORは459億円でした。ANYCOLORは初値の時価総額が1,443億円まで跳ね上がり、同様のビジネスを展開するカバーの人気化にも期待が集まります。

しかし、カバーの収益性はANYCOLORを下回っており、上場時の吸収金額がANYCOLORよりも大きいことから、過熱感は限定的となる可能性があります。2社の違いはどこにあるのでしょうか?

知的財産権が成長のカギを握るVTuber事業

カバーは「ホロライブ」に所属するキャラクターを活用し、動画配信による投げ銭や広告、グッズの販売、ライブチケットの販売を主な収益源としています。2023年3月には2回目となる大型イベント「hololive SUPER EXPO 2023」の開催を控えています。新型コロナウイルス感染拡大により、イベントは自粛が求められてきました。

行動制限が緩和されたことにより、VTuberの活動範囲はリアルへと広がっています。メタバース領域での活躍も期待されており、VTuberは注目度の高いビジネスとなりました。

※「VTuber事務所「ホロライブプロダクション」2回目の全体イベント《hololive SUPER EXPO 2023》スペシャルステージ&フリーステージ情報が解禁!」より

VTuber事務所の最大の特徴は、IP(知的財産権)が会社に属していることです。かつて、YouTuber事務所のUUUMは、所属するタレントの大量離反に悩まされました。カバーやANYCOLORがキャラクターのIPを持っているため、キャラクターはそれ以外の場所で活動することができません。また、人気キャラクターの関連商品を販売することができます。

■IPの帰属

※「新規上場申請のための有価証券報告書」より

カバーはVTuber一人当たりのコマース収益が年間2億円に達していると発表してます。関連グッズを販売するコマースは会社の収益基盤となる、重要な事業となっています。

カバーはチャンネル登録者数で圧倒的な人気を誇るキャラクターを多数抱えています。Gawr Gura(がうる・ぐら)は425万、宝鐘マリンは225万、兎田ぺこらは214万人の登録者がいます。「にじさんじ」で一番人気の壱百満天原サロメは173万、葛葉が148万で、カバーとANYCOLORが抱えるキャラクターでは登録者数に大きな差が生じています。
※UPDATE(2023/02/21 14:10):上記本文中の宝鐘マリンのチャンネル登録者数に誤りがあったため修正しました。コメントでのご指摘ありがとうございました。

※「新規上場申請のための有価証券報告書」より

カバーとANYCOLORの売上高は2022年3月期まではほぼ同じ水準で推移していましたが、2023年3月期(予想)においてANYCOLORが頭一つ抜けました。

※有価証券報告書より

ANYCOLORは中国や韓国、北米圏でのVTuber展開に注力しており、2023年4月期上半期の海外事業の売上高は30億7,900万円で、前年同期間の32倍に跳ね上がりました。ANYCOLORは伸びしろのあった海外展開を一気に進めました。カバーはコマースの売上高の3割が海外事業。ANYCOLORはおよそ半分まで比率を高めました。

その分、カバーは海外展開の伸びしろがあると読み替えることもできます。


《不破聡》

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