gumiは『乃木フラ』『ラグナド』『ブレフロ』の失敗から立ち直れるか?【ゲーム企業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

gumiは『乃木フラ』『ラグナド』『ブレフロ』の失敗から立ち直れるか?【ゲーム企業の決算を読む】

gumiの2023年4月期第1四半期は、1億6,300万円の営業利益での着地となりました。前年同期間は5億9,600万円の営業損失を計上しており、黒字化を果たしました。

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gumiの2023年4月期第1四半期は、1億6,300万円の営業利益での着地となりました。前年同期間は5億9,600万円の営業損失を計上しており、営業黒字化を果たしました。

しかし、子会社gumi Cryptosが保有する暗号資産の評価損3億4,200万円や、持分法適用会社である VR FUND,L.P.の投資損3億2,500万円を計上した影響で、1Qは5億7,000万円の純損失を計上しています。

gumiは2つの問題点を抱えています。1つは本業のモバイルオンラインゲーム事業が苦戦していること。もう1つはメタバースやブロックチェーン事業による評価損が継続的に発生して利益が出づらいことです。

本業においては、業績への貢献期待が極めて高かった『乃木坂的フラクタル』『ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫』、そして『ブレイブフロンティアレゾナ』の不調が目立ちます。

50億円の営業利益目標が23億円の営業損失という悲劇

gumiは2021年7月に國光宏尚氏が取締役を退任。出資していたフィナンシェの全株を國光氏に譲渡しました。フィナンシェはブロックチェーンを活用したクラウドファンディングサービスを提供しています。gumiは株式譲渡の理由をモバイルオンラインゲーム事業の収益力最大化、キャッシュフローの健全化を挙げました。

gumiは投資ファンドを複数組成し、暗号通過への投資やブロックチェーン技術を使ったゲームの開発を行う会社に出資をしています。IRでは最先端領域への投資や出資を強調する内容が目立ちますが、2022年4月期のブロックチェーン事業の売上高は2億円ほど。利益も3,000万円程度で会社の業績への貢献が高いとは言えません。メタバースなどを扱うXR事業も収益化ができていません。

足元の業績を改善する最善手として、フィナンシェのように主力以外の事業を切り離して本業に集中する方法があります。しかし、gumiはそれができません。本業も周辺事業も中途半端になっている印象があります。

gumiは2020年7月に公表した中期経営戦略において、2023年4月期の営業利益100億円、営業利益率20%を目標に掲げました。2022年4月期は営業利益目標を30~50億円に設定しています。

中期経営戦略より

しかし、2022年4月期の実績は22億6,200万円の営業損失となりました。2019年11月にリリース、ヒットした『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』が業績に寄与した2020年4月期の営業利益が22億2,500万円(営業利益率11.2%)、2021年4月期が15億1,400万円の営業利益(営業利益率8.1%)。目標達成の道筋としては、心もとない数字です。

決算短信より

売上高は中期経営戦略を出した2020年4月期よりも縮小しています。

gumiの中期数値目標のグラフを見ると、2022年4月期の売上高が大きく伸張しているのがわかります。gumiが営業利益100億円の目標を掲げた背景に、『乃木坂的フラクタル』と『ラグナドール 妖しき皇帝と終焉の夜叉姫』、『ブレイブフロンティアレゾナ』の業績貢献が高いと予想していたことがあったのでしょう。


《不破聡》

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