ゲームが我々の生活を豊かにする!?「モノビットエンジン5G」が描く未来とは【CEDEC 2019】 | GameBusiness.jp

ゲームが我々の生活を豊かにする!?「モノビットエンジン5G」が描く未来とは【CEDEC 2019】

「5G」がゲームにどう影響を及ぼすのか?そして5Gに対する「モノビットエンジン」の対応とは…?モノビットが「CEDEC 2019」で開催したセッションの模様をお届けします。

ゲーム開発 サーバー・ホスティング
ゲームが我々の生活を豊かにする!? 「モノビットエンジン5G」が描く未来とは【CEDEC 2019】
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次世代の高速モバイル通信規格「5G(第5世代移動通信システム)」。国内大手通信会社は東京五輪を見据え、2020年からの商用サービス開始を目指しています。

モノビットエンジン 安田京人代表取締役社長

モノビットエンジン 中嶋謙互CTO

「5G」が実現すると、光回線よりも早いといわれる10Gbpsを超える高速の通信速度が可能になるほか、リアルタイムで遠隔操作可能になる低遅延化、そしてスマホやパソコンだけでなく、カメラやセンサーなど様々な機器を多数同時接続する上で劇的に進化するといわれています。

「5G」のこうした革新性はゲームにどう影響を及ぼすのでしょうか。これについて9月6日、パシフィコ横浜で行われた「CEDEC 2019」で開催されたセッション「5G時代に対応した『モノビットエンジン5G』を初公開! HoloLens対応した通信クラウド最新情報も!」でその概要が明らかにされました。



「モノビットエンジン」は、モノビットが提供する「ネットワークの知識がなくともマルチプレイが実装可能」なエンジンです。そして、現在次世代通信に対応した「モノビットエンジン5G」の開発が進められています。




「モノビットエンジン」はこれまで、多人数が一緒になって冒険するMMORPGや、多人数MOアクションゲームなどで運用実績があります。自社でサーバーを用意する必要がなく、シンプルなAPIで超高速通信かつ大規模同時接続を可能としています。そしてUnityに特化していることで、AndroidやiOSといったスマートフォンOSだけでなく、WindowsやMacといったOS間の垣根に縛られないのが特徴です。スマートフォン向けに開発したゲームをそのままブラウザに移行することもできます。




では、「モノビットエンジン5G」はどういったものなのでしょうか。総務省の資料によると、2020年に本格的に運用開始となる「5G」は、2024年末には人口の97%をカバーすると見通しています。こうした将来を見据え、「モノビットエンジン5G」では「5G」の通信速度を最大限活かせるよう、通信アルゴリズムを一新しました。これにより、「5G」のモバイルゲームにいち早く最適化したエンジンが提供されるというのが、「モノビットエンジン5G」の特徴です。


一体どのような通信アルゴリズムとなっているのか、これを理解するためにはインターネットの通信方式から知っておく必要があるでしょう。一般的なインターネット通信には「TCP」という通信規格が使われています。「TCP」はインターネットの発展の歴史と共にずっと歩み発展し続けてきた通信方式ですが、通信の信頼性という点では優れている一方、信頼性を担保するためIPアドレスの変化に対応できないという問題があります。そのため、例えば移動中にモバイルデータ通信から無線LAN接続に端末が切り替わった場合、エラーとなり接続のやり直しが求められることになります。モバイルゲームの場合、これは致命的な問題となりえます。



また、「TCP」複数のパケットを並列回路のように一斉に送信することができないようになっています。通信の即時性が求められるゲームにおいては、これも重大な問題です。


そのため、ゲームの分野ではリアルタイム性で勝る「UDP」が使われてきました。「UDP」は相手方の通信の応答を待たずに一方的に情報を一斉送信するやり方なのですが、反面信頼性では劣ります。しかしながらゲームの場合、通信の確実性が求められるケースはショップの売買など比較的限られています。キャラクターの移動などは座標が常に送り続けられるので、1つの情報が途中で消失してしまってもあまり問題が生じません。



したがって、ゲーム業界ではこの「UDP」をベースに独自に通信の信頼性を積み重ねてきた歴史があります。これを「Reliable UDP(RUDP)」と言います。「RUDP」とすることで、操作しているキャラクターの座標の正確性を増したり、ショップの売買やチートなどにおいて不正なアクセスを遮断したりという対策が取られてきました。


「モノビットエンジン」でも、この「RUDP」が使用されています。そして「モノビットエンジン5G」では、「RUDP」をもとに独自開発した「Monobit RUDP(MRU)」という独自の通式方式を実装しているのが特徴です。


「MRU」は移動中にモバイルデータ通信から無線LAN接続に端末が切り替わってもそのままゲームが続行できるという点をはじめ、確実に正しい順序でパケットを送信できる点や、IP偽装や大量接続対策などを強みとしています。「MRU」は「TCP」と比較して最大コールバック回数が倍近くある一方、サーバーのCPUの負荷が6割弱と、負荷が軽いにもかかわらず高レスポンスを実現しているといいます。こうした性能は、「5G」が持つポテンシャルを十分に引き出せるものとなっています。



「MRU」は現在ベータ版が公開されており、今後「VR VoiceChat」など同社が提供している別のサービスにも選択式に実装していく方針です。「モノビットエンジン」は近年VRやARの分野にも注力しており、ボイスチャットやVR空間内でのオブジェクト同期においても利用されています。マイクロソフト社のヘッドマウントディスプレイ「HoloLens」にも正式対応しており、例えばドローンのより正確で高度な操縦や、警備面などでの迅速な情報共有をはじめ、ゲームで培った技術を実用分野に応用することが期待できます。



「5G」が今後我々の生活をどう便利なものにしてくれるのか。ひょっとすると「モノビットエンジン5G」ゲームからそのきっかけが生まれてくるのかもしれませんね。
《河嶌 太郎》

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