「一見の価値あるゲームを作っていこう」―『バイオハザードRE:2』カプコン第一開発統括・竹内潤氏合同インタビュー | GameBusiness.jp

「一見の価値あるゲームを作っていこう」―『バイオハザードRE:2』カプコン第一開発統括・竹内潤氏合同インタビュー

カプコンにて第一開発統括を務める竹内潤氏へのメディア合同インタビューが行われました。『バイオ RE:2』をはじめ、第一開発のお仕事とは、ゲーム開発に求める人物像、REエンジンについて、さらには好きなゲームまで!多岐にわたるお話を伺いました。

ゲーム開発 その他
カプコン常務執行役員 CS第一開発統括 竹内 潤氏

2018年11月19日~20日、カプコン本社で行われた『バイオハザード RE:2』(以下『バイオ RE:2』)メディア体験会にて、第一開発統括を務める竹内潤氏へのメディア合同インタビューが行われました。今回は『バイオ RE:2』をはじめ、第一開発のお仕事とは、ゲーム開発に求める人物像、REエンジンについて、さらには好きなゲームまで!多岐にわたるお話を伺えましたので、お伝えさせていただきます。

※第一開発:『バイオRE:2』をはじめ、同じく「RE ENGINE」を使って開発中の『デビル メイ クライ5』、2年前に発売した『バイオハザード7』の他、女性向けアプリゲーム『囚われのパルマ』やこの秋リリースしたモバイルゲーム『BLACK COMMAND』といったコアなシミュレーションゲームなども制作している。
――まず第一開発統括でのお仕事、どのような業務をされているのか教えてください。


竹内潤氏(以下、竹内氏):第一開発自体は元々グローバル向けのタイトルを作ってく事に注力していました。『バイオハザード』や『デビル メイ クライ』などの各タイトルを使って、しっかりワールドワイドに商品を展開していこうと取り組んでいます。モットーは「一見の価値あるゲームを作っていこう」、お客様が見た時に「あのゲームは一度プレイした方がいいよ!」と言われるようなゲームを輩出していけるよう、日々努力しています。

――竹内氏が関わった代表作などをいくつか教えて下さい。


竹内氏:元々オリジナルの『バイオハザード2』はスタッフとしてゲーム開発に携わりました。その後『鬼武者』で初めてディレクターをさせていただきまして、それ以降はプロデューサーとして『ロスト プラネット』シリーズや『バイオハザード5』『バイオハザード7』などを担当しました。「お前は奇数作担当か!」などと言われております(笑)。

――『バイオハザード』や『デビル メイ クライ』などの大作タイトルはコストや採算の問題が付きまとうと思うのですが、どういう決断でこれらの問題を乗り越えるのかお聞きしたいです。


竹内氏:「コストをかければ回収しなければいけない」という部分は非常に難しい事で、毎回考えざるを得ない部分があります。一方で、『バイオハザード』シリーズといった、一定のファンがついて下さっているタイトルも多いので、「一見の価値あるゲームをしっかり作る」、そういった部分で回収していこうと。良いゲームを作る事、ファンの方達にそっぽを向かれないようなゲーム作りを愚直にやらせていただいている現状です。

昨今はマーケティングなども色々行ってはいますが、どちらかというと私個人的には「潜在需要」というものを信じている方でして。マーケティングって、どうしても現状ある物の後追いというものが出てきてしまいがちなんです。でもそうではない、お客様が気づいていないけど「本質的にやりたい」と思っているゲームを、なるべく提供できればいいなと考えながら開発しています。

――『デビル メイ クライ』だとマーケティングありきでは現在の『デビル メイ クライ 5』のような形になり辛いですよね。


竹内氏:市場調査ありきだと『デビル メイ クライ 5』はできないですね。当初、いろんな方からも「デビルの新作があるとすればオープンワールドライクなゲームになるんでしょう?」と思われていたので。でも、個人的に『デビル メイ クライ』のファンが今望んでいるもの、求めているものって、昨今あまり見かけなくなった「純粋なアクションゲームがやりたい!」という部分だと思うんです。

これを切り込んでいくのは不安だったんですが、少し勇気をくれたのが、スクウェア・エニックスさんの『NieR:Automata』でした。あれを見た時に「やっぱりこの需要あるじゃん!」って思いまして。とてもいいゲームでありましたし、E3 2018で発表した時にユーザーさんの反応をみて「ほらいた!お客様が!」って感じでしたね。

毎度うちのマーケティング担当には「大丈夫なの?」と心配をかけているかと思いますが、私自身ゲームファンの端くれでもあるので、この考えはそんなにずれていなかったなと。

――今回は『バイオ2』のリメイクですが、『バイオ3』や『バイオ4』をリメイクしていく構想はあるのでしょうか。


竹内氏:ゲーム業界の中でも『バイオ RE:2』のような「グラフィック以外もすっかり作り直す」形のリメイクって、初めてだと思うんですよ。この反響どうなのかなって、正直なところ疑心暗鬼ではありました。「本当にこのマーケットあるのかな?」と。ファンの方の熱意を聞くと、まったくそっぽを向かれる事はないにしろ、先ほどコストの問題でもお話した通り、かけたコストに見合うだけのリターンがある作品になっているのかなと不安ではありましたね。まだ結果は出ていませんが。なので、『バイオ RE:2』がしっかりお客様の手元に届いたぐらいのタイミングで、また次の事を考えていければいいなと思っています。

――ゲーム開発などに携わりたいという方に向けて、統括といったポジションから見る「求める人物像」などがあればお聞かせください。

竹内氏:以前そういう話をいただいた時は「いろんな事を経験して下さい」とか「いろんな物を見て下さい」とか言っていたんですが、けっこう時代は変わったかなと思っていて。「とにかく、何よりも、どんな事よりも、ゲームの世界に生きて下さい」というのが今は一番ですね。誰よりもゲームが好き、ゲームこそ我が人生!という方こそが、これからのゲーム開発で求められる人物像かなと思っています。

――『バイオ』や『デビル メイ クライ』そして『パルマ』や『BLACK COMMAND』など、コンソールとモバイル、男性向けと女性向けとさまざまな方向の作品が混在していますが、プロデューサーの立場から見て運用や開発の違いは明確にあるのでしょうか。


竹内氏:運用に関しては違うといえば違いますね。バイオハザードシリーズのような開発規模になるとキャラクターだけを作るスタッフを用意できるのですが、コンパクトなゲームになるとスタッフの人数が少ないので、全員でなんでもやらなくてはいけなくなります。そういった意味では『パルマ』や『BLACK COMMAND』のスタッフは何でもやっている状況ですね。

でも、そういう状況もゲーム開発にとって実は重要で、スタッフ、ひいては会社の成長を促す環境でもあるのかなと。カプコンのスタッフはのびのびとゲーム開発を1から10までやっているのもあるので、各々の開発に合わせた運営を心がけるようにしています。

コンソールとモバイルについては、そんな極端には意識しないようにしています。当然ビジネスモデルは変わってくるので、やり方は変わってきますが、お客様に一見の価値あるものを届けるという姿勢、ゲームを開発するという部分に関してはそんなに変わりませんね。モバイルの『パルマ』なんかはそういう姿勢を評価いただけたのかなと思っています。他社さんからは「え、竹内さんのところ、バイオ作ってパルマも作ってるの?どうなってんの会社の中!」とは言われるんですが(笑)。

我々からすると、そんなに路線の違う物をやっているイメージがなくて。「一見の価値あるものはここにある」といった感じで皆やってくれています。

ただ『パルマ』のスタッフはほとんどが女性なので、独特の気遣いはあるのかなとは思います。女性向けゲームですし、男性にはわからない部分をとても大事にしているチームなので、下手に男が入って口をだすと「わかってない!」って言われちゃう(笑)。

――『鬼武者』では、当時金城武さんがフェイシャル・キャプチャをされていたりしました。そういった新しいテクノロジー(VR含め)を今後も取り入れたりする予定はありますか?


竹内氏:そうですね、私は生来新しい物が好きでして。実は『鬼武者』の時や『バイオ5』、『ロスト プラネット』など、新しいハードウェアに対して提供する時に、新しいテクノロジーを使う事はうちの会社の切り込み役だったりします。「竹内ちょっと来い、新しいハード出るからやっとけ!」みたいなノリがありますね。可能性のあるものはどんどんチャレンジしたいと思っています。

『バイオ7』の時はゲーム自体をFPSにしようってチーム全体から盛り上がっていたので、「だったらVRとかちょうどいいんじゃない」って流れでVRを採用しました。『バイオ RE:2』は、サードパーソンビューでやりたいねって話が先行していたので、今回はちょっとVRに向いてないな、という流れで見送りました。次にまた合う企画がでてきたら色々やりたいですね。そのころにはVRも第二世代、第三世代と進化していると思うので。

VRの技術自体は多分今の状況には留まらないでしょうし、すごく大きなゲームチェンジャーになるデバイスだと感じているので、積極的にやっていこうと思っています。それ以外にも新しい物がでてきたらどんどんやっていきたいですね。実はこっそりニンテンドースイッチでクラウド版『バイオ7』が出ていたりします。こういう事もこれからのゲームのありようとしては重要になってくるのかなと。そういった技術はいち早くキャッチアップしていきたいなと思ってます。

――汎用のゲームエンジンも多い中、カプコン独自の「RE ENGINE」を使われていて感じる使い勝手や、今後この「RE ENGINE」」がどうなっていくのか、どういう物にしていきたいのかの指針があればお聞かせ下さい。


竹内氏:「RE ENGINE」」の一番の利点は“カプコンの”ゲームが作りやすいところにあるかなと。「MT Framework」の時もそうですが、「自分たちの作るゲームに最も適したエンジンってあるべきだ」という事はすごく理解していて、ゲーム開発の効率化といった部分は今後も変わらずに進んでいくだろうなと思っています。「RE ENGINE」」の特徴ってあまり語られていないんですが、「モジュール構成」といってモジュールは好きに組み替えできるんですよ。『バイオ』と『デビル メイ クライ』と同じようでだいぶ違うところがあるゲームは、モジュールの組み換えで対応しています。

そういった汎用性の高いエンジンを社内で充実させつつ、自分達がより良いゲームを作れるエンジンにしていこうと。カプコンの色がしっかりだせるゲームを作っていけるよう、特化させていきたいですね。

もう1つあまり知られていない特徴があって、「RE ENGINE」」はビルド(ハードに向けて最適化する待ち時間)がないんですね。我々のゲーム作り、「イテレーション」と呼んでいますが、「こういう物を作りました・遊びました・何か違うね…」ってなった時、じゃあここを作り直そうという作業を頻繁にやるので、待ち時間があるとそのまま開発時間の延長に直結してしまいます。エンジン開発チームはカプコンのゲーム作りをよく理解していて、まずはその待ち時間を出ないようにしようと。この辺は汎用エンジンとは大きく違うところだとは思います。

――海外スタッフと仕事をする事も多いと思いますが、海外と日本のスタッフの違いは何かありますか?

竹内氏:ありますね。極端にいうと、日本のスタッフってベテランになればなるほど一定の苦労を美徳としちゃうところがあるんですよ。日本人はよく職人気質って言われますが、それって苦労を美徳とする文化がどこかにあるからだと思っていて。海外の方は「何でわざわざそんな苦労するの?」「ここシステムで組んじゃえよ」「ツール作っちゃえよ」って事が多いんですね。これって、日本が海外で戦う上でとても大事な考え方だと感じていて。僕は生粋の日本人、コテコテの大阪人ですけれど、職人の苦労を美徳とする気質はちょっと理解しかねる部分があったんです。

海外のスタッフが入ってきて、なんのわだかまりもなく「あ、それツールにしといたよ!」っていうのを見ると、最初は皆「えぇ?!」ってなるんだけど、使うと便利だからずっと使っちゃうじゃないですか。すると「あれ、俺らが美徳にしてきたことって、実は違うんじゃない?」というシナジーが『バイオ7』の時に生まれました。そこから大きく開発スタイルが変わりましたね。

そうやって変わってくると、新たに海外のスタッフが来た時に「カプコンって働きやすいね」って言われて、その声が広まってまた海外の優秀な技術者が集まってくれる。いいサイクルが生まれつつあるなと感じましたね。違う文化を取り入れる事ってすごいシナジーを産むんだなって実感しています。

――個人的に好きなゲームと、プロデューサー目線で好きなゲームを伺いたいです。


竹内氏:クリエイター目線でずっとこういうゲームを作りたいなと思っていたのは、古いゲームだけど『ウィザードリィ』と『伝説のオウガバトル』ですね。タクティクスじゃなくて「伝説」の方なので変わってるなー!と言われそうですけど(笑)。

『ウィザードリィ』はあのダンジョンに住んでたと言えるほど遊んでいました。なんでしょうね、あのシンプルな世界の中に自分の時代の全てがあった気がしていて。あんなに人をのめり込ませるゲームって、クリエイターとしてはやっぱり憧れるところがありますね。

『伝説のオウガバトル』はあの時代、スーパーファミコンなのに戦闘に入る時、英語で「Fight It Out!」って喋るんですよ。映像も先進的で、モード7とか当時のスーパーファミコンの技術を持て余すところなく使っていて「ああ技術ってすごいな…!」と。この2作品はそれぞれゲームを作ってる自分、クリエイターとしての礎になっている部分がすごくありますね。

プロデューサー目線で見た時には、他社さんのゲームになりますが『グランド・セフト・オート』とか『レッド・デッド・リデンプション』みたいな大型のゲームですかね。しっかり作って、世に出して結果を出す。ゲームって凄いとこまできちゃったなぁと感じています。ああいったゲームがお客様をひきつけて、あれだけの規模でゲームを作っていくのも可能になったという事は、これから自分達のゲーム作りに関しても大きな物にチャレンジしていくタイミングがきっとどこかで来ると思うので、その時に向けていろいろ勉強しなきゃいけないなと思っています。

――第一開発独自の社風や取り組みなどはありますか?


竹内氏:ゲームを作っていく上で、「ゲームって何?」という話になった時、よく専門学校を出られる方って「こういう遊びのシステムがうまく出来ていて―」みたいな話になると思うんです。でもうちに来ると「いや、そうじゃないよ」って。ゲームって「体験」だよという話はよくしています。体験って実際にやってみなくちゃわからない事だし、その体験をゲームの中でどこまでデフォルメして伝えられるかっていう事だと思っていて。

特に『バイオ7』はその筆頭で、怖いっていう体験をしなくちゃわからないよねってことでなんでも体験していました。実際、心霊スポットと呼ばれる場所にスタッフが「GoPro」をつけてわざわざ夜に行って取材したりとか。本気でビビりながら撮影してきた映像を皆で見ながら、怖いってこういう事だよねって話したり、実際に体験してきたスタッフは「いや、怖いってこういう事じゃない、こうだよ!」って表現ができる。体験することが大事だなと思っていて。

特徴的なのが、ゲーム中のイベントシーンってあるじゃないですか、あのシーンの芝居をまずは実際にスタッフが演じる事ですね。中西ディレクターは『バイオ7』のジャックを演じて、「ジャックはこうやるんだよ!」というシーンをまるまる撮影してそれをスタジオに持ってきました「こういうシーンを撮りたい、こういう事をやりたい」と。こういった事をするのは、第一開発独特の取り組みかもしれないですね。


――海外国内含めて現在や今後のゲーム市場をどのように見られていますか。また現状、開発者として世にどういったゲームを出していきたいのかお聞きしたいです。

竹内氏:ゲームというメディアそのものが、いよいよコモディティ化してきているなと。いま生まれた子供達って、PS4などがある世界に生まれて、それが当たり前にある環境で育ち大人になっていく。これは我々が子供の時と大きく違う世界になっています。

ゲームは特別な物じゃなくて、テレビやラジオと同じように「そこに存在する物」。誰もが気軽にふれていいものだし、誰もが遊んでいいものになっている世界なので、コンソールだとかモバイルだとかの垣根は多分、年々なくなっていくんだろうなと思っています。

なくなっていった先にどうなるか、それこそストリームやクラウド化ではないけれど、モバイル環境でバイオを遊ぶ事だって可能だろうし、家で大画面・大音響で遊ぶことも可能になって、個人個人の体験の求め方の違いによってゲームが変わってくると思うんですね。

実はこれって開発者にとっては夢のような世界でして。そうやってお客様が触れる機会が増える事で、じゃあ自分たちはどういうゲームで勝負していくのか、判で押したような同じようなゲームを作る時代から、カプコンだったらカプコンらしいゲームを求められる時代が来るんだろうなと。とても夢広がる時代が来ていると感じています。

一方で危惧しているのが、ゲームやマンガ、映画といった物が、無料で当たり前みたいな状況になってくる事でしょうか。これはちょっと違うかなと。そこで作ってる人がいる以上、生活もあるし、次を作る資金も必要なので、ビジネスモデルとして全般的に考えていかなくてはいけないなと思っています。

――第一開発統括に就任してから一番難しかった課題や問題点、苦労などがあればお聞かせ下さい。


竹内氏:第一開発統括として任されて、一番考えたのは「自分達はどうあるべきなのか」というすごく難しいお題でした。その当時は『バイオ6』があって、エンターテイメントとしてはとても良く出来ているゲームだと思うんですが、タイミング的にお客様の求めている好みの波、―ホラーを求めてる波だったりアクションを求めている波だったり―その流れにうまくマッチしなかったタイトルだったと思います。

海外サイトなんかを見ても「バイオハザードはもうダメなんじゃないか」みたいな事を書かれていて。そんな中、会社に「ちょっとバイオをやってくれないか」と任されて。「おお…きたこれ…!」って感じですよね(笑)。

さてこれからどう舵取りしていこう、バイオをどうしようかって考えてたんですね。でもそうじゃないなって。バイオをどうすべきかではなく、自分達はどういうゲームを作ってご飯を食べていくかをまず考えるべきだと気づいて。

ウチの開発で掲げているモットーが3つあるんですが、まず、先程から何回かお話していますが「一見の価値あるゲームを作っていく事」、そして「世界中の人が面白いと言えるゲームを必ず作る事」、最後に「自分達が使いたいお金はちゃんと自分たちで節約したり生み出したりする事」。この3つを決めて、スタッフと共有して同じ思いでゲームを作っていく事にしました。この流れを作るだけですごく大変でしたね。『バイオ7』を作っている時がまさしくこの辛いタイミングでした。ゲームの作り方も効率良く無駄なく作ろうと変わっていってた時期なので、現場の人間と大喧嘩しながらやってました。最初の立ち上げで一番苦労したところですね。

――次を『バイオ RE:2』にするか新たなナンバリング作品にするかの選択はどのような基準で決められたのでしょうか。


竹内氏:結構長いスパンで、バイオシリーズをブランドとしてどうしていくかを考えていて、今もいろいろ取り組んでいる最中ではあります。『バイオ7』を作り始めて、なんとなく「あ、このホラーいけそう!」と思ったタイミングで、立場上ふっと頭によぎったのは「次はどうしよう…!」という思いでした。怖すぎるゲームを作ろう、お客様のトラウマになるゲームを作ろうってコンセプトで進めていたので。でもこれを2本続けてやったら多分ダメだろうなっていうのもおぼろげに思っていて。だってトラウマを2発も3発もくらいたい人ってそういないじゃないですか(笑)。

でも、バイオとしては必ずホラーゲームなんだぞ、一番怖いんだぞっていうポジションは確立したいじゃないですか。『バイオ7』にブレはなかったけれども次作にすごく悩んでいて。ちょうどオリジナルの『バイオ1』から『バイオ2』を生み出した流れも同じだったんです。「1って怖いよね」って言われている中であの『バイオ2』を発売できた、お客さんの信用を得られてバイオが点から線になったタイミングだと思うんですね。


竹内氏:『バイオ7』でも、ああいう事をやっぱりやらなきゃいけないよなと思っていて。それを受けて続編をどうするか悩んでいる時、たまたま海外で「2はリメイクしないの?」とメディアからも言われていたんですよ。最初はあんまり乗り気じゃなくて、「そんな古いのやってどうすんだよ」と。

でも、待てよ?と。「そうか。7の次、ホラーをやった後にまた『バイオ2』のような事がやりたいのに、わざわざ2もどきを作ってもな…じゃあ素直にもう1度『バイオ2』を作っちゃえ」と。自分たちであの『バイオ7』を作った後に、新規ファンも過去作のファンも納得できる『バイオ2』を作れたのなら、バイオのチームはずっとバイオをやっていけるのでは、と思いまして。そういった判断やファンの声に後押しされて、『バイオ RE:2』の開発をスタートさせられましたね。上手く需要と波を見極めながら作るのは大事なんだなって感じました。

――第一開発統括として皆をまとめていく上で、モデルになった方やこんな人になりたい!という方がいたらぜひ伺いたいです。


竹内氏:実は28年カプコンに勤めているんですが、本当に私はラッキーだったなと思っていて。カプコンに入社した当時、三並達也さんの下で働かせていただく事になって。もうすごく厳しい方だったんですよ、自分は社会人としてダメ人間でしたからね(笑)。ここで社会人としての在り方をすごく叩き込んでもらいました。「仕事ってこういう風にやっていくんだ」という事を教えてもらって。

そしてその後に、三上真司さんの下につきました。正直そのころは「カプコンは足掛けだし、辞めた後で自分の好きな事やろう」って思ってたんです。でも三上さんに出会った事で「ゲームを作るのってこんなに面白いんだ」「ゲームってこんなに楽しいんだ」というゲーム作りを教えてもらいました。

その後に稲船敬二さんの下につきまして。稲船さん自身、マーケターとしてのビジネスが凄くて。当時は『鬼武者』とかバリバリやられていたので、「ビジネスってこうやるんだ」という事を叩きこんでもらいました。

この3人の下につけた事は、すごくラッキーだったなと思っています。これがなかったら、今こんな風に開発をどうしていくか、みたいなお話はできなかったなと。この3人に学んだ事を今はどんどん吐き出しているだけですね。これを後進にどう伝えていこうかというのが、一番の課題だと思っています。

――ありがとうございました!
《えれ子@Game*Spark》

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