一緒にいる友だちと遊ぶ協力プレイの楽しさを広めていく・・・『モンスターストライク』の台湾での育て方 | GameBusiness.jp

一緒にいる友だちと遊ぶ協力プレイの楽しさを広めていく・・・『モンスターストライク』の台湾での育て方

2014年5月に台湾版の提供開始したのを皮切りに、『 モンスターストライク 』の海外展開をスタートしたミクシィ。現在、北米・韓国・中国とアグレッシブに進めています。現地でどのようなマーケティングが行われているのか、台湾展開を担当する安藤希倫氏と村田明子氏に

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2014年5月に台湾版の提供開始したのを皮切りに、『 モンスターストライク 』の海外展開をスタートしたミクシィ。現在、北米・韓国・中国とアグレッシブに進めています。現地でどのようなマーケティングが行われているのか、台湾展開を担当する安藤希倫氏と村田明子氏に
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2014年5月に台湾版の提供開始したのを皮切りに、『モンスターストライク』の海外展開をスタートしたミクシィ。現在、北米・韓国・中国とアグレッシブに進めています。現地でどのようなマーケティングが行われているのか、台湾展開を担当する安藤希倫氏と村田明子氏に伺いました。


弾くアクションで大人気となっている『モンスターストライク』

―――今日はよろしくお願いします。はじめに簡単に自己紹介をお願いします。

安藤 ミクシィ・モンストスタジオの安藤希倫です。グローバルマーケティンググループのマーケティングチームに所属しており、運営とマーケティングの両方を担当しています。ミクシィに入社後は、SNS「mixi」のコマース事業など担当していました。今年の6月から部署を異動して、モンストの台湾展開に係わっています。

村田 同じくマーケティングチームの村田明子です。もともとウェブ業界で動画配信や海外展開などを行っていて、今年の9月に弊社に転職しました。現在は安藤の下で、マーケティングを中心に、いろいろ勉強中です。

―――安藤さんは新卒で入社されて、村田さんは中途入社なんですね。

安藤 はい、今年で入社3年目です。弊社には「ミクシィ・キャリア・チャレンジ」という、社内公募制度のようなものがあり、人材を必要とする部署が募集要項を公開し、応募する社員はそのポジションに自由にチャレンジすることができる制度です。応募にあたって直属の上司の承認を得る必要はありません。海外ではたらくことに憧れがあり、語学が堪能というわけではありませんが、立候補しました。新しい分野にチャレンジしています。

村田 私も新規事業や海外展開などに興味がありましたが、残念ながら前職では担当していたプロジェクトがクローズしてしまいました。そのため転職先を探していて、リクルートキャリアさんに登録しました。いくつかご紹介をいただいた中に弊社があり、ゲームのグローバル展開で人材を募集中と聞いて関心を持ち、転職することになりました。

―――部署はどういった感じですか?

安藤 台湾チームはゲーム運営とマーケティングで8人程度で、全員が東京にいます。現地の企業とパートナーシップを結んでいて、広告や宣伝などの施策をお願いしています。月に1回、1週間弱くらいのペースで出張して、いろいろ打ち合わせをしつつ、市場調査なども行って帰国するという感じですね。

村田 私も入社してまだ2ヶ月しかたっていませんが、すでに2回出張しました。


安藤氏

―――日本と台湾でどういった違いを感じられますか?

安藤 モンストは友だちと集まって遊ぶゲームなので、友だちを誘うため口コミで広がりました。その後ネットでの実況プレイも火付け役となりつつ、テレビCMが放映されて一般層に広まっていきました。しかし台湾ではケーブルテレビのチャンネルが100局くらいあって、テレビCMだけでは厳しいのが事実です。そのため看板広告やリアルイベントなども併せて行っていく必要があると感じています。そのため実際に視察をして回ることが大事で、よく街を歩いたり、変わった店があったら入ってみたりしています。台北だけでなく、台湾高速鉄道に乗って高雄なども視察しました。

―――ゲーマーが集まる場所には行ったりしますか?

安藤 残念ながら、まだそこまで行けてないですね。10代前半から20代の男性層をメインターゲットとしていて、まだ大学などに足を運ぶ程度です。キャンパスに行って、学生に声をかけてヒアリング調査なども行いました。端末スペックや電波状況などが日本と異なるので、実際に行ってみないとわからないことが、たくさんありますね。

◆その場にいる人との協力プレイの楽しさを広めたい

―――そもそも、海外展開を東京からリモートでやっている理由はなんでしょうか?

安藤 中国以外の国では自社パブリッシングを基本戦略にしています。現地に腰をすえてガッツリやると、国内とのコミュニケーションの問題なども出てきますしね。もっとも弊社としても、海外展開を始めたばかりです。5月に台湾版の配信が始まりましたが、それより少し前にグローバルマーケティンググループができたくらいです。そのため、今は試行錯誤の段階なのです。

―――ローカライズの工夫はどのようなことをしていますか?

安藤 まず言語を変える必要があると思われがちですが、実は台湾や韓国では日本版をすでに遊びこんでいる熱心なユーザーがいます。彼らは非常に熱心なユーザーなので、彼らにどうやって台湾版に移行してもらって、周りの友達を引き込んでもらうかが重要になります。それもあって、オリジナル要素を追加して、いかに日本語版と差別化を図るかがポイントとなりました。オリジナルキャラクターや専用クエストチケットなどを追加しています。台湾展開を始めてから、改めて分かってきたことです。

―――特に台湾では日本のコンテンツが好きな人が多いですからね。

安藤 日本語が格好いいというイメージがあるのです。そのため、あえて日本語の部分を残しているところもあります。必殺技の「ストライクショット」で日本語ボイスを再生する、などはその一つです。そっちの方が「クール!」なんですね。広告クリエイティブなどでも、日本語のテキストが入っていたりして、そちらの方が人気が出る、などの事例もあります。

村田 熱心なユーザーの方がウェブで日本語と中国語の対訳ページを作っていて、それを見ながら遊ばれている方もいますね。

―――手応えはいかがですか?

安藤 おかげさまで大々的なプロモーションはあまりしていないにもかかわらず、利用者数は100万以上を突破しました。台湾の人口は約2300万人なので、日本の人口比に換算すると500万人規模ですね。もっとも、まだ台湾のアプリランキングに顔を出した程度で、上位にランクインしている状況には、まだなれていません。もっとメジャー化させるために、いろいろな施策をやっていきたいですね。

―――100万ダウンロードの要因は?

安藤 「日本で大ヒットしているゲーム」という前評判と、口コミのバイラルが大きいと思いますが、一番はゲームの完成度が高いことでないでしょうか。

―――広告代理店に台湾の企業を選定された理由は何ですか?

安藤 台湾は日本より人口が少なく、特にゲーム関係は台北に集中しています。そのため日本より人脈が重要だと感じます。そのため台北でアグレッシブに展開していて、人脈が豊富で、確実に施策を実行してくれそうな企業を選んだ結果ですね。

―――実際に仕事をされてみてどうですか?

村田 言葉の壁はどうしてもありますね。以前つとめていた企業では日本の広告代理店さんとの付き合いが中心で、先方の担当者も現地駐在の日本人の方だったので、こうした問題はありませんでした。しかし、今回のように台湾の方とおつきあいをしていくと、文化の違いもありますし、より深く現地のことを知る必要が出てきますね。

安藤 実際に日本と同じ感覚で打ち合わせをしていると、間違った方向に話が進んでしまったり、予想していたものとは違うクオリティの成果物が上がってしまったりすることがあるので、そこは気をつけないといけない点です。コミュニケーションをいかにとるかが重要ですね。もっとも台湾企業には日本語が堪能な方も多いので、その点では助かっています。

―――今後の施策について教えてください。

安藤 台湾展開を進める上で、ゲームを通して、ユーザーをいかに啓蒙していくかに力を入れていて、これは今後も進めていきたいですね。というのも、遊ばれるとわかると思いますが、『モンスト』はそこまでチュートリアルが親切丁寧ではありません。モンスターの育て方も、自分で攻略サイトを見たり、周りの良く知っている友人に教えてもらったりすることが前提になっている部分があります。日本ではそれでも良いのですが、海外では競合がたくさんあるので、ちょっとわからないとすぐに止めてしまったりするのです。そこを、なんとかできないかと。

―――具体的にはどんなことを?

安藤 YouTuber(ユーチューバ−)の方々に協力してもらって、自分たちで動画チャンネルを作って、動画プロモーションを進めています。初心者向けに基本的な遊び方とか、上級者向けに高難度ボスの倒し方などを動画で説明して、そこにFacebookからユーザーを流し込んだりしています。中でも重要なのが、一緒にいる人との協力プレイの啓蒙ですね。台湾ではもともとPCオンラインゲームが人気で、協力プレイといえばオンラインで遊ぶものという前提があります。そこに対して、いかに一緒にいる人との楽しさを啓蒙していくか・・・。新しい市場を開拓しようとしています。

―――動画を起爆剤にしようとしているのですね。

安藤 そうですね、それだけではありませんが、重要なファクターです。台湾でもTwitchでのゲーム実況がすごく人気で、だんだんとPCオンラインゲームからモバイルゲームにシフトしてきています。日本と比較してゲーム専門の動画実況者が多い印象を受けます。

◆会社とゲームの理念が一致していた

―――運営のやり方で日本と違いはありますか?

安藤 台湾では日本と違って、深夜すぎからゲームを始める人たちが、けっこういるのですよ。そのため最近では降臨クエストを深夜すぎから開始するようになりました。日本でも行っていますが、実は台湾の方が早くて、それを後から日本側が追いかけた形です。

―――それはおもしろい現象ですね。

安藤 また日本では電車の中で遊ばれることが多いと思いますが、台湾では地下鉄(MRT)の中に電波が入っていないので、うまく遊べません。そのため会社や学校の昼休みに遊ばれることが多く、正午過ぎから降臨イベントをしてほしいという要望も数多くいただいています。放課後は塾などに行ってしまうし、それが終わるともう夜なので、昼休みでないと友だちと一緒に協力プレイをやりづらくなるというわけです。これは現在検討中です。

―――台湾でのゴールは何でしょうか?

安藤 数値的な目的は特に掲げていません。例えば「ランキングで1位をとること」などと言えば分かりやすいかも知れませんが、こういう目標は結果にすぎないと思っています。というのも、ランキングで1位をとるだけなら、広告宣伝費を大量に使うという選択肢もあります。しかし、『モンスト』でそれをやっても疲弊するだけなので、いかに『モンスト』を遊んで、一緒にいる人との協力プレイの楽しさを体感してもらって、周りに広めてもらえるお客様を増やせるかが重要だと思っています。そのためゲーマーのコミュニティとミートアップをしたり、『モンスト』をイメージしたカフェを作ったり、何かそういった方向性を模索していきたいですね。

村田 日本だと若い男の子が電車でやっている姿をみて、よし! と思うことがあります。そういうシーンを台湾でも増やしていきたいですね。

―――『モンスト』の海外展開はこれからも続いていきますか?

安藤 そうですね。まだまだ始まったばかりですが、状況をみながら欧州、東南アジアと広げられればと思います。とりあえず人手不足なのは間違いないので、一緒に戦ってくれる仲間を募集中です。

―――村田さんがミクシィに転職を決められた要因は何でしたか?

村田 「ゲームでグローバル展開」という点が面白そうだと思ったことと、会社の「人と人をつなげる」という理念に共感したことですね。もっとも『モンスト』のことはほとんど知りませんでした。転職活動の時に社員の方と面談できる機会を設けてもらって、そこで「『モンスト』を通して、人と人をつなげていきたい」と話されているのを聞いて、会社の理念通りだと思い、転職を決意しました。

―――どういう人材を求めていますか?

安藤 「チャレンジに臆さずに徹底的にねばり強くやってくれる」ことと、「国ごとの価値観の違いを柔軟に受け止める」ことができる人材がいいですね。マーケティングでも企画でも、自分で決めたゴールに対して、自分たちで知恵を出し合いながら達成していくのが弊社のスタイルです。正直、楽しいことばかりではありませんが、さまざまなチャレンジを楽しんでやってくれる人がいいなと思います。あとは日本を過度に意識しないことも重要です。「日本ではこうだったから」「まず日本でやって成果を出してから」ではなくて、その国の人がどう考えるかが一番大事ですから。

―――熱意みたいなものが重要だということでしょうか?

安藤 そのとおりですね。ゲーム業界での経歴や実績などよりも、その人がどんな考えをもっていて、どんな仕事をしたいのか・・・そこを一番重視しています。

―――ありがとうございました。


ミクシィ本社にて
《小野憲史》

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