MIXIは、Google Cloudが提供するエンタープライズ向け生成AIプラットフォーム「Google Agentspace」を全従業員約2,000人を対象として、7月7日から導入したと発表しました。
Google Agentspaceは、Googleの検索技術と先進的なAI「Gemini」を組み合わせることで、企業内情報を統合的に活用し、自然言語での情報検索、作業の自動化、コンテンツ生成などを可能にするプラットフォームです。
同社では2023年より生成AI活用を推進しており、複数のツールを部門ごとに導入・運用してきました。部門によっては生成AIツールの利用率が100%に達するほど活用が進んでいますが、業務ニーズへの柔軟な対応に向けて、AIをより高度かつ横断的に活用できる環境の整備が必要とされていました。
特に組織活動においては、情報がさまざまなクラウドサービスや社内システムに分散し、求めている情報の把握や活用に多くの時間と労力を要するケースも発生。この課題の解決を目指して、2025年3月にGoogle Agentspaceのライセンスを一部従業員向けに取得し、試験運用を開始しました。
Google Cloudの技術支援を受けながら、社内ニーズに適したエージェント設計と活用方法の検証を進めた結果、全社情報の集約によって統一されたナレッジベースが蓄積され、業務効率の向上にも大きな成果が見込めると判断し、全従業員への展開を決定しました。
今後はGoogle Cloudの協力のもと、社内向け研修やワークショップなどを通じて実践的な知見を深め、社内AIリーダーの育成を推進します。全従業員がGoogle Agentspaceを効果的に活用できるよう、スキルに応じた支援体制を強化する計画です。
MIXIの木村弘毅CEOは「創造性を追求するために、私たちはGoogle Agentspaceを導入しました」と全社導入を決めた思いを明かし、「AI の導入は効率化の手段だけではなく、思考の質を高めるための投資です」と述べています。
同社はこれまで「mixi」や「モンスターストライク」、「家族アルバム みてね」、「TIPSTAR」といったコミュニケーションサービスを生み出してきました。全社共通のAIプラットフォームを活用して創造的な作業に使う時間を増やす試みにより、新たな事業の創出も期待されます。