理想的な形で普及を続けるニンテンドー3DS、値下げから1年・・・「データでみるゲーム産業のいま」第43回 | GameBusiness.jp

理想的な形で普及を続けるニンテンドー3DS、値下げから1年・・・「データでみるゲーム産業のいま」第43回

当社(ゲームエイジ総研)が毎月発行している『Monthlyゲーム・トレンド・レイティング』では、ゲーム専用機、汎用機(非ゲーム専用機)、SNSそれぞれの主要プラットフォームごとのアクティブゲームユーザーを月次でトラッキングしています。この調査は昨年10月度分から

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当社(ゲームエイジ総研)が毎月発行している『Monthlyゲーム・トレンド・レイティング』では、ゲーム専用機、汎用機(非ゲーム専用機)、SNSそれぞれの主要プラットフォームごとのアクティブゲームユーザーを月次でトラッキングしています。この調査は昨年10月度分から
  • 当社(ゲームエイジ総研)が毎月発行している『Monthlyゲーム・トレンド・レイティング』では、ゲーム専用機、汎用機(非ゲーム専用機)、SNSそれぞれの主要プラットフォームごとのアクティブゲームユーザーを月次でトラッキングしています。この調査は昨年10月度分から
  • 当社(ゲームエイジ総研)が毎月発行している『Monthlyゲーム・トレンド・レイティング』では、ゲーム専用機、汎用機(非ゲーム専用機)、SNSそれぞれの主要プラットフォームごとのアクティブゲームユーザーを月次でトラッキングしています。この調査は昨年10月度分から
当社(ゲームエイジ総研)が毎月発行している『Monthlyゲーム・トレンド・レイティング』では、ゲーム専用機、汎用機(非ゲーム専用機)、SNSそれぞれの主要プラットフォームごとのアクティブゲームユーザーを月次でトラッキングしています。この調査は昨年10月度分から開始しており、先月発行分でちょうど1年となりました。

今回は、これらのデータの中から、ニンテンドー3DS(以下3DS)のこの1年間のユーザー推移データとその傾向について考察いたします。

【図1】は、2011年10月度から、2012年9月度までのMAU(月間アクティブユーザー数)をまとめたものです。棒グラフは対象月のMAU、折れ線グラフは前月比(当月MAU÷前月MAU)を示しています。

まず、真っ先に目につくのは2011年12月度以降のMAUの急激な増加です。昨年11月から12月にかけて、3DSのユーザーベースは明らかに1ステージ上のレベルに押し上げられたといえます。一体ここでは何が起こったのでしょうか? 振り返ると、この時期は『スーパーマリオ3Dランド』『マリオカート7』『モンスターハンター3G』という3つのミリオンセラータイトルがわずか1か月(11/3〜12/10)の間に同一プラットフォームから発売されたという、過去のゲーム市場の歴史を振り返ってもほとんど前例のないような出来事があった時期でした。

一般的に、このような広範なターゲットに訴求できる強力なブランドパワーを持ったタイトルは、カニバリゼーションを避けるためにもそれぞれの発売時期をずらすことの方が多いものですが、どのような事情があったのかどうかはわかりませんが、結果的にはこれらの大型タイトルを出し惜しみせず一気に発売したことが3DSの本体販売およびユーザーベースの拡大に大きく貢献したことは明らかです。実際いずれのタイトルも早々に100万本を突破し、いまだに販売本数を伸ばし続けていることや、その後の3DS本体の販売動向を見ると、この3DSの“3本の矢”が3DSプラットフォームに与えた影響は計り知れません。

以上、大きな流れを踏まえた上で、次は月次のユーザー構成をもう少し詳細に見ていきます。

【図2】をご覧ください。これは、各月のMAUの構成を年齢層(5歳刻み)とIPS(「ゲーム先行性」に関する当社独自指標)を中心にまとめたユーザーマップです。 (変化を視認しやすいように、アニメーション表示しています)
また、各月のマップには、当月に発売されたタイトル(10万本規模以上)も付記しています。
※赤:100万本超/青:50万本超100万本未満/緑:30万本超50万本未満/黒:10万本超30万本未満

タイトルラインナップの影響を受けて、ユーザー構成が毎月変化していることが確認できます。ただし、【図1】からも分かる通り、毎月のユーザー数はこの1年の間ほぼ一貫して増加し続けています。ユーザーベースを落とさず構成比に変化が見られるということは、つまりセグメント単位で見ればそれぞれのパイが拡大しているということを意味します。例えばIPS(ゲーム先行性)に注目すると、ユーザー規模が1段階上がった2011年12月以降、再びイノベータ色が強まっていきます。2012年4月には、[イノベータ][アーリーアダプタ]の合計で65%(調査開始以降のトラックレコード)に達するなど、着実にゲームコア層を獲得していく状況が見て取れます。この期間に発売された有力タイトルは『バイオハザードリベレーションズ』『新・光神話パルテナの鏡』『キングダム・ハーツ3D』『ファイヤーエムブレム覚醒』(いずれも30万から40万本規模)などですが、これらのタイトル群が2011年末期の3つのミリオンタイトルの出現後にも確固たる実績を残すことで、3DSのプラットフォームとしての版図拡大に大きく寄与したといえるでしょう。その後も、5月には『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド3D』、7月には『Newスーパーマリオブラザーズ2』といったミリオンクラスのタイトル群のリリースによって、再び徐々にカジュアルユーザーの構成比を増やしていっています。

このように、「ビッグネームのタイトルでカジュアル層を巻き込む」→「ゲーマー向けタイトルでコアファンを納得させる」→「カジュアル層にも訴求力のあるタイトルで底辺を広げる」といったまさに理想的なサイクルで3DSマーケットは拡大を続けています。

このタイトル編成と市場投入タイミングに関して、当事者(プラットフォームホルダーである任天堂および各パブリッシャー)が実際にどれくらい戦略的にオペレーションした(できた)のかについては知る由もありませんが、実績を振り返る上ではまさにピタリと嵌った展開であったことは間違いありません。

最後に、3DSのこの先の展開に目を向けると、女性やカジュアル層に対する訴求力の強い『とびだせ どうぶつの森』(11月8日発売予定)や、男性ゲーマーの支持の厚い『モンスターハンター4』(2013年3月発売予定)、また初のリメイク版となる『ドラゴンクエスト?』(2013年2月7日発売予定)など、性別・年齢・IPSいずれにおいても全方位体制でのラインナップが揃っています。元々年末年始商戦に強いと言われる任天堂プラットフォームですが、今年はWiiUの発売も12月8日に控えており、例年にも増して非常に注目度の高い商戦期を迎えることになりそうです。


ゲームエイジ総研
コンサルタント 三宅 淳

調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。
《三宅淳》

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