1000万人規模まで成長したスマホゲーム人口、2012年の汎用機を振り返る・・・「データでみるゲーム産業のいま」第50回 | GameBusiness.jp

1000万人規模まで成長したスマホゲーム人口、2012年の汎用機を振り返る・・・「データでみるゲーム産業のいま」第50回

当社(ゲームエイジ総研)がこのコーナーに連載してきた記事も、今回でちょうど50回目を迎えることになりました。この一年間ご愛読いただいた皆様、また編集部の皆様には改めて深くお礼申し上げます。

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前回は「ゲーム専用機」について、この1年間のプラットフォーム(ハード)別のゲームユーザー推移と最新状況をご紹介しましたが、今回は同じ視点で汎用機(ゲーム非専用機)におけるこの一年間の動向をご紹介いたします。ユーザー規模や機器の普及状況など、ゲーム専用機と相対比較する上で前回記事を併せてご覧いただくと便利でしょう。

【図1】は、昨年11月から今年10月までの1年間の、各汎用機のアクティブゲームユーザー数の推移をまとめたものです。全部で6種類の機器(スマートフォンiPhone/iPod touch及びAndroidスマートフォン]、フィーチャーフォン、タブレット[iPad他]、パソコン)に分類していますが、グラフを見るとこれらもゲーム専用機と同じように、ほぼ3つのグループに分かれていることが分かります。

まず、最もゲームアクティブゲームユーザー数の多いパソコンですが、昨年12月の時点では汎用機の中では圧倒的に多い1,900万人を超えるゲームユーザー規模を保有していましたが、直近の今年10月には1,400万人あまりにまで縮小しています。但し急激な減少傾向自体は今夏あたりで下げ止まった感はあり、今後はスマートフォンやタブレット機のさらなる普及に伴い緩やかにゲームユーザーの減少が進んでいくものと推測できます。

次のグループはスマートフォン[iPhone/iPod touchとAndroidスマートフォンの合計]及びフィーチャーフォンといった【モバイルデバイス】です。スマートフォンのゲームアクティブユーザー数は着実に右肩上がりで推移しており、昨年末の約700万人からこの一年間で約1,000万人という規模にまで拡大しました。

昨年まではiPhoneが優勢でしたが、その後は本体普及に同調するように、今年6月の時点でAndroidが逆転しています。それでも、双方ともスマートフォン本体の普及率に比べればゲームユーザー数の増加率は緩やかで、本年10月時点でどちらも500万人弱という規模です。

対してフィーチャーフォンのゲームアクティブユーザー数は、昨年末の700万人規模から400万人を割り込んできました。

このように、両者(スマートフォン/フィーチャーフォン)の増減数は300万人規模でほぼ一致しています。一般的に考えて、個人ユースにおける携帯電話の複数契約はそれほど多くはないと考えられるため、フィーチャーフォンからスマートフォンへのユーザーシフトが着実に進行していると判断するのが妥当でしょう。

最後のグループはタブレット[iPad他]のアクティブゲームユーザーです。こちらはパソコン、モバイルユーザーの増減ほど顕著ではありませんが、それでもこの一年で100万人強から150万人規模に拡大したと考えられます。タブレット機全体の2/3をiPadユーザーが占めていることから、デバイスやサービス自体がエンタメコンテンツへの適性が高いということが考えられますが、今後Windows8や対応機器の普及、タブレットならではの機能(タッチスクリーンなど)を活かしたコンテンツの増加によって、この勢力図も変化していく可能性は大いにあります。

次に、【図2】はこれら6グループの今年10月の[SPS]構成をまとめたものです。[SPS(Social game Play-style Segment)]とは、当社が考案したソーシャルゲームマーケット専用のユーザーセグメンテーション指標です。このコーナーでも何度かご紹介したことがありますが、今回も改めて各セグメントのユーザー特性をご説明しておきます。

[エヴァンジェリスト]
ソーシャルゲームに対して極めて能動的。ゲーム専用機よりもソーシャルゲームを優先的に捉えており、テレビCMやクチコミなどの情報にも敏感。直接の友人・知人はもちろん、そうでない他者とも積極的にコミュニケーションを図っている。

[ソーシャルアダプタ]
エヴァンジェリストほど積極的ではないが、ソーシャルゲームに対してかなり適性が高いクラスタ。直接の友人・知人よりもネット上の他人とのコミュニケーションを好む点や空き時間などのプレイの積極性ではむしろエヴァンジェリストを上回る。

[ポジティブゲーマー]
ソーシャルゲーム全般に対し、寛容的な態度を示しているクラスタ。属性的には全クラスタ中最もゲーム専用機所有率が高く、また年齢的には若年傾向が強い。ソーシャルゲームだけではなく(専用機も含めた)ゲーム全体に対してポジティブである。

[フリーライダー]
ソーシャルゲームが持つほとんどの要素に対し否定的な態度を見せる中、唯一「基本無料」という部分にのみ価値を見出しているクラスタ。ソーシャルゲームに対しそれほど多くのものを求めておらず単なる暇つぶしと捉えている。

[ネガティブゲーマー]
ポジティブゲーマーとは逆に、ソーシャルゲームに対し総じてネガティブな姿勢を見せるクラスタ。男性比率が高い点はポジティブゲーマーと同じだが、年齢層がやや高い点が異なる。これがソーシャルゲームに対する寛容度の違いとなって表れていると思われる。

まず、iPhone/Android/フィーチャーフォンといったモバイルデバイスのゲームユーザーを見ると、ソーシャルゲームへの積極性という点で若干の差異が認められます。ソーシャルゲーム適性の高い[エヴァンジェリスト]と[ソーシャルアダプタ]の両セグメントの合計を見ると、フィーチャーフォンユーザーでは60%に達し最も比率が高いのに対し、Androidユーザーではそれが半数に、iPhoneユーザーはそれよりさらに低くなっています。これはそれぞれの世代が経験してきたゲームやプレイスタイル、年齢に伴う可処分所得の違いなどが影響しているのではないでしょうか。

第37回の記事でも取り上げましたが、iPhoneの中心ユーザーは20代、Androidは30代、フィーチャーフォンは30〜40代、と高齢化する傾向にあります。iPhoneユーザーは若年層の[ポジティブゲーマー]の比率も高く、ゲーム専用機と競合している可能性が考えられます。またiPhoneとiPadユーザーの属性が相似していることにも気づきます。この両者においてはユーザーがかなり重複している可能性があります。

反面、フィーチャーフォンユーザーは[フリーライダー]の比率が小さいことから、年齢に伴い可処分所得が高く積極的な課金を伴うプレイヤーが多いということが考えられます。

最後にパソコンユーザーですが、ソーシャル適性の高いユーザーと、無料プレイユーザー及びネガティブユーザーに分かれているようです。アクティブゲームユーザーとしては最大規模を維持しているパソコンですが、50代以上の高齢者の比率が高いことが影響しているのでしょう。

前回と今回でゲーム専用機と汎用機のユーザー規模の変化を見てきました。このところ小型タブレットや電子書籍端末の話題が続きましたが2013年も新たな機器が市場参入してくることでしょう。マーケットを見る時には、各デバイスの普及台数やアカウント数などといった量的データにどうしても目が奪われがちですが、それだけではなくユーザーの属性やライフスタイル、経済力などを把握したうえでコンテンツやサービスを市場に供給し、さらにそれと連動した有機的なマーケティング活動を展開していくことが今後ますます重要になっていくでしょう。

ゲームエイジ総研
『Monthlyゲーム・トレンド・レイティング』 発行人 光井 誠一

調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。
《光井誠一》

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