Kindle Fireが持つ普及ポテンシャル・・・「データでみるゲーム産業のいま」第51回 | GameBusiness.jp

Kindle Fireが持つ普及ポテンシャル・・・「データでみるゲーム産業のいま」第51回

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去る12月18日、グローバル市場では既に電子書籍リーダーのトップブランドとして広く普及しているKindle(キンドル)の高品位モデルである「Kindle Fire(キンドル・ファイア)」が、ついに日本で発売されました。(※)
  • 去る12月18日、グローバル市場では既に電子書籍リーダーのトップブランドとして広く普及しているKindle(キンドル)の高品位モデルである「Kindle Fire(キンドル・ファイア)」が、ついに日本で発売されました。(※)
  • 去る12月18日、グローバル市場では既に電子書籍リーダーのトップブランドとして広く普及しているKindle(キンドル)の高品位モデルである「Kindle Fire(キンドル・ファイア)」が、ついに日本で発売されました。(※)
  • 去る12月18日、グローバル市場では既に電子書籍リーダーのトップブランドとして広く普及しているKindle(キンドル)の高品位モデルである「Kindle Fire(キンドル・ファイア)」が、ついに日本で発売されました。(※)
去る12月18日、グローバル市場では既に電子書籍リーダーのトップブランドとして広く普及しているKindle(キンドル)の高品位モデルである「Kindle Fire(キンドル・ファイア)」が、ついに日本で発売されました。(※)

※上位機種の「Kindle Fire HD」も同時発売。白黒画面の電子書籍専用端末「Kindle Paperwhite(キンドル・ペーパーホワイト)」は11月19日に先行発売。

いわば、電子書籍界の“ガリバー”として、海外では既に広く普及しているKindleが、日本市場においてどのようなパフォーマンスを見せるのかということに関して発売前から非常に注目を浴びていましたが、今回はその真打ともいえるKindle Fire(Kindle Fire HD)が一体どれくらいのマーケットポテンシャルを秘めているのかということも交えながら、現在のタブレット型端末市場に関するデータをご紹介いたします。

当社(ゲームエイジ総研)は、12/14(金)〜12/16(日)の週末、つまりKindle Fireが発売を迎える直前のタイミングで、このKindle Fireを含むタブレット型端末各モデルの認知状況および購入意欲に関する独自調査を実施いたしました。調査対象としたのは、当社保有の調査パネルのうち“ゲーム専用機を所有している”10歳から59歳までの約5,000人です。したがって、今回ご紹介するデータが各モデルの需要の全てではないことはあらかじめご了承ください。とはいえ、タブレット型端末がまだ国内においてそれほど十分に普及しているわけではない現段階において、これらのモデルに対し、認知・関心あるいは購入意向を持っている人々の多くは何らかのゲーム専用機を所有している可能性は高く、おそらく大部分はカバーできていると考えます。

【図1】はKindle Fireを含む全8モデルの認知状況をまとめたグラフです。ご覧の通り、iPad(71.8%)とiPad mini(52.0%)の機種の認知度が他機種を大きく引き離しています。3番目のkobo(33.8%)と4番目のGALAXY Tab(30.1%)も、発売からかなりの時間が経過していることもあり、既にそれなりの認知を獲得しているようです。Kindle Fire(HD)は認知率21.6%で全体の5番目に付けています。調査時点では未発売にもかかわらず9月25日に発売されているNEXUS7(ネクサス7)の認知率を既に上回っているあたりは、発売前から大々的に行われていたプロモーション効果によるものでしょう。また、多くの人々にとって通販サイトとして非常に身近な存在であるAmazonから発売される機種であることもそれを後押ししているのではないでしょうか。

【図2】はこのうちの4機種(iPad、Pad mini、Kindle Fire、NEXUS7)の所有者数および今後の購入意向者数をまとめたものです。グラフ中の%表示は「認知者に占める購入意向者の割合」をあらわしています。
先ほどの認知度と同じように、所有ならびに今後の購入意向においても、iPadとiPad miniが1位と2位を占めています。しかし、認知度とやや状況が異なるのは、iPad、iPad miniとそれ以外の機種にそれほど大きな差がないことです。差が開いているのは、この中で最も長く販売しているiPadの所有者数が他を大きく引き離しているからであって、「(今後の)購入意向者数」ではそれほど大きな差が開いているわけではありません。これまでは、タブレット型端末市場においてiPadの独り勝ち状態が続いてきましたが、これを見る限りでは今後はもう少し拮抗した状況になってくるのではないかと予想されます。

Kindle Fireについて見ると、既に80万人近い需要層が見込まれていますが、この数字自体はNEXUS7と非常に近いものです。しかも購入意向率(購入意向者÷認知者)となると、Kindle Fireの9.2%に対してNEXUS7の10.6%の方がやや高くなっており、今後の認知拡大状況によってはNEXUS7も大きな可能性を秘めていると考えられます。

最後の【図3】は、Kindle Fireの各機能について購入意向者が求めているニーズをまとめたグラフです。
少々意外なことに、[まぁ利用したい]まで含めると「電子ブックリーダー」としてのニーズが84.5%と最も高くなっているものの、[ぜひ利用したい]だけで見ると「インターネットブラウザ」機能が48.1%でトップになっています。Kindleというとイコール「電子ブックリーダー」という先入観で捉えてしまいがちですが、Kindle Fireは複合機能モデルでもあり、ユーザーは電子ブックリーダーとしての機能以外にも多くのものを求めていることを再認識させられます。
なお、「ゲーム機」としてのニーズは[ぜひ利用したい]が18.9%にとどまっており、全体の中で最も低くなっています。これについては調査対象者がゲーム専用機ユーザーであるため、既にニーズが充足されている可能性もあり、ある程度割り引いて考える必要もありそうですが、いずれにせよ現段階においてはKindle Fireの「ゲーム機」としてのニーズはそれほど大きなものではないということは言えそうです。

今回の調査結果を見る限り、Kindle Fireはまずは順調な滑り出しを迎えそうだと考えられますが、逆に「電子ブックリーダー」として一気に普及しそうだといえるような勢いまでは感じられないのも事実です。
通販サイトとして、今や押しも押されもせぬマーケットリーダーとしての地位を確保しているAmazonですが、これまでの普及の経緯を振り返ってみると、その背景には「高い利便性」と「価格競争力」があったと考えます。この点を今回のKindle Fireに置き換えてみると、「利便性」については「品揃え」の点でまだまだ実際の書籍に比べると見劣りがしてしまうこと、また「価格競争力」についても日本市場の特殊性(取次制度、再販売価格維持制度、著作権の問題、などなど)があることなどを踏まえると、Kindleが海外市場での成功のように国内で一気に普及拡大するかどうかはかなり不透明であると考えます。
ゲーム機でも言えることですが、ハードの普及の鍵を握るのはソフト(コンテンツ。今回の場合はもちろん書籍の品揃えの充実度)であるというのはもはや定説です。国内市場において、今後Kindleがどのような展開を見せるのか、引き続き注目してまいります。

●おことわり●
次回以降、これまでの毎週連載から不定期連載に切り替えさせていただきます。連載開始から約1年間、ご愛読いただき、まことにありがとうございました。今後も随時有益な情報を提供してまいりますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

ゲームエイジ総研
『Monthlyゲーム・トレンド・レイティング』 発行人 光井 誠一

調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。
《光井誠一》

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