勢いある3DS、伸び悩むPSVita、大幅減のPC、推移で見るゲーム機利用動向・・・「データでみるゲーム産業のいま」第27回 | GameBusiness.jp

勢いある3DS、伸び悩むPSVita、大幅減のPC、推移で見るゲーム機利用動向・・・「データでみるゲーム産業のいま」第27回

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当社が毎月発行している『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』も昨秋の発行開始から既に第8号まで発刊を重ねています。そこで、今回はこれまでのトラッキングデータを使い、アクティブゲームユーザー数をはじめとした各種データを通じて、最近半年間のハード視
  • 当社が毎月発行している『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』も昨秋の発行開始から既に第8号まで発刊を重ねています。そこで、今回はこれまでのトラッキングデータを使い、アクティブゲームユーザー数をはじめとした各種データを通じて、最近半年間のハード視
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当社が毎月発行している『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』も昨秋の発行開始から既に第8号まで発刊を重ねています。そこで、今回はこれまでのトラッキングデータを使い、アクティブゲームユーザー数をはじめとした各種データを通じて、最近半年間のハード視点による各プラットフォームの動向をご紹介いたします。

【図1】はゲーム専用機および汎用機(非ゲーム専用機)の、3か月ごとの月間アクティブゲームユーザー数推移をまとめたものです。左側半分がゲーム専用機、右側が汎用機となっています。各ハードの3本の棒グラフは、それぞれ左から「昨年11月(6か月前)」「今年2月(3か月前)」「今年5月(最新)」のデータ(月間アクティブゲームユーザー数)です。

一番目立っているのは[パソコン]のユーザー数の多さですが、これにはソリティア、マインスイーパのようなプリインストールされたカジュアルゲームのユーザーも含まれておりますのでご注意ください。ちなみに、グラフではゲーム専用機をプラットフォームごとに分解して表示していますが、専用機ユーザー全体(対象月内に何らかのゲーム専用機を1度以上プレイしたユーザー)の5月のアクティブユーザー数は1,757万人となっており、パソコンのユーザー数を上回っています。

ゲーム専用機で最も勢いを感じるのは[ニンテンドー3DS(以下3DS)]です。実にこの半年間でアクティブユーザー数を倍増させています。まだ絶対数では先代機種の[ニンテンドーDS(以下DS)]を下回っていますが、今年中に3DSがDSを上回る可能性は極めて高そうです。その[DS]はこの半年間でユーザー数が漸減している傾向が明確に出ています。現状アクティブユーザー数が最も多い同じ任天堂の[Wii]は、最近では新作タイトルのリリース数もかつてより減ってきているとはいえ、まだまだ高いレベルでユーザー規模を維持しています。8月にいよいよ発売される『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族オンライン』でさらにアクティブユーザー数を伸ばすのは間違いありませんが、その先、年内に発売が予定されている後継機の[WiiU]の存在が、Wiiはもとよりマーケット全体にどのような影響を及ぼすのか注目されます。

一方のPlayStationフォーマットでは、[PS3]が活発な動きを見せています。この半年の間には、80万本を超えるヒットを記録した『ワンピース海賊無双』を筆頭に、コンスタントにヒットを記録するタイトルが登場し、PS3はプラットフォームとして成熟期を迎えているといえます。逆に大きな課題を抱えているのが[PS Vita(以下Vita)]です。この半年間[PSP]が緩やかにユーザー規模を落としていく中、[Vita]の販売台数およびアクティブユーザー数が伸び悩んでいます。ここのところようやく大型タイトルも順次発売を迎えているだけに、この流れの中で何か抜本的な大きな施策が必要な時期を迎えているのではないでしょうか。まずは早期の100万台達成が望まれます。

次に汎用機(非ゲーム専用機)です。こちらは冒頭に触れた[パソコン]のゲームユーザーが相変わらず最大規模を保っていますが、この半年はユーザー規模の減少が非常に目立ちます。それに呼応するようにアクティブゲームユーザー数を伸ばしているのがスマートフォン、特にその中でも[Androidスマートフォン(以下Android)]です。3か月前(今年2月)の時点では、まだ[iPhone(iPod touchを含む)]を下回っていたものの、まだその差はごくわずかですが、現在では[iPhone]を超えるゲームユーザーを抱えるまでにユーザー規模が拡大しています。[Android]と[iPhone]の合計では900万人近くにまで達しており、1,000万人を突破する日もそう遠くなさそうです。[フィーチャーフォン]も[パソコン]と同じようにゲームユーザーが急激に落ち込んでいます。このように、今やソーシャルゲームをはじめとする汎用機ゲームマーケットにおいても名実ともにスマートフォンが主役の座を獲得したといえるでしょう。

【図2】は、これら各ハードの「アクティブユーザー増減率」「月間推定売上高」「アクティブユーザー規模」を同一マップ上にプロットし、ハードごとの勢いをまとめたものです。「アクティブユーザー増減率」は現在(5月)と3か月前(2月)を比較したものにしています。

これを見ると、すべてのハードが大きく3つのグループに分けられる状況に気づきます。
◇グループA・・・急成長の時期は過ぎたものの、ハードとしては活況を呈しており売上規模は極めて大きい
◇グループB・・・成長率は100%を超えているが、売上規模はまだそれほど大きくないもの
◇グループC・・・ユーザー規模・売上規模は大きいが、ハードとしては成熟期もしくは衰退期を迎えたもの

このように、[Android][iPhone]はゲームユーザー数では既に大きな規模にまで成長を遂げていますが、売上規模の面では、まだまだゲーム専用機には遠く及んでいません。課金売上がメインの汎用機では、ゲーム専用機に比べ売上単価(ARPU:無料ユーザーも含むユーザーひとりあたりの売上高)がどうしても低くなるため、課金率の向上とARPPU(有料ユーザーひとりあたりの売上高)の強化が売上アップに直結するという構造を持っているのが特徴です。

【図1】【図2】を通してもう一つ気づくことは、多くのハードのユーザー規模が500万人前後の規模に収まっている点です。家庭用ゲーム機市場が誕生して既に30年近くの歳月が経過しましたが、これまでは基本的にごく一部のプラットフォームが市場を牽引するという時代が続いてきました。その構造が今は完全に崩れ去り、同じような規模を持ったプラットフォームが市場にひしめき合っているというのが現状です。ゲームをするという目的において、今ほどユーザーの選択の幅が広がったことはかつてありません。この多様化の時代において、コンテンツの供給側(パブリッシャー)は、戦略的なプラットフォーム選択のために、ユーザーマインドをきめ細かくウォッチし続けることが以前にも増して重要になってきているといえるでしょう。

ゲームエイジ総研
『Monthlyゲームマーケット・トレンドレポート』 発行人 光井 誠一

調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。
《光井誠一》

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