【CEDEC 2011】波乱万丈だニャ!『週刊トロ・ステーション』のつくりかた〜1200回配信を可能にする制作体制とビジネスモデル〜 | GameBusiness.jp

【CEDEC 2011】波乱万丈だニャ!『週刊トロ・ステーション』のつくりかた〜1200回配信を可能にする制作体制とビジネスモデル〜

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先日「最も多数のニュースを配信したゲーム機向けのサービス」 としてギネス認定もされたPS3向けオンライン配信専用タイトル『週刊トロ・ステーション』。トロとクロのシュール且つ可愛いトークや豊富な情報量、また基本無料で楽しめることもあって多くのファンに支持さ
  • 先日「最も多数のニュースを配信したゲーム機向けのサービス」 としてギネス認定もされたPS3向けオンライン配信専用タイトル『週刊トロ・ステーション』。トロとクロのシュール且つ可愛いトークや豊富な情報量、また基本無料で楽しめることもあって多くのファンに支持さ
  • 先日「最も多数のニュースを配信したゲーム機向けのサービス」 としてギネス認定もされたPS3向けオンライン配信専用タイトル『週刊トロ・ステーション』。トロとクロのシュール且つ可愛いトークや豊富な情報量、また基本無料で楽しめることもあって多くのファンに支持さ
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先日「最も多数のニュースを配信したゲーム機向けのサービス」 としてギネス認定もされたPS3向けオンライン配信専用タイトル『週刊トロ・ステーション』。トロとクロのシュール且つ可愛いトークや豊富な情報量、また基本無料で楽しめることもあって多くのファンに支持されています。しかしそんな『週刊トロ・ステーション』も誕生から今まで波乱万丈な歴史を辿ってきたとのこと。そんな知られざる経緯を株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント JAPAN Studio 制作部 プロデュースグループの伴哲氏が語りました。

『週刊トロ・ステーション』とは、ゲームではなくPlayStation Networkから配信される基本無料の「ニュース配信コンテンツ」。ゲーム情報を中心にエンタメ情報やアニメなど様々なトピックで構成される番組風コンテンツを毎週金曜深夜に配信しています。また自分のアバター「ニャバター」を作ってトロと一緒に遊んだり、空き地や部屋を「もようがえ」したりと仮想空間的な機能も備えています。

そもそもの始まりは今から5年前の2006年8月。PS3が発売されるまであと半年という時期に、会社から「PS3のローンチに合わせてネットワークをメインにしたコンテンツを作って欲しい」という依頼があったとのこと。そこで伴氏はこれに応える形で「PS3を毎日起動してもらうこと」「ユーザーに気軽にアイテム課金を経験してもらうこと」「PS3の新機能をいち早く取り入れること」の3つを盛り込んだコンテンツを考えたそうです。

(写真5)
そして出来上がったのが、毎日配信するニュースコンテンツと、10〜20円などの低額アイテムで手軽に課金が楽しめる「まいにちいっしょ」の形式だったとのこと。またPS3も発売されたばかりならこれから先機能も増えていくことになるので、それに合わせ定期的なアップデートを実施するようにしたそうです。コンセプトは「実験と体験」。

そして2006年11月11日に「まいにちいっしょ」の配信がスタート。最初は最小構成のリリースでスタートし、その後毎月アップデートを行い毎月数10個の仮想アイテムをリリースしていきました。

次に訪れたミッションは「PSPへの対応」。これは2008年3月のPSP版PlayStation Storeのオープンに合わせ「トロ・ステーション」を展開して欲しいというもので、「PSPでもPS3と同じトロ・ステーションが見られること」「PSPでもアイテム課金ができるようにすること」の2つが目標として掲げられました。

まず1つ目の目標については無事達成、2つ目のアイテム課金についてはまいにちいっしょ」とは違うガーデニングができる新機能「庭いじり」を実装しました。

こうして2008年10月15日にPSP向けの「まいにちいっしょポータブル」がスタート。2009年3月までに、双方合わせて約63万アカウントを獲得し、アップデート回数は30回以上、リリースした総アイテム数は1500個以上、総アイテム販売数は100万個以上、毎日配信してきた「トロ・ステーション」は約850回という記録を達成しました。

しかし2009年の3月にまた新たな転機が訪れます。もともと「まいにちいっしょ」ではPS3とPSPを使って「ネットワークの啓蒙」を行うことを目的としていましたが、会社ではこの使命は十分に達成したと判断。そこで今度は「ネットワークの成功」を目的とした第2ステージへと移行することとなりました。

そこで実際に「まいにちいっしょ」をリニューアルするにあたり、社内で議論を重ねると共にユーザーにアンケートを取ったり行動ログを分析したりと、「ユーザーの声」に耳を傾けることにしたとのこと。その結果、「まいにちいっしょ」は実験重視のアップデートを重ねた弊害で機能が増え、どうやって遊べばいいのかよく分からないといった問題が浮上しました。

そこで、当初の「まいにちいっしょ」の戦略も見直しを図り、「毎日配信」をやめ、「アイテム課金」もやめ、重点顧客を対象にし、「得意なこと、評価されていることに特化する」という「新・まいにちいっしょ」戦略を打ち出しました。「まいにちいっしょ」の頃は毎月アイテムを50〜60個もリリースすると共に新機能も追加していたそうですが、一方で「一回出したら終わり」という状態だったとのこと。しかし「新・まいにちいっしょ」では「最小の労力で最大の成果がでる仕組みを作り、それを最大の努力で運営する」ことが目標になったそうです。

こうして出来上がったのが、現在サービスされている『週刊トロ・ステーション』。伴氏によれば、「まいにちいっしょ」の中で圧倒的に利用されていたコンテンツが「トロ・ステーション」で、実際に「まいにちいっしょ」よりも「トロ・ステーション」の方が知名度が高かったとのこと。そこで名前からメインコンテンツが分かるようにタイトルも思い切って『週刊トロ・ステーション』に変更。扱うニュースももともと人気の高かったゲームやPS3の機能紹介などを中心に番組構成を行うことになったそうです。

なお、当然これまで毎日配信だったものが”毎週”になるとユーザーもコンテンツのボリュームが減ったという印象を持つことが予想され、実際社内でも賛否両論が巻き起こったとのこと。しかし統計を取ってみると、ユーザーの多くはトロ・ステーションを土日に一週間分まとめて見ていたそうで、それならばアクセスの集中する週末に配信をすることでユーザーのプレイスタイルに合わせ、且つ配信コストを効率化できるのではという結論に至ったそうです。

また『週刊トロ・ステーション』になったことで大きく変わったのはその課金スタイル。「まいにちいっしょ」では基本無料で低額のアイテムを購入してもらうアイテム課金モデルでしたが、『週刊トロ・ステーション』では毎月800円の月額課金モデルになりました。一見800円というと高いというイメージがありますが、伴氏によれば「「まいにちいっしょ」のコアユーザーの平均課金単価より安くなっている」とのこと。因みに現在の価格設定で『週刊トロ・ステーション』に必要な予算は賄えているとのこと。

こうしてリニューアルを行った結果、『週刊トロ・ステーション』はサービス開始1年で「まいにちいっしょ」の総アカウント数を大幅に超える成長を見せ、制作本数も1676本を数えるまでになりました。

なお、『週刊トロ・ステーション』のコンテンツ制作はbexide(ビサイド)が担当しており、彼らが制作したものを運営チームが毎週配信しています。また番組でゲームネタを扱う際には実際にゲームクリエイターが制作を担当するため、開発側からの視点も交えてゲームを紹介でき既存の雑誌のレビューなどと差別化ができるそうです。他の雑学系ネタに関しては専業ライターが人脈を活かしたりフィールドワークによってネタを集め、幅広いジャンルを扱っているとのこと。

さらに「トロ・ステーション」は自コンテンツだけで完結せずに積極的に他のメディアやコンテンツともコラボレーションを行っていることでも知られています。これまでにも週刊トロ・ステーションでコラボアイテムをリリースしたり、逆にトロとクロが他のゲームに登場したり、またニコニコ動画でキャラクターグッズのデザインを募集し実際に商品を作ったこともありました。

最後に伴氏は「今後も週刊トロ・ステーションのチームは過去5年間のノウハウを生かし、どんどん新しいことにチャレンジしていきたい」と豊富を語りました。また、まだタイトルなど詳細は発表できないそうですがPS Vita向けの「トロ・ステーション」の開発も進んでいるそうで、また新たなコンセプトのコンテンツが近日発表されるようです。
《籠谷千穂》

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