エキスポ会場に置かれたNGP |
本セッションではNGPのビジネス面の展開については触れられず、技術的な可能性について紹介されました。
NGPは5インチの有機EL液晶を搭載し、前面と裏面の両方がタッチパネルになっています。解像度はPSPの4倍で、高コントラスト比を実現しています。アナログ"スティック"が左右両方につきました。PSPではアナログ"パット"という平面的な入力装置だったのが、スティックとなりより3Dに適したものになっています。6軸のモーションセンサーを内蔵し、両面にカメラが付きます(60fps)。供給媒体はFlashメモリベースの2GB/4GBのゲームカードで、5〜10%の書き換え可能な保存領域を持ちます。Wi-Fiと3Gの2つのモデルが存在し、いずれも位置情報を利用できます(3Gは基地局から、Wi-FiはSkyhookというサービスで位置情報を取得)。
開発機材の話では、PSPの場合はDevKitと実行環境のPSP Commanderが分離されていたのが、NGPの場合は全てを内包するユニットで提供されるとのこと。これは位置情報やモーションセンサーを使ったゲームのデバッグやテストを効率化するためのものだとか。開発はVisual StudioのIDEを用い、Windowsでの開発となります。グラフィックとCPU/メモリのパフォーマンスチューニングツールも統合されます。数々のミドルウェアベンダーも既にNGPのサポートを表明しています。
アーキテクチャとしてはPSPがシングルコア、PS3がPPUと6つのコアの組み合わせだったのが、NGPでは4つのシンメトリカル・コアで構成されます。このうち3つをゲーム開発者が利用でき、1つはシステムに利用されます。
後半ではタッチパネル、カメラ、モーション、位置情報などを使った開発のヒントが紹介されました。また、通信を中心としたソーシャル要素も強調されました。「Near」という機能では今日自分が歩いた場所や、近くで誰が遊んでいたかといった情報を知ることができるほか、ギフトを贈り合ったり、位置情報を使ったお宝探しを一緒に遊ぶこともできるそうです。
ピポザルが飛び出すデモ |
プレイステーションの恐竜のデモが | ARで | 会場に出現 |
会場では『Little Divians』、『アンチャーテッド』の実演が行われたほか、ARを使ってピポザルや恐竜を会場に出現させるというデモが行われました。こちらの恐竜は1995年にソニーが初めてGDCでプレイステーションを公開した際に見せた映像に使われたものだそうで、15年の技術の進歩を感じさせるものでした。
「PlayStation Meeting 2011」にて公開された情報をなぞる形で、新情報は少なかったのですが、高い性能と様々な特徴を備えたデバイスの出現に、現地の開発者たちも関心を示していた様子でした。