『MADWORLD』のモチーフは欧米カートゥ―ンの過剰演出、リアル指向のバイオレンスとは一線を画す新たな刺激を追及!稲葉敦志プロデューサーインタビュー・・・「ゲームビジネス新潮流」第5回  | GameBusiness.jp

『MADWORLD』のモチーフは欧米カートゥ―ンの過剰演出、リアル指向のバイオレンスとは一線を画す新たな刺激を追及!稲葉敦志プロデューサーインタビュー・・・「ゲームビジネス新潮流」第5回 

前回は、クライマックス・アクション『BAYONETTA - ベヨネッタ』の開発経緯や作品をとりまく全体的なコンセプトについて話しが展開されましたが、今回は、2月10日に発売日を控えた、ウルトラバイオレンスアクション『MADWORLD』の開発経緯と、『無限航路 -Infinite Spac

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前回は、クライマックス・アクション『BAYONETTA - ベヨネッタ』の開発経緯や作品をとりまく全体的なコンセプトについて話しが展開されましたが、今回は、2月10日に発売日を控えた、ウルトラバイオレンスアクション『MADWORLD』の開発経緯と、『無限航路 -Infinite Spac
  • 前回は、クライマックス・アクション『BAYONETTA - ベヨネッタ』の開発経緯や作品をとりまく全体的なコンセプトについて話しが展開されましたが、今回は、2月10日に発売日を控えた、ウルトラバイオレンスアクション『MADWORLD』の開発経緯と、『無限航路 -Infinite Spac
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前回は、クライマックス・アクション『BAYONETTA - ベヨネッタ』の開発経緯や作品をとりまく全体的なコンセプトについて話しが展開されましたが、今回は、2月10日に発売日を控えた、ウルトラバイオレンスアクション『MADWORLD』の開発経緯と、『無限航路 -Infinite Space-』の欧米展開についてたっぷりと語っていただきました。

―――『MADWORLD』を欧米でリリースした際の反響はいかがでしたか?

稲葉:『MADWORLD』はもともとWiiというハードが出たときに、Wiiだからこそ面白いというものをつくりはじめたのがきっかけです。ゲーム展示会などにいったときも凄い反響を得ることが出来ました。やはり、ぱっと見のインパクトは強いわけです。アメコミスタイルのビジュアルと、強烈なバイオレンス、そして過度な演出は、私たちが予想したとおり、笑いを誘っていました。この「ノリ」も僕たちの思惑どおりでした。

■世界観やモチーフが奇抜で、刺激が強いゲームなだけに、アクションはオーソドックスなつくりに

―――ゲームデザインにおけるイノベーションという視点ではどのようなことをおこないましたか?

稲葉:実は、『MADWORLD』のゲームデザインは割とオールドスタイルのアクションになっています。Wiiコントローラを使ったときの体感自体が新しいわけですから。むしろゲーム全体のトーンとして白黒を採用する、というのは企画の初期段階から考えていました。これまでなかったモノについては、やったモノ勝ちということが出来るので、最初にやっちゃえ、というノリですね。

このような演出や世界観で新規性を出しているうえに、刺激が強いゲームでもあるので、ゲームデザインまでわけのわからないモノにしてしまうと、単なる実験作になってしまう。そこで、アクションの部分で通常のゲームと同様に遊べるということを担保にしたかったわけです。これによって普通のアクションゲーマーへの窓口を広げつつ、既存のアクションゲームでは味わえない刺激を味わえる、というのが僕たちのスタンスです。ただ、バイオレンスについてはグロくならないように努めました。「現実的にならない」というのも重要なコンセプトのひとつでしたから。

「過剰な演出」については、他のバイオレンスアクションというよりはむしろ海外のカートウ―ンの演出に近いですね。最近は、リアルなバイオレンスが欧米のゲームを中心にトレンドになっていますが、あのような方向性に進もうとしている作品ではありません。またこの作品は暴力賛歌的な作品にもなっていません。メッセージとしても暴力を肯定していませんし。主人公キャラクターは暴力を行使しなければならない状況におかれ、主人公自身も楽しんでデスゲームに及んでいるわけではないのです。この点はきっちりとゲームの中に取り入れたつもりです。

―――これからいよいよ日本市場に上陸を果たすわけですが、欧米版と比較して日本市場に合わせて調整などおこなっているんでしょうか?

稲葉:多少設定をいじったりはしていますが、描写表現は何も変更はしていません。重要なのは、遊ぶ側もメディア側もしっかりと責任を持ってこの作品を扱っていただくということかなと思っています。『MADWORLD』は、「本当の意味での大人向け」です。年齢だけの問題ではなく−これはどんなゲームでもそうですが−現実と虚構の世界の区別がつかない人はそもそもゲームを触るべきじゃないと思います。ゲームはもともと現実で味わえないことを体感出来るから楽しいわけです。往年のシューティングゲームも飛行機を操縦して敵機を撃ち落とすなんてことが、現実では出来ないから楽しいわけで...従って、ゲームはゲームとしてキッチリと切り分けることが出来る人にプレイしてもらいたいと思っています。ここが成立しないと、大人向けのゲームというのは成立し得ないですから。

―――『無限航路-Infinite Space』(以下、『無限航路』も欧米での発売が決定しましたね

稲葉:『無限航路』は『MADWORLD』とは正反対のコンセプトでゲームが作られました。グローバルマーケットというよりは日本を中心に作られた作品です。ストーリー中心のゲームだからこそ面白いモノが作れるのではないかというところから開発されたので。一般的にストーリー中心のモノというのはマーケットがどうしてもセグメント化されてしまうので、本作でも海外でのリリースは期待しないということを前提に考えました。ただ、ゲーム性において新規性があるということと、戦艦をマニアックにカスタマイズ出来るということもあるので、そのようなことが好きなコアなユーザーは世界中に存在します。そこで今回の決定は、海外のコアなRPGファンには受け入れられるであろうという発想のもと、下されました。ゲームやストーリーとしての完成度は非常に高くしたので、その点でも自信はあります。

―――海外のメディアであるRPGFan.comでも92%という高評価でしたね!

稲葉:おそらくDSであの程度の規模のゲームが出してくるメーカーは今後無いかもしれません。いろいろな意味で。ただ既に評価をいただいているということに関しては素直に驚いています。以前関わったプロジェクトでも同様の事がありましたが、日本語版のRPGを海外のひとがプレイするということ自体が凄いことですよね。僕たちが英語のソフトを遊ぶのとはちょっと違うと思うんです。漢字混じりのソフトを遊ぶわけですから。

―――では、これからの展望に関して、ひとことよろしくお願いします。

稲葉:プラチナゲームズは、次、何をしてくるか分からないというハラハラ感を常に感じてほしいと思います。「『ベヨネッタ』を出してきたと思ったら、次はこれで来るんだ!」という感じでゲーマーの予想を裏切り続けていく存在でありたいと思っています。ゲーマーの皆さんは、これからもものすごく期待していてください!

*  *  *  *

今回のインタビューで改めて実感したのは、常にファンの視線を意識しながら、その期待を超えていこうとするデベロッパーの熱い思いです。昨今はゲームビジネスにとっても非常に厳しい経済状況ですが、このような志がゲームにおいて次の世代に向けたイノベーションのブレークスルーを生み出す原動力になるのかもしれません。そのような視点からも、これからのプラチナゲームズの動向に目が離せません。
《中村彰憲》

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