
インディーゲーム『パドルパドルパドる(Paddle Paddle Paddle)』の開発者・Zoroarts氏が7月6日、Xに投稿したSteamの返金システムを巡る現状と、Valveに返金ポリシーの見直しを求めたことに対し、インディーゲーム界隈インフルエンサーのIndie Game Joe氏は「Steamの2時間返金ポリシーは消費者と開発者を守っている」と発言しました。
返金率21%に開発者「こんなことはあってはならない」
Steamで購入したゲームの返金は、「Steamストアでの購入から2週間以内で、使用時間が2時間未満のゲームであれば、理由は問わずValveは返金を行う」というもので、特定の条件下であれば返金ルールの範囲外であっても、担当者がリクエストの内容を確認。承認されれば、1週間以内に返金というシステムです。
Zoroarts氏は、『パドルパドルパドる』がSteamレビューの90%で「非常に好評」であるにもかかわらず、返金率は21%にも達し、これまでに55,000件以上の返金が発生していることを問題視しています。
ユーザーの一部はエンディングまで到達したあと返金を申請。返金手続きの理由として「2時間以内にクリアして返金した」と公然と自慢するユーザーがいることに触れ、「こんなことはあってはならない」と返金ポリシーの改善や、Zoroarts氏の考える解決策の一案などをXに投稿しています。
「制度ではなく悪用するユーザーが問題」返金制度は無名インディー作品の追い風にも
これに対し、本業はゲームのマーケティングコンサルタントでインディーゲーム界隈インフルエンサーのIndie Game Joe氏が「ムカつくのは分かる、だがSteamの返金システムが壊れているわけではない」と引用でコメントしました。
Joe氏は「“GREAT GAME 1時間40分でクリア(返金済み)”というレビューを書かれると、めっちゃイラつくよね。完全にその気持ちは分かる」とZoroarts氏の不満を汲み取り、(リプレイ性を高めた)1ゲームが短い作品や、セール中のタイトルには高い返金率が見られると認めつつ、「でも問題は、システムを悪用する悪質ユーザーどもであって、Steamポリシーそのものではないよ」とも述べています。
21%という返金率に対しては、Steamの平均返金率は10%前後だそうで、全く問題のない健全なタイトルの多くが12~20%の範囲に収まっているとしており、そこまで大きな数字ではないようです。
また、ゲームが自分向けかどうか確信が持てなかった人や、自分のPCでちゃんと動くかどうか不安だった人たちが、それでも購入ボタンを押すユーザーがいるのは、この「返金システム」が存在するからであり、また多くのユーザーが結局はゲームを返金せずライブラリに持ち続けているとするJoe氏。さらに、「もし本システムによるリスク低減がなくなれば、“勝者”は大手パブリッシャーとなるでしょう。なぜならゲーム購入の是非は信頼が求められ、一般ユーザーはすでに知っている名前のパブリッシャーや開発元に流れていくからです」としています。
自らも小規模なゲームを開発・販売した経験を持つJoe氏は、返金率の数字が上がっていくのを見るのはかなり辛い、それは否定しないとした上で「悪質ユーザーがタダ飯を食えるようにするこのシステムが同時に、見知らぬ人々が全くの無名の小さなゲームに賭けてみるチャンスを与えてくれるシステムでもある」「Steamの返金制度はインディーの敵じゃない、むしろインディーが存在し続けられる大きな理由の1つだし、守る価値がある」と、繰り返し本システムがインディー開発者にもたらすメリットを強調しています。

Zoroarts氏もこの長文投稿に反応。「とても素晴らしい指摘で、自分の考え方を改めて考えさせられました。Joe、共有してくれてありがとう!」と好意的な姿勢を見せています。
『パドルパドルパドる』は、PC(Steam)にて配信中。同じデベロッパーの新作『カアァぁー!(CAAHR!)』もPC向けに2026年配信に向けて開発中です。










