生成AIに対する様々な議論が収まらぬ昨今、生成AIを使用していないのにもかかわらず、「生成AI疑惑」を受けてしまうゲームも登場しています。インディーARPG『Shrine's Legacy』を手掛けるPositive Concept Gamesは、突然にユーザーから受けた生成AI疑惑について、反論を行いました。
「生成AIを使用した」と認定するのはやめてほしい
『Shrine's Legacy』はスーパーファミコン時代の名作にインスパイアされたアクションRPGです。Game*Sparkでも、本作の配信時にニュース記事として取り上げています。
そんな『Shrine's Legacy』のSteamユーザーレビューにて、本作を「AIスロップ」(生成AIで作られた低品質なメディアやコンテンツ)だと認定したユーザーが登場しました。さらに、そのユーザーはレビューで「このゲームは100%生成AIを使用した」とも書いています。記事執筆時点で本作のSteamユーザーレビューは、105件中83%がおすすめする「非常に好評」です。ほかにも生成AI疑惑についてコメントしているユーザーはいますが、少数派の意見になっています。
突然の「生成AI疑惑」に開発者は
制作者がユーザーの低評価レビューにSNSで言及する行為については別の議論がありますが、本作の制作者はXにおける反論ポストにて、本作では「脚本からコーディングまであらゆる作業が人間の手によって行われたこと」を伝えています。
なお、Steamのストアページには、「AI生成コンテンツの開示」という項目があります(Steam公式の説明)。生成AIを使用して制作されたゲームは、この項目にどのような部分で生成AIが使用されたのか書かなければなりません。本作のストアページでは「AI生成コンテンツの開示」の項目がなく、少なくとも申告上では生成AIが使用されていないことがわかります。また、本作の制作者はXのポストで「生成AIだと認定すること」はやめてほしいと主張しています。
実際には生成AIではないのに、「生成AIを使って作られた」とSNSのユーザーから認定されることは国内でもあります。例えば、美少女ゲームメーカー・オーガストの学園RPG『あいりすミスティリア!~少女のつむぐ夢の秘跡~』のハロウィンイラストがSNSユーザーから「生成AIではないか」と疑惑を掛けられたことがありました。このときは実際にはイラストに生成AIは使用されておらず、メーカーの公式Xにて「生成AIによるイラストではございません」と主張する事態になりました。このように、生成AIに対する嫌悪感をもとにしたトラブルは国内外を問わずに発生しているようです。










