TGAに「モーションキャプチャ部門」の新設を。『Expedition 33』キャストらが提言、裏方への光を求める | GameBusiness.jp

TGAに「モーションキャプチャ部門」の新設を。『Expedition 33』キャストらが提言、裏方への光を求める

発言者は『BG3』パフォーマンスディレクター経験者。演技と技術の両立を知る立場から提言。

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「The Game Awards 2025(以下、TGA2025)」で史上最多ノミネートを記録したRPG『Clair Obscur: Expedition 33(エクスペディション33)』のキャスト陣が、同アワードに対して新たな部門の設立を提案しています。VGCのインタビューにおいて、出演者らはモーションキャプチャ俳優を称えるカテゴリーの必要性を訴えました。

「素晴らしいパフォーマンスが消えてしまっている」

インタビューの中で、本作に出演するAliona Baranova氏は、「モーションキャプチャ部門を設立する必要がある」と発言。

Baranova氏は、『Baldur's Gate 3』でパフォーマンスディレクターを務めた経歴の持ち主です。同作では全248名の声優が自身のモーションキャプチャも担当し、声と動きを組み合わせることでキャラクターに命を吹き込んだことが話題となりました。



こうした現場での経験を持つ同氏は、「素晴らしいパフォーマンスが行われているのに、注目されていないため観客はそれを知らない」と現状を指摘。

「何十年もの間、俳優がモーションキャプチャを行い、その上に別の声優の声が当てられることが行われてきたが、モーキャプ担当者は忘れ去られてしまう」と述べ、専用の賞があればスタジオも舞台裏を公開しやすくなり、その功績が正しく評価されるはずだと語っています。

『BG3』の裏話も披露、技術的な制約と演技の両立

Baranova氏はインタビューの中で、『Baldur's Gate 3』での苦労話も披露。同作では、「すべてのセリフの後に、必ず決まった『ベースポーズ』に戻らなければならない」という技術的な制約があったとのこと。

感情のこもった演技をした直後に、不自然にならないようにスムーズにベースポーズに戻ることは俳優にとって非常に難しく、少しでもズレるとテイクが使えなくなるという厳しい環境だったそうです。

こうした技術的な制約の中で自然な演技を引き出すことの難しさを知る同氏だからこそ、モーションキャプチャ俳優への評価を強く求めていると言えるでしょう。


近年のハイエンドな3Dゲームにおいて、キャラクターの動きや表情といったモーションキャプチャの技術は、声の演技と並んで没入感を生み出すための極めて重要な要素となっています。

それらを支える演者たちにスポットライトが当たることは、ゲーム制作の奥深さを知るきっかけにもなり、業界全体にとっても意義のあることだと言えるかもしれません。


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《失野@Game*Spark》

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