ゲーム内通貨やレアなアイテムを現金で取引する「RMT行為」は、多くのゲームタイトルで禁止されていますが、詐欺やトラブルの温床となるだけでなく、犯罪集団の資金洗浄にも使用されていると日本経済新聞が報じています。
利用者側も罪に問われるおそれがある「RMT」や「課金代行」…セガ・スクエニからの注意喚起も
日本経済新聞によると、RMTが確認され始めたのは、オンラインゲームの普及にともなう2000年代。
時間をかけずに“やりこんだ”アカウントデータを入手できたり、強力なアイテムや今では入手できない限定のアイテムが手に入ったりと、さまざまなやりとりが行われているほか、RMTを仲介するサイトもみられます。
またRMTの一種として、サイバー攻撃などなんらかの手段によってゲーム内通貨やアイテムを不正に入手し、それを本来よりも割安の価格で販売する「課金代行」サービスも近年では問題に。警視庁では2025年7月までに、20代から60代までの課金代行利用者12人を「電子計算機使用詐欺」の疑いで検挙したと報じられています。
セガおよびスクウェア・エニックスのオンラインゲームがRMTの被害に遭っており、課金代行ユーザーの購入価格は正規の値段のわずか数%というケースもみられます。また、本件による被害総額は3000万円にものぼります。
こうした事件ではRMTサイトの運営だけでなく、ユーザー側も罪に問われる大きなリスクがあります。セガやスクウェア・エニックスはRMT行為に対して、第三者へのアカウント譲渡や付与を禁止しているほか、ハッキング、法令に反する行為やそれを助長する行為などを利用規約で禁じており、注意喚起もしています。
不正な取引は犯罪組織の資金洗浄手段にも……
また、こういったRMT行為は犯罪組織の資金洗浄の手段として使用されているという指摘もあります。
神奈川県警が2024年に逮捕した、RMT仲介サイトを運営する中国籍の男女3人組は他人名義のカード情報で購入したアイテムをサイトで転売し、約8億円の売上をもとに日本限定のアイドルグッズを購入。中国の顧客向けに転売することで、現金を得る資金洗浄を行っていたことが明らかになっています。
実際、筆者がよくプレイする『ファイナルファンタジーXIV』でもRMTに関する話題はたびたび問題となります。プレイヤーが行き交う街ではRMT業者による宣伝のチャットが行われていることもありますし、ゲーム内の通貨やハウジングだけでなく、高難度コンテンツの“クリア代行”といったものも仲介サイトではみられます。
重ねてになりますが、第三者へのアカウント譲渡は多くのタイトルの規約で禁止されています。また、RMT行為はユーザー側も摘発されるおそれがあり、思わぬ犯罪に巻き込まれないためにも、IDやパスワードを他人に教えることや、正規の方法以外での課金は控えるように注意が必要です。
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