セガサミーホールディングスが11月7日に発表した2026年3月期 第2四半期(2025年4月1日~9月30日)の連結決算は、エンタテインメントコンテンツ事業の不振が響き、大幅な減益となりました。
当第2四半期累計期間の業績は、売上高が2,011億800万円(前年同期比5.0%減)、営業利益が100億6,400万円(同69.3%減)、経常利益が108億2,100万円(同67.3%減)、そして親会社株主に帰属する中間純利益は27億5,400万円(同90.9%減)でした。
減収減益の主な要因として、主力であるエンタテインメントコンテンツ事業において、フルゲームの販売本数が想定を下回ったことや、前期に買収したRovio Entertainmentの業績が計画未達であったことが挙げられます。また、遊技機事業における販売スケジュールの変更や、ゲーミング事業におけるM&Aに伴う一時的な費用の発生も利益を圧迫しました。
セグメント別業績:遊技機は販売スケジュール変更が影響
セグメント別の状況を見ると、まずエンタテインメントコンテンツ事業は売上高1,488億8,500万円、営業利益159億円でした。
コンシューマ分野では9月に発売された『ソニックレーシング クロスワールド』をはじめとする新作を投入したものの、フルゲームの販売が新作・リピートともに想定を下回りました。また、グループ傘下となったRovioの業績も計画に届かず、セグメント全体の利益を押し下げる要因となりました。
一方で、F2P(基本プレイ無料)タイトルは想定通りに推移したほか、好調なライセンス収入やサブスクリプションサービス、ダウンロードコンテンツ(DLC)の販売が業績を下支えしています。映像分野においても、劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」や「ソニック」シリーズの映画関連の配分収入が貢献しました。
遊技機事業の売上高は418億9,700万円、営業利益は30億円となりました。パチスロ機の型式試験における適合取得の状況により、一部タイトルの販売スケジュールを後ろ倒しした影響で、前年同期比では大幅な減収減益となっています。しかし、当第2四半期に販売したパチスロ『スマスロ 東京リベンジャーズ』およびパチンコ『e東京リベンジャーズ』は、いずれも想定を上回る好調な販売実績を記録しました。
ゲーミング事業は、売上高85億6,100万円、30億万円の営業損失を計上しました。北米市場向けのビデオスロット「Railroad RICHES」シリーズなどのゲーミング機器販売が好調に推移したほか、韓国の統合型リゾート「パラダイスシティ」も日本人VIP客を中心にカジノ売上が堅調で、既存事業は好調です。
その一方で、当期に買収を完了したStakelogicおよびGANの業績の取り込みを開始したことに伴い、のれん償却費や事業再編に関連する費用を計上したため、セグメント全体としては営業損失となりました。
今後の見通し:下期に主力IPの大型タイトルを集中投入、通期予想は据え置き
セガサミーは、2026年3月期通期の連結業績予想について、売上高4,750億0,000万円(前期比10.7%増)、営業利益530億0,000万円(同10.1%増)とする期初計画を据え置いています。下期に向けて各事業で主力タイトルの投入を本格化させ、上期の遅れを挽回する計画です。
エンタテインメントコンテンツ事業では、下期に『Football Manager 26』(2025年11月5日発売)や、『龍が如く 極3 / 龍が如く3外伝 Dark Ties』(2026年2月12日発売)といった大型フルゲームの発売を予定しています。さらにF2Pタイトルとして『ソニックランブル』を投入するなど、主力IPを活用した新作で攻勢をかけます。年末のホリデーシーズン商戦での販売強化や、Rovioの運営体制の強化による収益性改善も急ぐとしています。
上期の苦戦から一転し、下期に主力IPの大型タイトルを集中させることで、通期計画の達成を目指すセガサミー。特にコンシューマ分野での巻き返しが、目標達成の鍵を握ることになりそうです。






