脱中国事業依存を進めるイオンファンタジーに注目―10月に決算を発表するゲーム関連企業一覧【決算発表スケジュール】 | GameBusiness.jp

脱中国事業依存を進めるイオンファンタジーに注目―10月に決算を発表するゲーム関連企業一覧【決算発表スケジュール】

10月は『ジャンプ+ジャンブルラッシュ』の開発・運営を手がけるワンダープラネットが通期決算、イオン系のゲームセンター運営のイオンファンタジーが上期の決算を発表します。本稿では、注目の企業をピックアップするとともに、決算発表を予定する企業を一覧で紹介します。

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脱中国事業依存を進めるイオンファンタジーに注目―10月に決算を発表するゲーム関連企業一覧【決算発表スケジュール】
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2025年

10月は『ジャンプ+ジャンブルラッシュ』の開発・運営を手がけるワンダープラネットが通期決算、イオン系のゲームセンター運営イオンファンタジーが上期の決算を発表します。

本稿では、注目の企業をピックアップするとともに、決算発表を予定する企業を一覧で紹介します。

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イオンファンタジーの中国事業は30億円から6億円の赤字まで縮小する見通し

10月14日はイオンファンタジーが上期の決算を発表します。

イオンファンタジーはかつて中国に活路を求めていました。2019年2月末の中国の店舗数は217。海外売上全体の6割以上を占めていました。しかし、コロナ禍で客足が急速に萎んだうえ、その後の景気の冷え込みで十分に回復せず、不採算店舗の閉鎖を進めています。2025年5月末時点の中国の店舗数は135となりました。

2025年7月11日に特別損失計上を発表し、中国の連結子会社の業績低下を受けて合計で7億円を超える特別損失を計上。連結決算においては消去されるため、業績への直接的な影響はないものの、中国事業の整理がまだ不十分であることが明らかになりました。

一方で、マレーシアとフィリピン、タイを主軸とするアセアン事業は好調。力強い成長力を見せています。つまり、中国事業の整理が済んで黒字化が実現すると、収益構造の転換が進んで好業績に拍車がかかる可能性が高いのです。

通期の売上高は前期比5.7%増の922億円、営業利益は同68.0%増の73億円を予想。中国事業の赤字はどの程度圧縮されているのか。通期計画に対する上期の進捗率はどの程度なのか。この2点が注目のポイントとなるでしょう。

ワンダープラネットは『パンドランド』不調でハイブリッドカジュアル路線見直しへ

10月14日はワンダープラネットの通期決算発表。

2025年4月にリリースしたカジュアルアドベンチャーRPG『パンドランド』が想定を下回り、今期の売上は横ばい。2025年8月期第3四半期累計期間(2024年9月1日~2025年5月31日)の売上高は前期比0.2%増の16億4,200万円、1億7,400万円の営業損失(前年同期間は4,700万円の営業利益)を出しました。

『パンドランド』はグローバル展開を進めたために打撃が大きく、広告費負担が重かったこともあって営業赤字となっています。足元では広告費を見直して収益改善に努めています。第3四半期の決算発表において、通期の黒字化については明言を避けました。

ワンダープラネットは、開発費が10億円前後のミドルタイトルとパイパーカジュアルゲームの中間にある市場「ハイブリッドカジュアル」に注力するという戦略を掲げていました。その中核にあったタイトルが『パンドランド』でしたが、想定する売上に届きませんでした。

戦略の見直しを迫られ、有力な他社IPのゲーム開発へと舵を切っています。2025年9月にリリースしたバンダイナムコエンターテインメントの『ジャンプ+ジャンブルラッシュ』の開発を担当しました。2026年8月期の経営戦略に注目です。

家庭用ゲーム機向けの売上が1.8倍に増えたトーセ

10月9日は受託開発大手のトーセが本決算を発表します。

トーセは不採算案件の発生やプロジェクトの中止に見舞われた2024年8月期の反動と、ゲーム事業の受注が好調で2025年8月期の業績は堅調。第3四半期累計期間(2024年9月1日~2025年5月31日)の売上高は前年同期間の1.5倍となる48億6,300万円、5億700万円の営業利益(前年同期間は5億9,900万円の営業損失)を出しています。

トーセは2024年8月期の不採算案件発生を受け、開発工程の進捗評価を見直しました。これによって見通しの確度が高まっており、7月10日に通期業績の上方修正を発表しています。

ゲーム事業の増収に寄与しているのが家庭用ゲーム機・PC関連で、第3四半期累計期間の売上高は前年同期間の1.8倍の33億6,800万円に跳ね上がりました。一方、スマートフォン関連は4.3%の減収。現在のゲーム業界の状況をよく表しています。

2026年8月期からはニンテンドースイッチ2の案件が増えるはずで、業績改善に向けた動きが強まる可能性があります。2026年8月期の通期計画がどのような内容なのか。ここが決算発表の一番のポイントとなるのではないでしょうか。

証券コード

会社名

決算発表日

種別

決算期末

4728

トーセ

10/9

本決算

8/31

3907

シリコンスタジオ

10/9

第3四半期

11/30

4763

クリーク・アンド・リバー社

10/9

第2四半期

2/28

3815

メディア工房

10/10

本決算

8/31

3760

ケイブ

10/10

第1四半期

5/31

4829

日本エンタープライズ

10/10

第1四半期

5/31

3697

SHIFT

10/14

本決算

8/31

4199

ワンダープラネット

10/14

本決算

8/31

4343

イオンファンタジー

10/14

第2四半期

2/28

9278

ブックオフグループホールディングス

10/14

第1四半期

5/31

7035

and factory

10/15

本決算

8/31

7610

テイツー

10/15

第2四半期

2/28

3935

エディア

10/15

第2四半期

2/28

6047

Gunosy

10/15

第1四半期

5/31

6552

GameWith

10/15

第1四半期

5/31

3810

サイバーステップ

10/15

第1四半期

5/31

8783

abc

未定_Undecided

本決算

8/31

《不破聡》

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