
Blizzard Entertainmentは、同社が開発するMMORPG『World of Warcraft』のプライベートサーバー「Turtle WoW」を運営する団体に対して、著作権および商標権の侵害を理由に訴訟を起こしました。
非公式プライベートサーバーをBlizzardが訴訟
Turtle WoWは、『World of Warcraft』の初期バージョンに新規種族やクエストなどのオリジナルコンテンツを追加したプライベートサーバーです。2018年から基本プレイ無料の形態で運営を開始し、開発チームへの寄付を受け付けていました。

Blizzardは、Turtle WoWの運営団体は同社の知的財産を大規模かつ甚だしい形で継続的に侵害して事業を成り立たせてきたと主張しています。改造クライアントで接続できる無許可のプライベートサーバーについて、セキュリティリスクの増大やコミュニティの分断を引き起こし、公式にサポートされたバージョンについて混乱を招くと説明しました。
また、プレイヤーがTurtle WoWのような違法なサーバーでネガティブな体験をした場合は、ブランドイメージが低下し収益に多大な損失をもたらす旨も報告。Blizzardが多大な時間と費用をかけて作り上げたゲーム体験に対して対価を支払わずに済むようにすることで、著作権侵害を容易にして助長していると主張し、Turtle WoWの閉鎖と損害賠償を求めました。
プライベートサーバーに断固とした態度を見せるBlizzard
Blizzardは過去にも『World of Warcraft』のプライベートサーバーの閉鎖を要求したことがあり、同作の初期仕様を再現した「Nostalrius」が2016年に閉鎖された際にも、知的財産権を保護するためと説明していました。
Turtle WoWの運営団体はBlizzardからの訴訟について、「Turtle WoWはこれからも存在し続ける」とDiscordでコメント。幾度となく直面する困難に立ち向かう覚悟はできていると述べ、プライベートサーバーに対して毅然とした態度を崩さないBlizzardへ対抗する姿勢を見せています。