業績軟調のアエリアはヒットシリーズへの経営資源の集中が必要に【ゲーム企業の決算を読む】 | GameBusiness.jp

業績軟調のアエリアはヒットシリーズへの経営資源の集中が必要に【ゲーム企業の決算を読む】

イケメンシリーズや『蒼焔の艦隊』などを手掛けるアエリアの業績が冴えません。

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イケメンシリーズや『蒼焔の艦隊』を手掛けるアエリアの業績が冴えません。

2022年12月期の売上高は前期比4.4%減の205億8,700万円、営業利益は同0.5%減の8億3,500万円でした。4期連続の減収。2023年12月期の売上高は210億円と、2.0%の微増を見込んでいます。

アエリアの売上高のおよそ半分はゲーム事業が占めています。ゲーム事業を支えているのが、イケメンシリーズを手掛ける子会社サイバードと、『蒼焔の艦隊』のリベル・エンタテインメントの2社。ゲーム事業の売上高の9割はこの2社が占めています。

アエリアはゲーム事業においてメタバースやNFTなどブロックチェーン領域への投資を加速していますが、主力事業を支えるヒットシリーズに経営資源を集中するタイミングが訪れているように見えます。

のれんの償却負担が重かったアエリア

アエリアはM&Aで成長してきた会社です。リベル・エンタテインメントは2015年6月に、サイバードは2018年6月に完全子会社化しました。アエリアはリベル・エンタテインメントの『A3!』(2017年1月リリース)と『蒼焔の艦隊』(2017年9月リリース)の2本が大ヒットを飛ばし、更にサイバードの業績が寄与した、2018年12月期の売上高が前年同期の2倍となる314億7,100万円まで跳ね上がりました。

決算短信より

期首に2019年12月期の売上高を前年同期比1.7%増の320億円と予想していましたが、リベル・エンタテインメントの『アイ★チュウ ÉtoileStage』が想定よりも振るわずに減収となりました。会社全体とゲーム事業の売上推移はほぼ同じ動きをしており、ゲーム事業も2019年12月期以降、減収が続いています。

決算説明資料より

ゲーム事業の営業利益率は、『A3!』と『蒼焔の艦隊』という2つのヒット作を世に送り出した2019年12月期でさえ10.4%でした。実はM&Aを重ねて成長してきたアエリアはのれんの償却負担が重く、利益率が低いという最大の弱点がありました。ヒット作を生み出したゲーム会社の営業利益率は15~20%程度まで高まるのが普通です。

アエリアは2020年12月期に、のれんを含む固定資産42億1,100万円の減損損失を計上しています。これにより、2019年12月末時点で44億2,600万円あったのれん額は9億3,200万円まで圧縮されました。のれんの償却額は6億7,700万円から3億9,800万円まで縮小しています。

しかし、ゲーム事業は減収が続いており、利益率が高まることはありませんでした。2022年12月期のゲーム事業の営業利益率は3.5%まで低下しています。


《不破聡》

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