『BLUE PROTOCOL』開発者インタビュー!目指すのは「アニメの中に入り込む体験」と「コミュニケーションが生まれる楽しさ」 | GameBusiness.jp

『BLUE PROTOCOL』開発者インタビュー!目指すのは「アニメの中に入り込む体験」と「コミュニケーションが生まれる楽しさ」

好評のうちにアルファテストを終えた『BLUE PROTOCOL』はここからどうなる!?開発者達はどんな想いで製作に当たっているのでしょうか。テスト運営やアンケートに対する感触、目指す方向性など、これまで見えてこなかった部分を語って頂きました。

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2019年7月26日から7月28日までの3日間、オンラインアクションRPG『BLUE PROTOCOL』のクローズドアルファテストが実施されました。

『BLUE PROTOCOL』はバンダイナムコオンラインとバンダイナムコスタジオが開発を進めている、「操作できる劇場アニメ級グラフィック」というコンセプトのオンラインアクションRPGです。

テスト開催の発表時、その参加枠は5,000名までに予定されていたものの、応募期間の初日に規定数を越えたことから10,000名まで増枠され、大きな注目を集めていました。その中でも、スムーズに完了したアルファテストは概ね高い評価を得られたようです。

公式サイト等でもほとんど情報が公開されていない『BLUE PROTOCOL』ですが、編集部はその開発陣にインタビューを行う機会を頂きました。また、アルファテスト終了後に実施されたアンケートのレポートも公開されていますので、合わせてご覧ください。


――まずは自己紹介をお願いします。

統括プロデューサー:下岡 聡吉 氏

下岡氏:「PROJECT SKY BLUE」の発起人であり、統括プロデューサーを務めております、バンダイナムコオンラインの下岡です。「PROJECT SKY BLUE」は当初、ひとつの開発コードネームだったのですが、チームが大きくなるにつれ正式にプロジェクトとなりました。

バンダイナムコオンラインは設立から10年程ですが、10年前といえばPCオンラインゲームが盛り上がりを見せ始めた時代だと感じています。その頃から社内でもオンラインRPGへ挑戦すべきだとの構想があり、ようやくここにきてバンダイナムコスタジオと協力しつつ実現が見えてきました。

「PROJECT SKY BLUE」は新規IP創出を目標に掲げ、主力コンテンツをオンラインアクションRPGである『BLUE PROTOCOL』としていますが、その他にも派生コンテンツを作っていこう、というプロジェクトになります。

運営統括ディレクター兼プロデューサー:鈴木 貴宏 氏

鈴木氏:運営統括ディレクター兼プロデューサーを担当している、バンダイナムコオンラインの鈴木です。

これまでMMO・MOなどの大型PCオンラインゲームの運営経験があります。『BLUE PROTOCOL』ではお客様へのお知らせや、運営上必要な機能や仕様の企画やマネタイズなどを担当しています。

開発統括ディレクター:福﨑 恵介 氏

福﨑氏:バンダイナムコスタジオの福﨑です。開発統括ディレクターとして、ゲーム全体の中身に関わる部分を管轄しています。『BLUE PROTOCOL』は規模が大きいので、いくつかに分かれた複数のディレクターを配置した構成を取っており、私はその統括を務めています。

ゲームで生まれるコミュニケーションを大事にしたい



──編集部でもアルファテストに参加させて頂きました。ひとりのプレイヤーとして純粋に「この時代に思ったより王道なネットゲームを出してきたな」と感じています。敢えて今、なぜこうしたタイトルに挑まれたのでしょうか?

下岡氏:きっかけとして、実は5年ほど前から『BLUE PROTOCOL』の話は存在していました。バンダイナムコオンラインは、オンラインゲームを扱う会社ですが、人の集まるRPGなどの経験がないのは課題だと思っていたのです。しかしながら勝機がうまく見つからず、話のまとまるタイミングがやってこなかったという実態があります。

当初から、日本のオンラインゲームは輸出面でも成功すべきだという印象を持っています。新規IPで勝負しようと考えた時には当然、大規模な開発も必要になることから、これを実現できるところがそもそも国内には少ないだろうと考えていました。その意味で、このジャンルはブルーオーシャンだと呼べる部分もあるのではないか、と想像したところが開始点になっています。

さらに、海外の作品を見てみると中途半端な開発体制では勝負にすらならないので、余計に「手を出せる国内企業」は少ないだろうと思います。「手を出せるところ」が少ないのならば、逆説的にリスクは少ないと捉えて開発をスタートしました。

──その頃からMMORPGに挑もうと考えていたのでしょうか?

下岡氏:はじめのうちは、ざっくりと「RPGをやろう」という程度の想定でした。実施したアルファテストのような方針に決まるまでは本当にいろいろな経緯がありました。それこそ、PvPにしてみたり、がっつりコマンドバトル的な作りだったり。その中で、バンダイナムコスタジオからの意見も取り入れながら、ようやく自分たちのすべきものが固まってきたというところです。

先ほどMMORPGと言われましたが、MOかMMOかといった疑問に対しては、規定をしていないです。私達が達成したいこととしては、様々なコンテンツを遊ぶ中で、同じ目的を持ったプレイヤー……それはダンジョンの周回かもしれないし、きれいな星空を見に行くことかもしれません……そうしたプレイヤーが集まって楽しめるようなゲームであって、MMOやMOとジャンルを区切るものではないからです。

個人的な話をすれば、私はそもそもがオンラインRPGにかなり影響されて育ってきた人間で、今まで最も時間を費やしたゲームは『ファイナルファンタジーXI』でした。開発スタッフの中にも影響されたゲームは異なれどそのような体験を持つメンバーが数多くいます。

その体験の中にある「楽しかった思い出」をなんとかゲーム化したいという想いがありますね。『FF11』ではリンクシェル(いわゆるMMORPGにおけるギルド的なコミュニケーションツール)を持っていましたが、その時のメンバー同士が本当に結婚してしまうなど、思い出はゲームの内外に渡っています。

『BLUE PROTOCOL』では、ただコンテンツを次々こなしていくだけではなく、仲間達ときれいな景色を見に行ったり、新たな地域にみんなで挑んだり、オンラインゲームだからこその楽しかった思い出……そうしたニュアンスを詰め込んでいきたいと思っています。

現実では努力がそのまま結果に反映されないこともありますが、ゲームはしっかりと反映されます。数値的な意味でもそうですが、結果が分かりやすいからこそ、新たなプレイヤー同士の繋がりにも現れるように感じています。ゲームで遊ぶことで生まれるコミュニケーションの楽しさを大事にしたいと考えているのです。

アルファテストは開発を次へ進める為に必要だった



――アルファテストを実施した最も大きな意図とは?

下岡氏:アルファテストを実施するかどうか、その是非はかなり論争になりました。なぜテストを行ったのかと言えば、開発/運営を進めていく上でどうしても見なければならない部分が出てきた為です。サーバーの強さや費用といった数値的なことですね。

なので、ゲーム性をプレイヤーの皆様に先出しで伝えるといった意図はむしろ強くない。その意味でも、皆様から頂いたアンケートも含めて、今後進められる開発によって、アルファテストからは、プレイヤーの皆様がCATから受けている姿とはかなり変わっていくだろうと思います。

――そうは言っても、アルファテストとだけ聞けば、今回のテストは高い完成度だったという印象があります。

下岡氏:『BLUE PROTOCOL』の特徴をまとめれば……「最高峰のセル・ルックビジュアルで創造されたアニメの世界を、仲間と旅できるアドリブ型のパーティ・アクションRPG」といった形でパートナーさんなどに説明させて頂いています。

アニメの中に入って遊べる!というコンセプトはかなりはじめの段階で決めました。本コンテンツのアートディレクターの奥村(※)と話をしている時に……「アニメ」として勝負する場合、どういう方向にしていくべきだろうかと。

※奥村 大悟 氏:バンダイナムコスタジオ所属のイラストレーター。『テイルズ オブ』シリーズに関わるイラストレーターとして知られる。

アニメと言っても、例えばPixarのような表現や、かなりフォトリアルなものなどそれぞれ特徴があります。バンダイナムコが「国産」としてやるならば、「日本アニメ」だと一目でわからなければ、輸出で勝負するも何もないだろうと考えた訳です。

この話をしていたころのE3で「ゼルダ」(『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』)のトレイラーが出てきました。世界が熱狂するところを目の当たりにし、これが世界標準なのかと痛感し、PCで出すならば目標を高く設定しなければならないと思ったものです。

「その時にしか起こらないこと」を求めて



――今後「変わっていくだろう」という部分について、具体的には?

下岡氏:アニメとは別の『BLUE PROTOCOL』のもうひとつの特徴である、アドリブ型のパーティアクションという点が、アルファテストから変わっていくところだと思います。

アンケートへのレポートの中でもご案内をさせて頂きましたが、ゲーム性のコンセプトとして「パーティVSパーティ」を掲げています。とはいえ、これはあくまでもPvEとしてのものです。この「VSパーティ」とは、あたかもPvPで闘う時のような動きをするAI……これを相手にするようなゲームにしていきたいのです。

人と人との対戦ゲームであれば、例えば敵の構成を見て先にヒーラーを倒して優位に立とう、そしてその為には……といった思考を互いにするはずです。しかしながらこれまでのPvEは、ヘイト管理などすることである程度ロールを意識してシステマチックな攻略が可能です。

『BLUE PROTOCOL』では、AIであるはずの敵も、そうしたチーム対策をしかけてくるものにしようと開発を進めています。アルファテストでは、「VSパーティ」部分を未実装として実施しましたので、ダンジョン攻略は比較的シンプルだったかと思います。

個人的な思いではありますが、ゲームに限らず今は「情報密度が濃い時代」だと感じています。例えば、旅行などでも予め調べておいてからその通りに動くなど、ネットの情報を追体験しているようだと思うことがあります。まるでゲームの攻略じゃないかと。

もちろん、無駄を防ぐといった意味では役立つことですよね。現実の旅行であれば実際のところは思いがけず美味しいものに出会えたり、親切にしていただいたり、一方で天気が崩れたり、訪問したい施設に行けなくなったり、その時にしか起こらないことがあって、だからこそ旅行が思い出になるわけですよね。

しかしゲームの攻略となると、うまくいかなかった時、うまくいかなかった人だけが責められてしまうようなことがある。それはどうなのだろうと思ってしまう。ある程度の攻略方針に沿えるのは大事ですが、今いるプレイヤー同士だからこそできること、その模索に楽しみを見出して貰えたらと思います。

リアルのライフサイクルを否定しない設計を



――「VSパーティ」のコンセプトは、これまでのMO/MMORPGと比較しても新しいものだと感じます。ただ、難易度設定がシビアになるのではないかと思うのですが、例えば野良マッチング(見ず知らずのプレイヤー同士が即席で組むこと)での設定はどのように考えていますか?

福﨑氏:難易度に関しては明確にゾーニングする予定です。メインストーリー上、必ず通る部分は難易度を控えめにします。シナリオ上、NPCが手伝ってくれるような場面も用意していて、このあたりは詰まらせるような設計にはしません。

アルファテストでは、フィールドの難易度が不自然に高かったという指摘があり、これは本当にすみませんとしか言えず……(笑)。

通常のインスタンスダンジョンについては、それぞれ適正レベルを設定して、そのレベルに達していれば攻略に大きな問題のない程度のものを予定しています。ただ、アクション要素が強めですから、アクションの得意不得意によりプレイヤーの体感差は大きくなりがちです。

アクションが得意な人にとってはやや物足りない印象にはなってしまうと思うのですが、適正レベルにさえ整えればクリアは可能という、最低限の難易度のラインは死守すべきとの設計方針を決めています。

その上で、アルファの段階では用意していませんでしたが、最終的には「ダンジョンの攻略方針に沿ったプレイヤーを募集できる仕組み」を導入し、プレイヤー同士の意図を合わせられるシステムに調整していきたいですね。初見の人は初見の人同士だったり、より効率化した周回を挑みたい人達で組んでみたり。

またポリシーとして保ちたいのは、プレイヤーのゲームに対する様々なスタンスや、リアルのライフサイクルを否定しない、というものがあります。例えば、仕事の時間によってはどう頑張っても参加できないような時限イベントなどはしたくないといったことです。

――アルファテストで体験した限りでは、ダンジョンのクリアタイムは比較的短めだと感じました。「VSパーティ」が実装されれば、もう少し長めの攻略時間となりそうですね。ただ、ひとつのコンテンツをクリアするだけならばそれほど難しくないという設定の場合、かなりの数のコンテンツを用意しなければならないのでは?

下岡氏:序盤のコンテンツが消費され、プレイヤーがいなくなってしまうという「陳腐化」の問題は確かにありますが、システム的な面も含めて解決しようと検討しています。「VSパーティ」のシステムは恐らく、ソロでは非常に苦しいものになるはずです。アルファでは存在していませんが、仮に2匹のモンスターが常に挟み撃ちを狙って来るとなれば大変ですよね。

ソロ用/パーティ用の設計も用意する必要がありますし、プレイヤーの側からも攻略対象に応じたセッティングを考慮する部分が出てくるでしょう。インスタンスダンジョンを研究し尽くし、装備まで考察を深めたフルパーティで挑むと、もしかしたら今回のアルファテストよりも早い攻略が可能になる場面も出てくるかもしれませんが、むしろそこまで遊んで頂けたら嬉しいですね。

――やはり、ダンジョンを周回するという部分は基本になりそうですね。「VSパーティ」によって一辺倒ではない攻略が楽しめるとはいえ、何度も挑むためのモチベーションは何らかの形で必要なのではないでしょうか?

下岡氏:そもそも、世間で言われるところのMMORPG、とは別の軸に位置するゲームになるだろうとは考えています。ですが、モチベーションとなるような目的のないゲームとする訳にはいかないので、それらを目指してダンジョン周回やフィールドのイベントをこなしていくようなものにはなるでしょう。

アルファテストのフィールドをよく観察していた方は気付かれたかもしれませんが、見えているけど入れなかった場所がいくつかあったはずです。そうしたものが活用されていきます。

新たなコンテンツが追加されていく時など、戦闘にそれほど比重を置かないプレイヤーも多くいる中で、無理のないよう成長曲線に乗れるようにしていきたいと思います。

便利さと不便さはずっとつきまとう問題



鈴木氏:コンテンツ量についてですが、オンラインタイトルのコンテンツ消費速度は、やはり開発者の想定の何倍をも越えてしまいます。過去、様々なオンラインゲームがそうであったように、そのあたりは知った上で私達も開発にあたっているつもりです。

コンテンツ消費のサイクルに対して、私達がどの程度の速度で効率的に開発を行えるのか……。その工夫の是非など、毎日ゲームを楽しんでもらえるようにしっかりと話し合った上で進めてきています。

福﨑氏:ダンジョンのクオリティは高いところを目指しています。今回のアルファテストでも好評を頂けたように、プレイヤーの皆様にもこの点はお伝えできたように感じます。しかしながら、あのクオリティで大量にコンテンツを作れるかといえばそこには無理がある……。

かなり手間をかけて制作している自負があるので、正直な思いとしては、ダンジョンの中をちょっと通り過ぎるだけで終わってしまわないようにしたいです。同じ繰り返しの攻略なのであればいろんな方向で攻略できるような楽しみ方を用意していきたいですね。

――パッと思いつくのは、別のクラスに切り替えてもう一度レベル上げの為にダンジョンに挑むといったことですよね。

鈴木氏:現実を見てしまえば、序盤のコンテンツは当然ある程度時間が経つと入場するプレイヤーが減っていくことになります。そこは運営をしながらも調整を行っていく必要はあると思っていて、例えばレベルシンクのようなシステムによって新旧プレイヤーの同居を可能にするといったことも考えています。

――ゲーム内で、運営による何らかのイベントが起こるなんてことも?

鈴木氏:いわゆるGM(ゲームマスター)が直接現れて運営イベントを行うというのは、『BLUE PROTOCOL』のサーバー、チャンネルの構成上、難しいところがありますので、全体を対象としたシステム上のイベントを実施していくと思います。アルファテストであれば、最後のドラゴン討伐イベントのようなものですね。

下岡氏:成長曲線に乗せていく為の、運営上のイベントというものは出てくるでしょう。ただ、根本的な目的としては「この世界を楽しんでもらいたい」があります。街でコミュニケーションを取るだけでも楽しい!といったことを実現したく追求しています。


福﨑氏:いま運営されてるオンラインRPGは年数も長く、洗練されていると思います。ただ、どのタイトルでもそうであったように、運営が始まったばかりの頃の、洗練され切っていなかったが故のカオスな空気感が楽しさや懐かしさを生む側面もあるのかな、と思っています。

どうバランスを取っていくのかという取捨選択はしなければなりませんが、「許される範囲の不便さ」は楽しさのうちに入ると考えています。むしろ利便性を突き詰めすぎると、予測のつかないコミュニケーションを生みにくくしてしまいます。このあたりはとても意識していますね。

アップデートを重ねていくことで、段々と洗練されていくことは悪いものではありませんが、プレイヤーが体験する「情緒面」が失われていきかねないリスクがあります。オンラインゲームの懐かしい空気感をどう維持していくか。その上で利便性は可能な限り追求していきたい。これは運営していく上で、ずっとつきまとう課題だと捉えています。

同じ場所で異なる目的の人々が交わる


下岡氏:同じ目的を持ったプレイヤーがパーティを組むのは普通のことです。目的は違っていても「同じ場所」にプレイヤーが集まるというパターンもあります。

ドラゴン討伐のようなイベントが起こる場所であっても、直接ドラゴンが目的ではない人がいてもいい。たまたま目の前で倒れた人いて、見知らぬその人を手助けすることもあるかもしれません。そういうことが起こってほしいし、『BLUE PROTOCOL』はそういうイベントを作っていけていると思います。

アルファテストの例であれば、アクティブにプレイヤーへ敵対し、遠距離攻撃をしかけてくる「ムークアーチャー」というモンスターがいます。これが出てくるフィールドでは、ムークアーチャーを倒す目的の人と、アイテムを拾い集める目的の人とが混ざりあいます。それぞれのプレイヤーが目的をこなしていること自体が、互いのプレイヤーにとってWin-Winとなるような設計です。


福﨑氏:「何をする場所だ」と明確に定めているところと、あえて定めていないところがあります。インスタンスダンジョンは目的が明確で、もちろん攻略を追求する人にとっては効率がその時は正義たりえることもあるでしょう。

その上で、フィールドを移動する人の中には、初めて挑むダンジョンに向かっている人だったり、モンスターを狩っている人だったり、様々な目的を持った人が入り混じる場所となります。

そうした場所に緊急ミッションのようなものが発生して、いっときは同じ目標を共有して挑む……。終わればそれぞれまた自分の目的に戻っていく。そうしたことがオンライン的で楽しいんじゃないかと思いますね。

――なるほど。私にも古いオンラインゲームで、露店システムや常設のダンジョンで突然生まれた繋がりから友人ができた経験がありました。

下岡氏:現実でも、フェス的なイベントに参加した時、同じ好きなものを持つ人達なのだから、はじめは見知らぬ人同士だったとしても、また次の繋がりができることがあると思います。それぞれ目的が違ったとしても、後から同じ目標ができたり、知り合ったり……そうしたことが起こると素敵だなと感じていますね。


「生活系」コンテンツはどう考える?


――しかしながら、最近ではプレイヤーの慣れも大きく、あまりにも地道なシステムでは遊ばれないという側面も無視できませんよね。アイテムトレードの為のマーケットや、ギルドハウスといった機能の予定はあるのでしょうか?

福﨑氏:マーケットの実装予定は今のところありません。装備品の強化にしても、基本はダンジョンなどで素材を集めて進めていくスタイルですから、トレードの自由度を高めすぎると、そもそもダンジョンに行く理由を失ってしまいます。

しかしながら、「生活系」のコンテンツ実装に対する要望が多いのも事実です。これらを考察していくと、やはり交易・マーケット的なものがあった方が楽しみやすいという風になっていくんですよね。


鈴木氏:もともと競売所のようなものは入れたいと考えていました。しかし、ゲームの進行度に応じたトレード可否の設定、表示の有無などを考慮する必要があり、そのパターンが多岐にわたりすぎてしまい……結局はほとんどマーケットを利用する意味、出せるアイテムが少なくなってしまうのでは、と議論になっていたりします。

ただ、生活系コンテンツへの要望は本当に大きいので、ここをどうしていくかというのは、検討中の段階というところです。

下岡氏:競売所やハウジングのやり取りの中でコミュニケーションを期待する、というのもアリだとは思うのですが、追求していきたい「本当に大事なところ」を分解して眺めた時、どうしてもコンセプトと衝突してしまう部分はでてきます。そこは議論の上で、実装する/しないを決断しなければなりません。

福﨑氏:生活系コンテンツは開発の中でもやらせてくれ!という声が大きいんです。しかしながら、生活系コンテンツは「こうなったら楽しいよね」という部分へ到達するまでのステップが長くなりがちでもあります。

さらに、凄く楽しめるプレイヤーと、全く興味のないプレイヤーとでハッキリわかれてしまうものでもあるんです。ですから、義務感が出てしまう実装はよくないと。この辺りに気を付けながら、開発の中からも上がっている案を検討して、少しずつ実装していく形になるんじゃないでしょうか。

鈴木氏:生活系コンテンツは入れたいと考えているものの、全てをやろうとすると非常に開発に時間がかかるのも事実です。コンテンツ同士のつながりを作っていく必要もありますので、軽いものから導入したい、というところでしょうか。

下岡氏:最も楽しんで頂きたいところと衝突しかねない部分は十分に検討していかなければ、ただ遊ばれないコンテンツになってしまったり、コミュニケーションの発露にならなかったということにもなりかねません。

福﨑氏:優先順位、と言いたい訳ではないのですが……開発の順番としてはまだその段階ではないんです。ゲームの体験として、メインに存在する「エキサイティングな部分」の開発が先にあります。

エキサイティングな体験を遊んでいて、ちょっと疲れたな、といった合間に楽しめるようなものが生活系コンテンツだと考えていますので、メインコンテンツが出来ていない現状ですから、まだその順番ではありません。

楽しさの根本と時代を見誤らないように



福﨑氏:開発にはネットゲームをやり込んでいたスタッフが多く、「昔のアレ楽しかったよな」といったものを持っています。いわゆるネトゲ廃人、ばかりかもしれません。

最初にネットゲームを触った頃を思い起こしてみると、ネットゲームに受けた衝撃はそれぞれ違った形でありながら、その根本をみつめれば「そこに人がいると感じられた」ところが共通した体験だったんじゃないかと思います。

アルファテストでは、昔のネットゲームっぽさを感じて頂いたプレイヤーさんもいらっしゃいましたが、それは恐らくこうした原体験を持つ開発メンバーの思いがにじみ出た結果だと思います。

――潜在的にMMOっぽさを求めているプレイヤーはやはり多いですよね。とはいえ、今のプレイヤーがいろいろと慣れてしまっているところもありますし、そもそもそんなに時間を掛けるものではないという時代になってきました。

福﨑氏:開発の中でもそうした意見はありました。レイドボスのようなイベントが発生した時に、わざわざそこまで走って向かうのかといったようなものです。「そうだよ走っていくんだよ!走りながら段々人が増えていくのが楽しいじゃん!」……という想いはありますので、今の時代にそぐわない部分は便利にしつつ、情緒や空気感は維持していきたいですね。

置き去りにしないシナリオに自信あり!?



――話は変わりますが、最近のソシャゲやネットゲームではストーリーが評価されるという例が目立ち始めてきています。『BLUE PROTOCOL』におけるストーリーの構想は?

下岡氏:アルファではあえてストーリーを抜かして実施しました。アクションゲームでもあるので、ゲーム開始から序盤の間は、システムに慣れ・学んでいく為の方法として、ストーリードリヴンなシナリオの形を、本稼働の際には取る必要もあると考えています。

そうした実態の話とは別にして、新規IPを世に出す為にきっちりと世界観を作り込んできています。その一部をストーリーとして落とし込み、現時点では詳しく述べられませんが、かなり面白い作品になっていると自負しています。

スタッフ・キャストに関しては現段階で隠させて頂いています。ビジュアル面では「奥村大悟」を押し出していますが、それだけではありません。

鈴木氏:30人以上のメインNPCと共に「デモシーン」が流れ、これを中心にしてストーリーが展開していきます。正直なところ、オンラインゲームとしてはあまりみない規模をお届けできるのではないでしょうか。

下岡氏:デモシーンもありますが、そこでやる気が萎えてしまうことがないようにしたいと思います。バンダイナムコのイメージに負けないものを目指さなければ、作品として長く愛されるものを作るのは難しいでしょう。

また、30人以上の魅力的なキャラクターが登場するとしましたが、プレイヤー自身のアバターの活躍も期待して頂ければと思います。

何か事件が起こり、NPCがいろいろと活躍しているけど、自分のアバターだけはただ付いていくだけ・敵を倒すだけの人物で終わってしまい、あとは後ろで眺めているといったことにはならないようにしています。あくまでも自分が、プレイヤーが主人公だと感じられるような展開です。


福﨑氏:先程から言われているように、あくまでも「デモシーン」です。ムービーではありません。アルファテストでも好評を頂けたように、ビジュアル面では高い質を実現し、そのままの形で「デモシーン」を制作できます。アバターの衣装などもそのまま反映できるという強みがあるんですね。

また、カメラを引いた状態であればもちろん遠景としてキレイな画を作れますし、そのようなタイトルはたくさんあります。しかし『BLUE PROTOCOL』ではキャラクターにどれだけ寄っても大きく崩れることがありません。

「アニメっぽくする為には?」という問いへの答えが「寄せろ!」というものであり、これに耐えられるものを目指して作ってきたのが大きかったと思います。

下岡氏:「奥村の絵」がそのまま動かなければ意味がない、というところからスタートしています。これはアニメの中に入れているぞ!と感じられるようには作ってきているつもりです。

――アニメを見るのは「熱くなれる」からこそというのもありますよね。正直なところ、私達のネットゲーム原体験の時代は、そうしたストーリーは無かったと言ってもいいのかもしれません。その意味では『BLUE PROTOCOL』は懐かしさだけじゃないぞ!という意気込みを感じます。

福﨑氏:デモシーンのボリュームは「こんなにあっていいのか?」というくらいには作っています。開発中の笑い話ですが、制作に気合を入れすぎてデモシーン閲覧中の未入力時間が長くなり、サーバーからタイムアウトしてしまったことがありました(笑

下岡氏:本当に重要なシーンのデモは長めになるかもしれませんが、バランスが良くなるように調整は続けています。シナリオへ入り込んでいけるよう、常にクオリティは追求していますよ。

気になるマネタイズ方針は?



――本作のサービス形態はどのようになるのでしょうか?また、プレイヤーが遊ぶ上で実際どの程度お金が掛かるのでしょうか?

鈴木氏:「Free-to-Play」を予定しています。プレイヤーの皆様が最も気にされるのは「Pay-to-Win」になってしまわないかという点だと思います。

中でもゲーム内で入手できる武器よりも強力な武器を販売するのでは?という点を心配されるコメントを各所で見ましたが、武器のクラフトは重要ゲームサイクルとして組み込まれていますので、そうしたことは行いません。また、外見の為の衣装・アクセサリーには能力を付けず、完全にファッションとして使って頂けたらと考えています。

下岡氏:コスメティックな方向でマネタイズされるのは既に主流な方針だと考えています。現代の潮流から大きく外れたようなことはするつもりはありません。一定期間のパスポート的なものを販売し、その期間に何らかのポイントを達成すればアイテムが手に入るといったものは実施するかもしれませんが、基本的にはコスメ方面にお金を出して頂くと考えて頂ければと思います。

今後のベータテスト等の日程は?



――既に次回のテスト日程や、なんらかのリリース予定などはあるのでしょうか?

下岡氏:バンダイナムコオンライン、バンダイナムコスタジオ共に総力をあげてテストを重ねており、その中で出てきた問題点に対してまだまだそれなりの時間がかかると考えています。今の時点では、まだベータテストの日程を出せる段階にはありません

先程もお伝えしましたが、アルファテストを実施しなければ開発を次に進められないといった理由が大きな割合を占めています。次はどこを詰めていくべきか見極めたかったのです。

鈴木氏:アルファテストの完成度が高かったというお言葉を頂けたのは喜ばしいことではあるものの、反面「完成間近か!?」といった誤解をさせてしまったところがあるかもしれません。

しかしながら、私達は皆さんがしっかり楽しいと感じて頂けるところまではきちんと開発したいと考えていますので、まだまだ時間がかかります。

下岡氏:私がプレイヤーの立場だったとしても「じっくり作ったものを出せ」と思います。ただ、どうしてもある程度の人数に参加して頂く形のテストをする必要がありました。そこにご協力いただけたことは本当に御礼を申し上げたいです。

アルファテストは初日に5,000人の申込上限を越えてしまいました。必要なアカウント数は越えておりますが、少しでも多くの方に遊んでいただきたいと考え、コストが上がることは承知の上で10,000人まで増枠させて頂きました。

この状況は「既にお客様とのコミュニケーションが始まっている」と捉えています。できるだけ皆様に情報をお届けできる透明性の高い状態でやっていきたいですね。自信のない中でベータテストを実施しても意味がないので、時間は頂くことになってしまいますが、しっかりしたものを出せる状況を整えて「次」をご提示したいと思います。が……正直、結構待つんじゃないかなぁ……。

一同:(笑)。



――最後に、『BLUE PROTOCOL』を待ち望むプレイヤーの皆様へメッセージをお願いします。

鈴木氏:アルファテストにご参加頂いた皆様、短い時間ではありましたがありがとうございました。また、応募して頂いた中で残念ながら参加できなかった方々につきましても、興味を持っていただきありがとうございます。

頂いた声をしっかりと受けた上で、私達も自信を持って「楽しい」と皆様に提供できるゲームが出来ましたら、その段階で次のご案内をさせて頂ければと思いますので、お待たせすることにはなりますが、引き続き興味を持っていただければ嬉しいです。

福﨑氏:アルファテストへのご参加、多数の熱いご意見を頂きまして誠にありがとうございます。開発一同、嬉しい悲鳴をあげております。開発期間自体が長く、お客様の目に触れて評価を頂く機会が少なかったために、開発の「慣れ」が出てきてしまった部分がありました。時を経るにつれ、このままでは市場で負けてしまうといった危機感に右往左往することもありました。

ですが、アルファテストで頂いた様々なご意見は想定していた以上で、もっとこうなって欲しいという熱い想いを頂き、開発としても大きなモチベーションになりました。これを絶やさないよう進めてまいります。またベータテスト等の機会では、よろしくお願いします。

開発にはMMOなどを遊んではいても、専門で開発していたという人間が多い訳ではありません。今のプレイヤーがどう感じているのかなど、むしろ分からないことだらけですから、たくさんの意見が欲しいと感じています。

今後も、様々なご意見をお客様にアピールして頂きたいと考えています。聞く耳を閉じず、「やるならやる」ことをスケジュール感を持ってお伝えしたいです。また、「やらないならやらない」を、しっかりとした理由を立ててお話ししていきたいとも考えています。

プレイヤー全体の空気といったことを鑑みる必要もなく、個人のプレイヤーさんからの「俺はこう思う!」を率直にお伝え頂ければと思います。ありがとうございました。

下岡氏:『BLUE PROTOCOL』という名前自体が、ストーリーにとっても大事なものになっています。そうした謎も含めて楽しんで頂けるものになってきていると感じます。本当にたくさんの方に興味を持って頂き、参加して頂き、ありがとうございました。

これからしばらく私達は沈黙期に入ってしまいますが、また皆様にお目見えさせて頂く時には「こうなるのか!」「こういうことなら遊びたい!」と思ってもらえるように、誠心誠意開発を進めていきます。

開発陣とプレイヤーの皆様とのコミュニケーションは本当に大切なものだと考えていますので、しばらくの沈黙期は頂いてしまうものの、また皆様と向き合っていきたく思います。

今一度、開発に集中させて頂くことになりますが、また時期が来ましたらぜひ遊んで頂ければと思います。開発は本当に楽しんでいる人間ばかりなので、その楽しみを一緒に共有させて頂けたらと思います。インタビュー記事をお読み頂いて、次回参加するぞという方は、是非新たな情報をお待ち頂ければと思います。ありがとうございました。



『BLUE PROTOCOL』公式サイトはこちら。Game*Sparkではクローズドアルファテストのプレイレポートも公開中ですので、あわせてチェックしてみてください。
《Trasque@Game*Spark》

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