ゲームも舞台も好調のマーベラスが打つ次の一手・・・マーベラス中山晴喜会長インタビュー 3ページ目 | GameBusiness.jp

ゲームも舞台も好調のマーベラスが打つ次の一手・・・マーベラス中山晴喜会長インタビュー

ゲームや音楽・映像事業だけでなく、ミュージカル『テニスの王子様』をはじめとした漫画やアニメ、ゲームを原作とした2.5次元ミュージカルでライブ・エンターテイメントの世界でも躍進を続けるマーベラス。

企業動向 戦略
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今期はパッケージゲームに期待



―――パッケージゲームについてお聞きしたいのですが、前期は海外販売が好調だったとのことですが、国内に関してはどのような展望なのでしょうか。

国内は、前期はすごく厳しかったですね。新作が結構多かったので大変でした。今期は『牧場物語 3つの里の大切な友だち』や『Fate/EXTELLA(フェイト/エクステラ)』など、強力なラインナップがそろっているので期待が持てます。前期は、アメリカで『牧場物語(英題:“STORY OF SEASONS)”』と『ルーンファクトリー4』が販売好評でした。『ルーンファクトリー4』はアメリカで発売して3年近く経ってますが、未だにリピートが来ています。『牧場物語』もリピートで1年以上毎月売れていて、定番的な感じになっているので販売店もそのうち売れるだろうと安心して置いてくれているようです。

―――コンシューマー事業は、厳しい環境の中でも毎期利益を上げていくというのは、ある意味一つの答えみたいなものを見つけられたということでしょうか。

毎年いろんな事業をやっていますが、毎回その中でバランスを考えています。どのセクションも100点取っていたら言うことなしなのですが、いろいろ凸凹があるので、今年のこれはこんな感じになるだろうから、少しアクセルを踏むところは踏ませるけどここはちょっとブレーキを踏ませようとか、いろいろ考えてポートフォリオを組んでいます。

去年はオンラインで利益を上げようとしましたが、今期は一番伸ばそうと思っているのはコンシューマ事業。なぜかというと、アミューズメント事業が今期はすごく良いんですよ。『ポケモンガオーレ』と『ドラゴンクエスト モンスターバトルスキャナー』という強力な新機種が2機種でるのでアミューズメントはV字回復してくれるだろうと思っています。加えて、コンシューマ・タイトルも前期は定番以外の新作を6本くらい出しましたが、今期予定しているタイトルのうち3タイトルは確実に(数字が)読める作品です。国内だけでも『牧場物語 3つの里の大切な友だち』が30万本、『Fate/EXTELLA』が20万本とか。今期はコンシューマ事業と、音楽・映像事業で利益を伸ばして、オンライン事業には無理をさせない。どちらかというとロスをなくす方向で、利益を出せないタイトルとかをやめていったりしています。今期の新作はネイティブ・ブラウザ合わせて3~4本に留めています。来期に向けては多くの企画が走っているので、絞り込んだリソースを振り分けて、来期はまたオンライン系で伸ばしたいなと考えています。

来期の新作は他社さんとアライアンスを組んだり、IPを一緒にお借りして一緒に共同事業でやったり、他のメディアの会社と組んでメディアミックスで立ち上げたり、マーベラスの全社プロジェクト的に音楽・映像とか全部一緒に立ち上げたり、幾つか面白い仕掛けを考えています。

―――どのくらいのタームでポートフォリオを組んでいるのでしょうか。

長いスパンでは考えてないです。中期計画はいつも3カ年計画で立案していますが、実のところ3年後なんて正確にはわからないものです、3年前にスマホのアプリ市場が1兆円産業になるなんて誰も思わなかったででしょうし、毎年、今年が限界限界ってこの2年間くらい言われ続けて、その度に更新して、昨年9000億円いって、今年どうなのか?ってなった時に、もう9000億円で終わりでしょって人もいればもしかしたら1兆円いくのではないかって人もいるじゃないですか。だからあまり先のことを考え過ぎてもしょうがないですね。でも作るのには2年くらいかかるので、そのくらいをひとつの区切りとして考えています。

―――オンラインやモバイルなど新規カテゴリへの参入が早いイメージですが、どういう判断をされているのでしょうか?

早い段階で動くようにとは常に社内には言ってます。スマホシフトもかなり早い段階から指示していて、マーベラス単独だった頃に決算賞与を出した時に、当時iPhoneも3GSが出たばかりの時でしたが、みんなにこのボーナスでとにかくスマホを買えと、はやくスマホに慣れろと言っていました。どちらかというと参入するのが早過ぎるくらいで、水風呂に入っちゃうんですけどね(笑)。

ただ、早くから動くのは方向性としては間違っていないと思っています。現在、マーベラスの音楽・映像事業が潤ってるのは、いち早く映像配信権(公衆送信権)を全部押さえていたからなんです。昔、配信権なんて言葉がない時代から配信の権利を取得していてかなりの作品数を持っていて、今では稼ぎ頭になってます。レンタルビデオ化権なんて将来なくなるから、全部配信になるから配信権を取っておけと指示していました。当時は配信権なんて簡単に取れたんですよ。かなり古い作品も持っていたりします。

だからスマホのゲームアプリ開発も早くからやっていましたし、『剣と魔法のログレス』のPC版をやってる時、(3社合併前の)マーベラス単独の時に『ログレス』をスマホでやろうと作り始めていました。リリースされたのは合併した後なのですが、やり始めたのはマーベラスの最後の年ぐらいにスタートさせています。前期は本当に『ログレス』に助けられました。

―――スマホのビジネスは大手の二大プラットフォームに依存する面が強いと思うのですが、どのように考えられていますか?

マーベラスはソフトを作る事に特化していて、マルチデバイスを前提にしていますので、出口がどうこうというのは余り気にしていません。レンタルビデオ店がなくなった時にレンタルビデオ化権しか持ってなければ一大事ですが、そうではありませんので。

1つ今後無くなると思っているプラットフォームは携帯型ゲーム機ですね。その代替はスマホで良いと思っていて、代替するためにはフリーミアムの課金モデルとは異なるビジネスモデルを提示していく必要があると思っています。ニンテンドー3DSのように保護者が子供に安心して与えるためには勝手にアイテムを買って課金をしてしまうようなモデルには無理があります。なので、落としきりスタイルのゲームもスマホで可能性があるのではないかと思っています。

―――少し前になりますが、アミューズメント施設運営事業を辞められました。どういう判断だったのですか?

だいぶ前の2007年に施設事業からは事業譲渡して撤退したのですが、当時ゲームセンターがどんどん大型化して、とにかくバカでかい機械を入れていかないと勝負ができなくなって、1店舗当たりの投資額がすごく大きくなってしまったんです。ゲームセンターはもともと副業的な位置付けで、キャッシュフローも良くて、景気が良かった時代は投資金額もそこそこで利益が出ていたのですが、コンシューマゲームを1.5本や2本作るくらいの投資金額、5億や6億までなってしまってちょっとシャレにならなくなったんです。そうなってくると、もう副業としてやっていられなくなってしまって。だったら本業のほうに資源を集中させようということで売却したのです。ゲームセンター業界の将来云々ではなく、会社の中の事業バランス的にここに投資金額を置きすぎるよりは、もっとゲームソフトやアニメに資金を振り分けようという判断でした。

―――施設運営は辞めましたが、機器は引き続き力を入れていく方針ですか?

そうですね。アミューズメント機器についても相応の市場規模がありますし、特にキッズ向けではヒット作も過去に出せています。今期も良い作品が揃っているので、今期はすごく良い結果を出すと思います。

―――キッズ以外の分野も手がけていくのでしょうか?

これまではキッズアミューズメントに特化してやってきましたが、現在企画しているものはキッズに限ったものではないですね。社内では、君たちはキッズアミューズメント事業部じゃなくアミューズメント事業部なんだから、アミューズメント・ロケーションで遊べるものだったら何考えたっていいんだよ、と言ってます。

今までゲーム企画のスタッフもキッズアミューズメントを作らなければと思ってたみたいです。最近はちょっと変えて、外からもアドバイザーをいれたりしています。いろいろと発想を変えて、新しいプライズ機に挑戦したり、キッズ向けだけじゃなく大人向けにも展開できないか、などいろんな企画を今やっています。今期は無理かもしれませんが、近い将来のキッズアーケード以外の機種もどこかで出てくると思いますよ。

―――海外展開はいかがでしょうか?

特に中国を含むアジアではパッケージゲーム、スマホゲーム、番組販売など積極的に進めています。

スマホゲームについては『剣と魔法のログレス いにしえの女神』が台湾で好調ということを受け、中国からも話が来ています。実は『ログレス』は当初は中国では見向きもされなかったのですが、台湾での動きを見て見方が変わってきたようです。それ以外にも海外展開を拡大すべき強力なIPのタイトルもありますので、今様々な観点から練っているところです。既に日本である程度年月を重ねていて十分なコンテンツも用意できるという点が重要だと思います。

昨年提供した『クロノドラゴン』は、出だしは好調で月商1億円も視野に入ったなと感じていたのですが、提供できるコンテンツが不足していたこともあり、一気に飽きられてしまい、閉じることになってしまいました。やはりスマホゲームでは継続的にコンテンツを提供できる状態を整えていくことが大事だと思いますね。海外での『ログレス』などはそこを踏まえた展開が可能でしょう。



M&Aとカルチャーの融合



―――御社は買収や合併もしながら大きくなっているわけですが、合併のメリットの一方、例えばカルチャーが違うといった点で苦労されたことはありますか。

最初の合併は子会社化したビクターインタラクティブでした。社風は真逆の会社でした。買収した際には幹部の中にはゲームビジネスを理解していない人も正直いましたが、現場のスタッフはすごくゲームが好きでやる気もあって、これまで操縦士がいないまま空を飛んでいた状態だったんですよ。じゃあ、元々マーベラス本体の中にもゲームセクションはあったのですが、逆統合ということで吸収せずに向こうに全部あげちゃおうと。2年間くらい親子関係でやってきて、それから一緒になって大丈夫だなというところで全部統合しました。そこから先は違和感なくやってきている感じです。

やはり今年20周年になる『牧場物語』というタイトルが付いてきたので、うちに入っての10何年間でいくら稼いだのだろうという感じですね。ニンテンドーDSの最盛期にはワールドワイドで100万本以上売ってるんですよ。ヨーロッパだけで55万本、国内で30万本、アメリカで25万本売っています。前作も久々にアメリカで10万本を超えました。

―――軋轢が起こったりはしないのでしょうか?

全部我々(のポリシー)に合わせてね、みたいな感じだとやはり軋轢は生まれてしまうと思います。マーベラスとAQインタラクティブとライブウェアの3社が合併した時は特に文化が違っていて、マーベラスはどちらかというと企画・プロデュースするベンチャー会社であったのに対し、AQインタラクティブは受託で開発する技術系の会社という感じで。その違いがすごくありましたが、逆に言うとそのマッチングが非常に良かったのだと思います。

次のページ: 新しいコンテンツの創り方
《Daisuke Sato》

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