個性的すぎるパネリストに議論は爆発寸前~インディゲームデベロッパーが見るゲームの未来 | GameBusiness.jp

個性的すぎるパネリストに議論は爆発寸前~インディゲームデベロッパーが見るゲームの未来

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個性的すぎるパネリストに議論は爆発寸前~インディゲームデベロッパーが見るゲームの未来
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2013年前後から国内でも一般的になってきた「インディゲーム」という呼称。東京ゲームショウ2015でも、さまざまなタイトルがみられました。これらを背景に、Twitchブースではインディゲームをテーマに様々なトークセッションを開催。全世界に向けてストリーミング配信されました。ここではパネルディスカッション「インディゲームデベロッパーが見るゲームの未来」の概要をレポートします。

パネルは大きく3つのテーマで行われ、個性的すぎるメンバーに議論は常に脱線気味。インディのエネルギーが強く感じられたセッションでした。

■パネリスト・モデレーター

・松田崇志(トイディア) 代表作『ドラゴンファング~勇者ドランと時の迷宮~』
・東江亮(Nyamyam) 代表作『TENGAMI』
・池田隆児(オリフラム) 代表作『CHAOS CENTURIONS(開発中)』
・大前広樹(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン)
・弘津健康(サマータイムスタジオ)代表作『Ancient Surfer』*モデレーター

進化するデバイス、ハードウェアにより、ゲームはどう変わるのか?



元セガ→マイクロソフト→起業という経歴の松田氏は、本テーマに対して「デバイスやハードウェアが進化すると、クリエイターは自由になれる」と回答しました。デバイスやハードウェアはクリエイターの才能を活かす舞台だという松田氏。しかし、実際は思い描いていたビジョンが、ハードの制約で限定されてしまうことの連続だったそうです。「それでも会社員であれば、指定されたハードで作り続けなければいけない。それが面倒だったのでインディになった」といいます。

これに対してスクウェア・エニックス→ディー・エヌ・エー→起業という経歴の池田氏は「進化する一方で退化している面もある」と回答。昔はゲームを買うために行列したり、ゲームセンターに行かなければ対戦できなかったものが、スマホアプリでは解消された一方で、みな部屋に籠もりがちになっていると指摘。「このままいくと脳髄にケーブルを接続する未来しかないので、アウトドアになれるゲームがあるといい」と語りました。

英レアを経てインディとなった東江氏は「そんな未来より今日のご飯の方が大事」だと切り返します。デバイスが進化してもマリオ以上の体験はなかなか提供されていないと指摘し、その時々のコンテンツで、どれだけ人を驚かせられるかがすべて。ハードやデバイスよりも、人間を見るべきだと言います。「インディであれば、目の前にあるものにしがみついて作るしかない。それよりも体験を作ることに注力すべきです」

最後にフロムソフトウェアを経て、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの発足メンバーとなり、ゲームエンジン「Unity」で開発者の環境を整えている大前氏は「けっきょく、みんなVRの話が聞きたいはず」と議論をひっくり返しました。池田氏の話を引き継ぐ形で、「VRはインドアすぎてアウトドアになれるところがおもしろい」とコメントしました。ブランコにのってHMDを被り、ブランコを漕ぐコンテンツを体験すると、実際に体が揺れているように感じるなど、人間の感覚を補完できる点がおもしろいとのこと。

すると池田氏が「ドローン×クラウドゲーミング×VR」がテーマのゲームを作って、eスポーツの定義を塗り替えたいと発言しました。もっとも、良くも悪くも社会的注目を集めがちなガジェットなので、大企業では役員会議を通すだけで大変な労力がかかるとのこと。これがインディだとすぐにはじめられます。

このアイディアには松田氏も同調し、自分の中にあるイメージをドローンやVRとからめて、何かゲームを作ってみたいとコメント。「自分は夢とときめきがなければ生きていけないタイプ。これがなければゲーム開発で一番大変な、最後の2割を乗りきることが出来ない」と補足しました。

ゲーム実況は日本のアプリマーケットにどんな影響を与えるのか



開口一番「知らねえよ」と一刀両断した東江氏。もっとも自分たちの作品『TENGAMI』の事例なら話せると言います。AVGなので実況されるとネタバレになるため、最初は相性が良くないと思っていたものの、「実況を見て世界観が気に入って買った」というツイートをよく見かけるそうです。ゲーム実況にゲームユーザーをとられるとしたら、それはゲームに力がないからで、「敵かもしれないが、うまくつきあうと味方になる」といいます。

子どもの頃にテレビ番組「ファミッコ大集合」で優勝して、たいへんな高揚感を得たという池田氏は、あの体験の延長線上にゲーム実況があるのではないかとコメント。一方で松田氏は「カリスマプレイヤーが実況しないと数字がはねないのも事実で、国内ではそれほど恩恵を受けているわけではない」と冷静に分析をします。

東京ゲームショウ2013ではじめてゲーム実況の文化をTGSに持ち込んだ大前氏は、「スマホの動画実況用SDKはUnityも提供しているが、ぜんぶうまくいってはいない」とあかしました。ゲーム動画の魅力は実況主のスキルに依存することが多く、素人のプレイ動画を延々見続けるのは辛いとのこと。逆にうまいゲーム実況は「ゲームのうまいお兄ちゃんの隣で画面を見ているようなもの」で、大きな魅力があるのも事実だとします。

また『Ancient Surfer』がなぜかブラジルで人気を集めたという弘津氏は、数ある実況プラットフォームの中でもTwitchの長所にふれ「画面の解像度が高めなので、PCゲームを配信するのに向くし、会員登録が不要なのもいい」とも指摘しました。実際にニコニコ生放送で配信をしていると、ログインができないため、海外ユーザーからクレームがくることもあるそうです。

これに対して大前氏も「海外のインディが良く『Twitchで放送されると売り上げが伸びる』と言っている。理由を知りたい」と補足しました。

日本のインディゲームが世界に飛び立つためには



最後のテーマとなった国際展開。池田氏はスマホゲームの日本市場が大きすぎるので、海外市場がオマケ扱いになっている点は否めないとして、「日本市場で出さないと決めて作れば良い」とします。開発中の『CHAOS CENTURIONS』も日本語・英語のマルチ言語で開発中ですが、まず北米先行で配信されるとのことです。

もっとも弘津氏が「海外と一言でいっても、さまざまな国がある。ターゲットが難しいのでは?」と質問すると、池田氏は「今は全世界同時配信が簡単にできるので、悩んでいる方が無駄」と返答しました。インディにとって「自分の化粧が中国人に気に入られるかなど、考える方がバカらしい。それよりも『私を見て』という意識が大事」だといいます。

これには松田氏も同調し、「グロス売り上げでトップ50を狙うのか、自分たちが作りたい物を世界に届けるのか、どちらかに絞った方が良い」と自説を述べました。

これに対して、いち早く『TENGAMI』が世界中で大ヒットした東江氏。もっとも、本人に言わせると、自分たちが作りたいものを作っただけで、世界で売れたのは「事故のようなもの」だと言います。

あえていうならNyamyamのメンバーは自分と外国人2人で、彼らのフィルターを通した日本が表現されていたことが、海外市場で売れた要因ではないかとのこと。逆に日本人からは「中国っぽい」と言われることもあるといいます。そのうえで「もし萌えゲーが大好きなら、萌えを極める方が良い」とコメント。自分たちの武器をとことんまで極めることが世界で売れる早道だとしました。

これまでの議論をまきとり、松田氏は「自分たちが作りたいものを作って、海外に挑戦できる環境があるのがゲームの良いところ」だと指摘。動画配信を使えば、お金をかけなくても海外ユーザーにアピールできるので、そうした武器をうまく使いたいとコメントしました。

「今までの議論を聞いていると、みんな『海外』を勝手に意識して、自分の中でバリアーをつくっているだけなのかな」と弘津氏は議論を展開させます。これに対して池田氏は「日本語の壁を無意識にはっているところがあるのかな」と同調しました。

これまで『キングダムハーツ』『ディシジィア ファイナルファンタジー』『ブラッドブラザーズ』と、これまで所属した企業の中でも、たまたま海外売り上げが多いプロジェクトに配属されることが多かったという池田氏。その流れにそって仕事を進めていたので、海外に対する抵抗はほとんどないとします。

これに対して松田氏も「マイクロソフト時代に外国のクリエイターと接して日本的な作り方が壊れた」とコメント。早く心のバリアーを外した方が自由になれると語りました。

とりあえずのまとめ:作りたければ作れば良い



こんな調子で、あっという間に時間が過ぎ去ったパネルディスカッション。最後に一言ずつコメントを求められると、東江氏は「やりきることが大事で、やりきったら失敗してもあきらめられる。やりきらなかったら、あきらめきれない」といいます。

松田氏は「去年よりインディを巡る環境は良くなっている」と分析しつつ、インディに投資をする意識が社会に広まることも大事だとしました。「インディから早くスターを出すことが大事で、そのためにはクリエイターにお金を投下してほしいですね」

池田氏は「インディゲームを作りたい人は大手の中にもいて、みんなくすぶっている」とあかしました。作りたい人がいたら作れば良いだけのことで、本当に作りたい人がいたら一緒にやりましょう、連絡をくださいといいます。

最後に大前氏は「まさに作りたい人は作れば良い」とコメント。その上で「海外で売れるのは事故のようなものだと言ったが、たとえ事故っても家から出なければ安全」だと語り、一人でも多くのインディが増えることを呼びかけていました。
《小野憲史》

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