イベントの効果は?クランは必要?Lobiブースで『ブレフロ』『ログレス』プロデューサーが激論 | GameBusiness.jp

イベントの効果は?クランは必要?Lobiブースで『ブレフロ』『ログレス』プロデューサーが激論

ゲーム開発 プロデュース

イベントの効果は?クランは必要?Lobiブースで『ブレフロ』『ログレス』プロデューサーが激論
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開発より運営が重要とされるスマホゲーム。コミュニティマネジメントの試行錯誤が各社で続いています。もっとも成功例が少ないとあって、なかなか実情が見えてこないのが事実。そんな中、チャット&ゲームコミュニティサービス『Lobi -チャット&ゲームコミュニティ-』を運営するカヤック(Lobi)ブースで、「スマホゲームとコミュニティの美味しい関係」と題して、興味深いトークイベントが行われました。

■パネリスト・モデレーター
・『ブレイブ フロンティア』プロデューサー・高橋英士氏(エイリム)
・『剣と魔法のログレス いしにえの女神』プロデューサー・板倉基之氏(マーベラス)
・ファミ通Apps編集長・目黒輔氏(KADOKAWA・DOWANGO)
・『Lobi』事業部長・片岡巧氏(カヤック)*モデレーター

ブレフロとログレス、両者の取り組みについて



リリースして2年あまり、さまざまなユーザー向け施策を進めてきた『ブレイブフロンティア』。TwitterやFacebookでの情報発信、オフラインイベント『ブレフロ』の開催、ゲームコラボカフェ『ブレカフェ』を東京・御徒町に開店、Lobi上でのプレイ動画コンテスト、広報の”かおりんご”を押し出した「ブレフロ女子部」、テレビCM、書籍、漫画展開などです。高橋氏は「サブカルやコミュニティをかなり意識してやってきた」と語り、その多様さに板倉氏は「正直うらやましい」と賞賛しました。

もっとも効果については未知数なのも事実。高橋氏は既存ファンのサービス向けがメインで、「新規獲得にどれくらいつながっているのか」「KPIはどうか」などと言い出すと何もできなくなると言います。またオフラインイベントは大変だが、ユーザーの顔を見ると苦労も報われる。ユーザー向けといいつつ、自分たちのためにやっているところがあるかもしれない……こんなふうに補足しました。

これに対して、普通のことをやるのが嫌で、奇策に走りがちという板倉氏。ゲームショウに出展せずに、青森ねぶた祭りにねぶたを出したなどは好例です。協賛企業ではねぶたに高さ制限があるにもかかわらず、ねぶたの上部に巨大な風船をつけて目立たせたほど。「ニコニコ超会議2015」ではリアルガチャと称して40台の什器をブースに並べ、無料でガチャガチャを楽しめるようにしました。

他に▽プロレスラーのササダンゴマシンによるプレゼン動画「なぜログレスをしてしまうのか」をYouTubeにアップ▽ニコ生で『ログレスニコ生定例会議』を開催▽学食のトレイ向けに『ログレス』のチラシを配布▽イベント「ジャンプフェスタ」に着ぐるみを出展ーーなどなど。ただし、あまり「これが成功した」といえるものはないといいます。

両者に共通するのが「攻めの姿勢」です。高橋氏は「有名IPゲームではないので、自分たちで待っていたら何も広がらない」。板倉氏は「テレビCMなどでリーチできない層に対して、どのように広げていけるかがポイント」と語りました。

SNSとLobi、インゲームチャット、それぞれの活用法



議論はSNSの活用に移りました。定番のTiwtterやFacebookに加えて、Lobiではアプリ向けにチャットや掲示板といったサービスを展開しています。各々の活用事例について尋ねられた高橋氏は「障害対応がきっかけ」と答えました。ゲーム開始直後はゲームのトップページに運営からのお知らせ表示機能がなく、Twitterと公式サイトで障害情報を発信しはじめたとのこと。そこからフォロアーが急速に拡大しました。

また『ブレフロ』ではLobiのサービス直後からガッツリと活用しています。これに対して高橋氏は「レイドボスなどのシステムがあるので、最初からトーク機能などは入れたかった。ところが開発側から実装に時間がかかると言われてしまい、困っていたところに提案をいただいた。まさに渡りに船だった」とあかしました。

これに対して『ログレス』ではゲーム内に強力なチャット機能が実装されています。板倉氏によると「スマホで遊べるMMORPG」というコンセプトから、「LINEと同程度の機能を持たせたかった」とのこと。そのためユーザーの多くがゲーム内でコミュニケーションをとり、外部サービスの活用が少ないといいます。「発言数を調べてみたところ、デイリーベースでニコニコ動画の7倍、2chの5倍くらいの書き込みがありました。これだけ中で喋っていたら、外で話す暇がないだろう」(板倉氏)。

もっとも痛し痒しであることも確か。ニコニコ動画でゲーム連動イベントを行ったところ、番組が盛り上がるとゲームが過疎化し、ゲームがもりあがると番組でコメントが付かなくなる事態に陥りました。「ゲーム内で動画を流しながら生放送をやってみては?」という質問にも、「ワールドが12個あり、一度に12分の1のユーザーに向けてしか発信できない」と回答。ジレンマだといいます。

メディアとゲーム内コミュニティの関係



さて、ゲームユーザーに対する情報発信やコミュニティ生成では、これまでメディアが大きな機能を果たしてきました。最近ではPCからスマホへの移行にともない、ウェブメディアからアプリメディアへの拡大が進んでおり、読者へのプッシュ通知をはじめ、さまざまなことが可能になっています。

その最右翼ともいえるのがファミ通Apps。編集長の目黒氏は「僕らも情報でユーザーを引きつけつつ、wikiなども運営している。そうした機能が今後ゲーム内に実装されていくとしたら、僕らは何をすればいいのか」と質問しました。

これに対して片岡氏は「それぞれの場所でコミュニティの温度差が違うので、切り分けや共存が可能ではないか」という見解を示しました。インゲームチャットとゲーム外のコミュニティ、同じインゲームでもギルドチャットと掲示板など、それぞれの場所で違うというのです。ゲームの内側から外側に行くにつれてコミュニケーションの目的が変容し、気軽に書き込める雰囲気がうまれる傾向がみられるといいます。

高橋氏は「ファミ通Appsでも、そうしたコミュニティ向けサービスが作れると思うが、意外とやらない。それよりもニコ生やYouTubeなど、外部のメディアに出ていって情報発信をしている」と指摘。これに対して目黒氏から「もともと情報を発信している側なので、拒否感がない。今は外部のサービスを活用して広げるターンだと思っているが、サービス的なものをやってみたいという思いもある」と語りました。

片岡氏から「Lobiだけでなく、メディアに取り上げられることで、ユーザーの満足度がアップする」という指摘もありました。高橋氏も「アートコンテストを行った時、ファミ通に記事を掲載してもらった。ユーザーにとっては『ファミ通に掲載された』ことで、ずっと思い出に残る」と補足。パネリスト一堂で、タイトルやメディアをまたいで、コラボをどんどん促進させたいと盛り上がる一幕もありました。

サービスに求められる新機能は何か



片岡氏から「今後求められるコミュニティ機能は何か」という質問もありました。高橋氏は「すでにさまざまな機能があるが、たとえばユーザーがアンケートを自由にとりあえると嬉しいのでは」と回答。板倉氏は「アイテム名などにハイパーリンクが張りたい。ユーザーが装備などを説明するのにやりやすいので。もっとも、実装は難しいが……」というアイディアもありました。

これを受けて片岡氏から「攻略情報の回答がストックできないので、発言にブックマークがつけられるような機能をつけたい」という発言が聞かれました。これに対して板倉氏から「まとめサイトのように、発言がまとめられる機能があっても良い」というアイディアも飛び出しました。

高橋氏から「上級者が中級者や初心者に教える関係を通してコミュニティが盛り上がっていくので、教えることが気持ちよくなるシステムがあるといいのでは」という発言もありました。これについては片岡氏も同感で、「Lobiには自慢したい・友達を見つけたい・攻略したいという3つのグループがある」として、自慢したいユーザーにもっと気持ちよくなってもらう施策が必用だ……と語られました。

コミュニティ活用がうまいゲームは何か?



板倉氏は「さまざまな展開を行っている『ブレフロ』が一番」だといいます。もっとも高橋氏は「ニコ生やオフラインイベントなどは、ある程度うまくいっているかもしれない。しかし手を広げているだけで、実際に『活用』できているとはいえない」とします。

これを受けて板倉氏から「コミュニティが盛り上がっていることと、活用が上手いのは別」だという指摘がありました。『ログレス』でもコミュニティを活性化させるために、さまざまな手段を講じているが、そこから先につなげるのが難しいというのです。理想はコミュニティが盛り上がって、そこから新規ユーザー獲得につながることですが、なかなかその手段が見えないといいます。

高橋氏は「アートコンテストなど、何か表現したいユーザーは一定数いる。そうした施策を行うと、ユーザー同士の関係性が強化されて、簡単に離脱しないユーザーになってくれる」と語りました。板倉氏から「二次創作が盛り上がるゲームは健全なコミュニティがあるという認識。ピクシブで投稿数の多いゲームは羨ましい」といった発言もありました。

今後の展開~クランは必要なのか?



この後、話題はゲーム内コミュニティとゲームシステムのバランスについて進んでいきました。板倉氏によると『ログレス』にクランを実装して欲しいという要望が非常に多いそうです。実際にニコ生でアンケートをとったところ、半数のユーザーが実装を希望しており、特定のユーザー同士でチャットできるグループチャットの発言数も、全体の1/3にあたるといいます。もっとも運営・開発側では、スマホならではのカジュアルさで成功したという認識もあるとして、悩ましいところだとします。

高橋氏も『ブレフロ』でまったく同じ課題を抱えているとあかしました。『ブレフロ』はミドルからライトユーザーが、一人でずっと遊び続けられるゲームだが、いつかは飽きられる恐れがあるといいます。その時に友人関係などが離脱阻止の要因になるのであれば、クラン導入も一案でしょう。しかし、一度に全面展開してしまうと既存ユーザーの反発も想定されるため、ゲーム内の特定箇所に限ってチーム単位でプレイできるなど、選択肢を増やすことが大事ではないか……そのように語ります。

もっとも、そうした新システムを導入した際に、一番良くないのは有利なアイテムなど、ゲームバランスを壊しかねない施策を入れてしまうこと。もっとも名誉的なものが付与されるだけなら、あえて導入する意味も乏しいのでは……これがジレンマだと高橋氏は語ります。板倉氏もまったく同感だとして、そこに明確な回答が出せないまま、ずるずるとクラン導入をめぐる議論だけが続いているとあかしました。

時にはシリアルコードをめぐるBAN騒動など、ギリギリなトークも飛び出した今回のパネルディスカッション。コンテンツプロバイダーの高橋氏・板倉氏によるディスカッションを中心に、メディアを運営する目黒氏、アプリにコミュニティ機能を加える片岡氏が内容を広げていきました。議論は終始、脱線しがちでしたが、示唆に富む内容が数多く含まれていました。

特に事業者側の施策は既存ユーザーの活性化がメインで、メディア側の施策は既存コミュニティに新たな風を送りこむという、一種の補完関係があるように感じられました。ゲームとコミュニティ、そしてメディアのあるべき関係性は、PCのMMORPG時代から続く、古くて新しい議論です。一朝一夕に結論が出る問題ではありませんが、さまざまな知見が得られたのではないでしょうか。
《小野憲史》

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