『Fez』開発者Phil Fish氏がYouTuberのゲーム実況を批判「コンテンツを盗んでいる、利益を分配すべき」 | GameBusiness.jp

『Fez』開発者Phil Fish氏がYouTuberのゲーム実況を批判「コンテンツを盗んでいる、利益を分配すべき」

海外のゲーム実況で最も有名なPiwDiePieことFelix Kjellberg氏が2013年に挙げた収益は400万ドル、成功すれば莫大な報酬を得ることが可能である YouTuber 。様々なコンテンツや商品を取り上げて紹介するスタイルを取るYouTuberですが、ゲーム実況においてはゲームをプレ

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海外のゲーム実況で最も有名なPiwDiePieことFelix Kjellberg氏が2013年に挙げた収益は400万ドル、成功すれば莫大な報酬を得ることが可能であるYouTuber。様々なコンテンツや商品を取り上げて紹介するスタイルを取るYouTuberですが、ゲーム実況においてはゲームをプレイしながら自身の声を当てた動画を編集、公開してそこに掲載される広告で収益化するというビジネスモデルが成り立っています。過激な発言で知られる『Fez』の開発者Phil Fish氏が、このYouTuberたちに対し「コンテンツを盗んでいる」と批判する一連のツイートを展開しました。

Fish氏は「YouTuberは開発者へと利益を大きく分配すべきだ、彼らは開発者らのコンテンツを盗んでいる」とツイート。「広告の収益は開発者たちと共有されるべきだろう。これはYouTubeに組み込まれるべきものだ。それ以外は基本的に海賊行為だ」と、ゲームを実況し収益を得るYouTuberらを痛烈に批判しました。

またFish氏は「もし君が私のコンテンツを借りてチャンネル上で利益を得たのなら、君は私に金の借りがあるということだ。単純なことだよ」とも発言したほか、「もし映画を買ったとして、全編を無料でみんなに見てもらうように配信することは許されるのか?いやそんなことはない、なぜなら違法行為だからだ」と解説。映画の違法アップロードとゲームの実況配信が同種の行為であるとの見解を示しています。

さらに「現在ある制度が開発者への分配を妨げている。だが『Fez』を買って、"全て"をYouTubeに投稿して広告を掲載し、金を作ったとしてもそりゃ"全く問題ないんだ"」(原文では""内は全て大文字のスペル)とFish氏。「そして開発者たちは世界中に無料配信されたことに対して正当な対価を受けとるべきでは"全くない"。これでいいんだろう。筋が通ってる」と皮肉のツイートを飛ばしました。



高評価を獲得した2Dアクションパズル『Fez』の開発者として知られるPhil Fish氏


昨年7月、海外のポッドキャスト番組Invisible Wallsに出演しているMarcus Beer氏の発言をきっかけに激しい口論をTwitter上で繰り広げ、その流れから新作『Fez 2』の開発中止を宣言してTwitter上では沈黙する様子を見せていたPhil Fish氏。今年に入ってからは数えるほどのツイートしかしなかった同氏ですが、今回の一連のツイートを終えたあとは「気にしないでくれ」と発言してTwitterアカウントをプロテクトし、最終的にはアカウントそのものを削除するという結末に至っています。

人気のYouTuberやゲーム実況者らとゲーム開発スタジオがパートナーシップを組み、発売前のゲームタイトルのプロモーションを目的としてプレビューを配信するという仕組みもあるため、ゲーム配信による広告収入が全てPhil Fish氏の言うようなコンテンツの盗作であるとは言い切れません。昨年末にはYouTubeにコンテンツID機能が搭載され、ユーザーから無許可で投稿されたゲーム映像は削除するという仕組みも設けられましたが、これに対してもBlizzardやUbisoftおよび海外カプコンは申請さえすれば動画投稿を許容する姿勢を見せていました。

また任天堂は今年5月にも国内へ向けたツイートにて、YouTube上にて任天堂の著作物を含む映像を正式に許諾したと発表。許諾した映像には広告がつき、基本的にはGoogleと任天堂で分配されるものの、希望するユーザーにはアフィリエイトプログラムを通して広告収益の一部を得ることができるという制度も提供しています。この制度はPhil Fish氏の提言する、開発者と配信者が利益を分配するモデルに近いと言えるでしょう。

違法であるかどうかは「グレーゾーン」という免罪符が常に謳われてきた動画配信。まだルールやモデルが完全には確定していない騒乱の中にはあるものの、すでに各社は独自の対応をそれぞれ取り始めており、YouTuberや配信者たちにはガイドラインを読みコンテンツ開発者らの意図を汲み取る配慮が今後求められることとなりそうです。
《GameBusiness.jp》

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