ユーザー満足度から分析する3DSの復活・・・「データでみるゲーム産業のいま」第8回 | GameBusiness.jp

ユーザー満足度から分析する3DSの復活・・・「データでみるゲーム産業のいま」第8回

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ここのところ、しばらくソーシャルゲームの話題が続きましたので、今週はゲーム専用機の話題を取り上げます。
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ここのところ、しばらくソーシャルゲームの話題が続きましたので、今週はゲーム専用機の話題を取り上げます。

今からちょうど1年前、2011年2月26日に『ニンテンドー3DS』(以下3DS)が発売されました。

市場の大きな期待を背負って登場した3DSも、初期需要が一巡した後は、ソフトラインナップのパワー不足が響いたためか、やや停滞。その後、任天堂としては過去に前例のない早さで8月に3DS本体価格の改定を敢行(25,000円→15,000円)、勢いを取り戻した後は、年末の『スーパーマリオ3Dランド』『マリオカート7』『モンスターハンター3(トライ)G』が次々にミリオンを達成し、これらのタイトルが3DS本体を大きく牽引しました。つい先日、歴代ハード最速で累計500万台販売を達成したのは記憶に新しいところです。

実は、当社(ゲームエイジ総研)は3DS発売時にユーザー意識調査を実施しておりました。今回、同様のスキームで調査を行い、発売当初と現在における、3DSが持っている各ベネフィット(ユーザーが享受できる便益)に対するユーザーマインドを比較し、ここでご紹介いたします。

【図1】は、3DS発売後約2ヶ月が経過した時期の調査結果です。つまり、3DSを購入したユーザーが本体機能や特長をひと通り理解した頃のデータです。さらに言うと、この昨年5月下旬という時期は、発売直後の過熱ムードも去り、世の中が3DSを比較的冷静に見始めた頃でした。

それに対し、【図2】は、つい先日、3DS発売からちょうど1年後のタイミングでおこなった調査結果です。

今回は、多変量解析の一種である「重回帰分析」という解析手法を通じて、3DS購入者のユーザーマインドにアプローチしました。

まず、グラフの見方を説明いたします。横軸には「3DSの各機能(ベネフィット)に対する満足度」、そして縦軸には「その機能が総合満足度に与える影響度」を設定し、4象限のマトリクス上に各機能をプロットしました。
それぞれの象限が持つ意味合いは以下の通りです。

[右上象限]要素満足度が高く、かつ総合満足度に与える影響力が大きい要素。今後も維持伸長すべき要素。
[右下象限]要素満足度は高いが、総合満足度の向上にはあまり寄与しない要素。ある意味“あって当然、無いと不満”というようなもの。
[左上象限]総合満足度に与える影響力が高いにもかかわらず、不満が大きい要素。改善優先度の高い要素。
[左下象限]要素満足度は低いものの、それが総合満足度にはあまり影響しない要素。この要素改善のために過大なリソースを割く必要はない。

さて、まず[右上象限](要素満足度が高く、かつ総合満足度に与える影響力が大きい要素)にプロットされた要素に注目いたします。

【図1】(発売2ヶ月後)では「DSソフトとの互換性」「映像・グラフィックのクオリティ」「裸眼3D」「本体デザイン」「すれちがい通信」「3Dボリューム調節」の6つの要素がここに分類されました。

一方、現在(発売1年後)の【図2】では、発売2ヶ月後時点から引き続き残っている「映像・グラフィックのクオリティ」「本体デザイン」に加え、新たに「本体価格」「本体色のバリエーション」「ニンテンドーeショップ/体験版などのダウンロード」の3要素がこの象限に分類されています。

では、発売2ヶ月後時点で[右上象限]にあった「DSソフトとの互換性」「すれちがい通信」、そして「裸眼3D」「3Dボリューム調節」は現在どこに分類されているかというと、これらは、いずれも現在は[右下象限]に移動しています。つまり、購入ユーザーはこれらの要素に対し、ある意味“あって当然”という捉え方をしていることになります。
この中で、特に興味深いのは「DSソフトとの互換性」です。

発売2ヶ月後(昨年5月下旬)の頃は、3DS専用タイトルのソフトラインナップが今現在のように充実していなかったため、それまでの“DSのソフト資産を活かすことができる”という意味で、ユーザーはこの「DSソフトとの互換性」を重視していたのでしょう。

しかし、発売1年後の現在は、前述の通りミリオンタイトルが3本も登場し、さらに今後も魅力的なソフトラインナップが控えています。つまり、“3DS専用タイトルが充実”したために、相対的に「DSソフトとの互換性」に対するマインドシェアが下がったということが考えられます。

そして、3DSのアイデンティティとでもいうべき「裸眼3D」。マーケティング的な言い方をするならば、USP(Unique Selling Proposition:その製品のみが保有する独自の強み)ということになります。

発売2ヶ月後時点では、当然のように[右上象限]に位置していましたが、1年後の現在では、なんと[左下象限]に移動しています。

これは、発売当初の“目新しさ”が薄れたという側面もあるでしょうが、昨今のヒット作を見ても分かるように、ゲーム性の進化・深化には、必ずしも裸眼3Dが必要ではないとユーザー自身が感じているということを示していると思われます。つまり、目新しく分かりやすいハードの機能性から、より“ゲーム機としての本質的な部分”へと、ユーザーの求める価値観が変わってきているのでしょう。

最後に触れておきたいのが「価格」についてです。

発売2ヶ月後時点では、「価格(25,000円)」の満足度は極めて低く、かつ総合満足度に与える影響度は極めて大きいという、3DS自体の満足度を下げる最大の要因となっていました。

しかし、既にご承知の通り、昨年8月に25,000円から新価格15,000円への大幅な値下げが行われました。その結果、今ではむしろ満足度が高く、かつ総合満足度の向上に寄与する[右上象限]に移動しています。

1万円もの大幅値下げは、3DSビジネス全体における利益面のマイナスインパクトが極めて多大であったことは想像に難くありませんが、この決断がそれまでの最大の購入障壁を完全に払拭し、その後の3DSの大躍進につながったことは間違いありません。

このように、3DSを取り巻く環境は、わずか1年で大きく変化しました。

ターニングポイントとなった「1万円の値下げ」という大きな決断(意思決定)、そしてミリオンセラー3タイトルをはじめとした年末商戦期の分厚いソフトラインナップ、この2つが有機的に絡み合った結果、一時の劣勢や3DSに対する市場の不安を見事に覆しました。このどちらか一方が欠けていたら、「史上最速の500万台達成」はなかったことでしょう。勢いを取り戻した3DSが今後どのように展開していくのか、引き続き注目してまいります。

ゲームエイジ総研
コンサルタント 三宅 淳

調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。
《三宅淳》

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