遊園地は金儲けを語るか? セミナーの功罪・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第4回 | GameBusiness.jp

遊園地は金儲けを語るか? セミナーの功罪・・・黒川文雄「エンタメ創世記」第4回

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久しぶりにゲームコンテンツ系の講演会にパネリストとして参加することになりました。聞く側ではなく、いわゆる「しゃべる側」の立場はずいぶんと久しぶりです。今回の講演会は「日本デジタルゲーム学会」様が開催するものです。

今回の研究会でのテーマは「メディアの変遷とゲーム会社の対応」というものでタイムリーなテーマです。ネット系CGMの発展により、個人ベースでのゲーム系情報発信が加速し、クリエーター側の些細な発言やツィッターでの書き込みであっても、瞬間的に拡散し、それを「まとめ」的に取り上げるネット掲示板やサイトがそれを集中的に取り上げるという図式が出来上がってしまいました。

私の知人のクリエーターさんのなかにも、些細な発言から火が付き、ツイッター炎上、メーカーのインフォあてにもメールが殺到したということがありました。エンタメカテゴリーのなかでも、ゲームは他の映画や文芸などのコンテンツと異なり、そのカルチャーとしての歴史が浅いことや、メディアそのものがネット系コンテンツに近いということもあり、書かれやすい、撃たれやすいという側面があるようです。

さて、今回の私の講演内容ですが、主催者様側からの要請もあり、コンピュータゲームにおいての私自身が果たした過去の実績と、今後の展開予定、そして、それらを今後どうとらえていくべきかという視点でお話をしようと思います。おそらく、その中で昔の経験や実績などを披露させていただくことになると思います。これらに関してはまた機会を設けてご紹介したいと思います。

話を元にもどしましょう。

業界の関係者やメディア向けの講演会などでよくありがちなことが、その場の雰囲気やノリで当初の想定以上のことを喋ってしまうということがあります。当然、会場でのウケは良くなりますし、その循環でさらにノッてしまい、あとで収録されたものを文字になったものをみたときに驚くようなこともあると思います。メディアが紙のみのときと違い、今はネットや個人のブログなどもあり、思わぬ失言や意図せず発言したことがさきほどのように「想定外の火種」になることもあります。

思うに、このところそのようなケースがずいぶんとネット上の記事や書き込みで注目を集めています。ソーシャル系コンテンツで、個人で月に数万お金を払ってもらうことや、どうしたら短期間に多くのお金を払ってもらえるかという方法論や実例が臆面もなく語られています。マネタイズというなんとなく、あたりのいい言葉を使われており、それはそれで収益を上げることを目的とした商売ですから否定をしません。むしろ収益を上げることは当たり前のことです。しかし、個人的には、それを誰もが眼にすることのできるメディアなどに掲載されることは果たして是とされるのだろうかと思います。

娯楽というものは、楽しくて、気持ちよくて、その対価として満足して支払うものではないかと思います。あるテーマパークでたとえるならば、園内にあるキャラクターを周遊徘徊させることで、そのキャラクターのグッズ売り上げが劇的に伸びることが明らかでも、その収益のリソースの理由をテーマパーク側は明らかにはしないでしょう。そして、その収益のマジックこそが、来園者やユーザーが気持ちよくお金を使う娯楽の原点だと思います。その部分を履き違えたり、勘違いしているのであれば、遅かれ早かれ来園者の足が遠のいて行くでしょうし、そのあたりのデリケートなナレッジは敢えて世に問うものではありません。マネタイズという言葉に踊らされて自慢げに語るような娯楽の未来は明るくないと思います。

■著者紹介

黒川文雄 (くろかわふみお)
メディアコンテンツ研究家
1960年・東京都生まれ。武蔵大学卒。レコード会社を経て、株式会社ギャガコミュニケーションズ(現・ギャガ)、株式会社セガエンタープライゼス(現・セガ)、株式会社デジキューブを経て株式会社デックスエンタテインメントを起業。映画製作配給、オンラインゲーム企画開発運営に携わる。その後株式会社ブシロード副社長、株式会社コナミデジタルエンタテインメントを経て、現在は株式会社NHNジャパンにてオンラインゲームの企画開発運営に携わる。一方で数々のエンタメ産業への造詣が深くメディアコンテンツ研究家としてコラム執筆を行う。ブログもご参照ください。Twitterアカウントはku6kawa230
《黒川文雄》

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