「スマートフォンのオープン化でナンバーワンを目指す」サイバーエージェント決算説明会(2) | GameBusiness.jp

「スマートフォンのオープン化でナンバーワンを目指す」サイバーエージェント決算説明会(2)

サイバーエージェントはスマートフォンの全ドメインに挑戦すると掲げていますが、中でも注目されるのはスマートフォンのオープン化されたプラットフォーム「AmebaSP」と独自のAndroid Marketである「Ameba AppMarket」です。

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サイバーエージェントはスマートフォンの全ドメインに挑戦すると掲げていますが、中でも注目されるのはスマートフォンのオープン化されたプラットフォーム「AmebaSP」と独自のAndroid Marketである「Ameba AppMarket」です。

「AmebaSP」はソーシャルゲームに必要なAPIやAmebaを初めとするソーシャルメディアとの連携を実現するAPIを公開したプラットフォームです。用意される機能はMobageやGREEとほぼ同等のものです。

これまでAmeba(モバイル)で提供されるソーシャルゲームは内製に限定されていましたが、藤田氏は「限定していたのはこうしたプラットフォームが3番煎じ、4番煎じだったため、内製でクオリティコントロールをするというのを特徴にしただけです。スマートフォンでは競争がリセットされる上、圧倒的なPVを持ち競争優位にあるためオープン化に乗り出したんです」とオープン化の理由を説明しました。

オープン化に伴い、女性ユーザーばかりというAmebaのイメージは変わるかもしれません。藤田氏は「特に内容を限定するつもりはありません。デベロッパーにとっての魅力はユーザー数と利用がどの程度かということに尽きると思います。女性が多いというのは魅力の一つだと思いますし、ニュートラルにするという点はまだ考え切れていない部分ですが、プラットフォームが伸びればユーザー層の偏りは解消されていくと思います」と話しました。

既に多くのデベロッパーから参加の希望が寄せられているそうで、6月にはiOSで、8月にはAndroid向けのSDKを提供開始するとのこと。ただし当初は一部のデベロッパーに限定するようです。

一方の「Ameba AppMarket」は独自のAndroid Marketになります。8億という巨大なPVを誇るAmebaからの誘導が大きな特徴となり期待されています。ただし、サードパーティ製のAndroid Marketは収益化が難しいという指摘もあります。

藤田社長は「本家があり、ドコモマーケットがあり、au one Marketがある中で、こういうサードパーティ製のAndroid Marketがアリかは正直分かりません」と前置きした上で、「社内のリソースだけでやっているので、失敗した際のリスクは最小限で、かつ上手く行けばかなり大きな資産になります」と説明していました。

オープン化だけでなく自社のスマートフォン開発も加速しています。Amebaにおけるスマートフォンの開発ラインは25ラインあり、年内に100タイトルを制作予定。これまでに37タイトルをリリースし、今日時点で4タイトルがAppStoreの上位200位にランクインしています。人気の、値下げアプリを紹介する『FreeAppsNow』は30万ダウンロードを突破したとのこと。

「スマートフォンはここがよーいドンだと思っている」藤田氏は何度も繰り返しました。言葉の裏には8億という国内のスマートフォン市場では圧倒的なPV数という自信が感じられました。口にこそしませんでしたが、オープン化をフックにスマートフォン市場でMobageやGREEを凌駕するようなプラットフォームを作るという意思があったように思います。スマートフォンと海外進出を同時に挑戦する2社と比べると、まずは国内、という立ち位置のサイバーエージェントは面白い存在になりそうです。

(おわり)
《土本学》

メディア大好き人間です 土本学

1984年5月、山口県生まれ。幼稚園からプログラムを書きはじめ、楽しさに没頭。フリーソフトを何本か制作。その後、インターネットにどっぷりハマり、幾つかのサイトを立ち上げる。高校時代に立ち上げたゲーム情報サイト「インサイド」を株式会社IRIコマース&テクノロジー(現イード)に売却し、入社する。ゲームやアニメ等のメディア運営、クロスワードアプリ開発、サイト立ち上げ、サイト買収等に携わり、現在はメディア事業の統括。

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